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「紹介するよ。御存知の通り彼はルシオ君。ルシオクランのリーダーで我々と良く一緒に仕事をしてくれている。ルシオ君、来てくれて感謝するよ。」

「それは勿論、ハラシュ様の為であれば。」

ルシオは少しチョケたニュアンスでハラシュに答える。


「で、噂のアルブレヒトは…君だね?」

ルシオは俺等を一瞬観察し、すぐに俺を見る。


「よろしく、アルブレヒト。」

「…アルブレヒトです。よろしくお願いします。」

そして他のメンバーには見向く事無く、俺の前まで来て挨拶をした。キツめの香水が鼻を刺す。細身の体、目自体は笑っているものの、目の奥は俺を刺すように観察している。俺は敢えてそのルシオの目を見て挨拶を返す。ルシオは一瞬不敵な笑顔を見せた後にハラシュを見た。


「ハラシュ様、何処まで話しました?」

「私も遅れてしまって、挨拶の段階です」

「了解です。では、他のメンバーは解散で。」

ルシオはそう言って扉を開ける。


「あ、ベルント爺召喚します?」

「ウーゴ君、アルブレヒト君をお借りしますよ。」

ハラシュはルシオに対して呆れ顔をした後でウーゴへ向けて発言する。ウーゴはハラシュの後に俺を見た。俺は黙って頷く。


「では、我々は失礼します。」

ウーゴも頷くとベルントと一緒に部屋を出た。

部屋にはハラシュ、ルシオ、俺。ルシオは椅子に座る。


「アルブレヒト、意外にも忠犬派?」

「…何故、私がアルブレヒトである、と?」

「見ればわかる。」

ルシオは鼻で笑って口角を上げる。


「ハラシュ様、御用件は?」

「アルブレヒト君、実は我々とルシオクランで討伐したいモンスターが居て…。」

ハラシュはアースドラゴンの依頼書を出す。


「冬眠明けの今こそ狩り時でね。但し、アースドラゴンは警戒心が強く、そもそも会敵まで持って行く事も難しい。そこで君の出番って事。」

「…俺のギフテッドで、アースドラゴンを誘導する。」

「物分かりが良くて結構。」

ハラシュの説明を横取りしたルシオは頷く。俺はハラシュを見た。ハラシュは平然とした表情で俺とルシオの会話を聞いている。


「俺等のクランはドラゴン殺しの異名を得て箔が付く。商会もアースドラゴンの素材は貴重で市場に出て来るのも珍しいので高値で売れる。君はあのチームでは1年掛けても稼ぐ事が叶わない報酬を獲る。君のチームも…まぁ前払いしているあたりがハラシュ様も御人が悪いが、この光輝都市ティーロックを満喫出来る。不満は?」

「不満は無いです。この作戦、俺の命は最優先で守って頂けるって事ですよね?」

ルシオは一瞬真顔になり、その後で笑顔になる。


「あぁ、アルブレヒトの生存こそこの肝。俺が担当する。アルバニー(人を乗せて高速で走る事の出来る有蹄類)に乗せて戦場までアースドラゴンを引摺り出して、その後も君を守る。そこは必ず。」

「…アースドラゴンの討伐は他のクランのメンバーで?」

「倒せるよ。それに俺は、作戦の最重要事項を他人に託す程、御人好しでは無いよ。」

ルシオは不敵に笑って頷く。


「クランの先遣隊は既にアースドラゴンの冬眠明けを確認している。作戦決行は明日の朝一。この後アルブレヒトも入れてクラン事務所で会議をする。」

「畏まりました。よろしくお願いします。ハラシュ様、宜しければ射士の装備を一式お借り出来ますか?今回、戦士装備は無意味ですので。」

「準備します。」

俺はハラシュに依頼する。アースドラゴンは本来であれば金等級冒険者のルシオとそのクランを擁しても難敵、俺がパリィ出来る攻撃では無く、攻撃が俺まで届く事は即死を意味している。


「良し、行くぞアルブレヒト。」

「ハラシュ様、失礼します。」

「ハラシュ様、宿には俺のクランの奴に送らせるので御安心を。ではまた明日の昼に。」

「健闘を祈っていますよ。」

俺はルシオに連れられて応接室を出た。

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