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その後の俺等は、シエラでゴブリンを討伐して資金を貯める日、最適なモンスターを探して近場で旅をする日、休息日、を上手く回して日々を送った。今日は休息日、俺は養成学校のトレーニング設備を借りに来ている。養成学校は秋入校で春卒業の半年性、後2月もすれば新入生が来て、宿舎もこのトレーニング設備も使えなくなる。
「パメラ、アヒム教官…。」
トレーニングの帰り際、俺は射撃場でパメラと射士ビルドのアヒム教官を見つける。アヒムは指導しているよりは、日陰で茶を啜ってパメラの射姿を眺めるだけのようである。
「パメラ、アヒム教官。」
「アル、久し振りよのぉ。」
仙人のような風貌のアヒムは俺の挨拶で立って白髭を撫でた。眉が長く目は大凡隠れている。パメラは俺の声で慌てて構えるのを辞め、アヒムの背後で少し気不味そうにしている。
「御無沙汰してます。」
「お前も見て、何かアドバイスして行け。」
「…パメラの術にアドバイスは無いですよ。」
そうは言っても俺はアヒムの横に座る。
「パメラ。」
アヒムが諭すとパメラは奥のターゲットを見た。
パメラの雰囲気が変わる。
足を開く。
右足を僅かに引いて爪先を揃える。
背を真っ直ぐに伸ばし、重心を定める。
一度、息を整えて矢を番える。
肩を上げず、胸も張らず自然体のまま、背筋を適度に使用して自然と腕を伸ばして行く。
矢は頬の横を通り、視線は真っ直ぐターゲットへ。
…静止、静寂。
パメラは目を細める。
そして、射る。
パンッと響く音、矢はターゲットへ吸込まれた。
パメラは射終わった後も姿勢を保持して、ターゲットを見つめる。
暫くして漸く構えを解いて俺を見た。
俺はパメラに対して拍手をする。
「アヒム教官、教える事は無いです。」
俺はターゲットを見た。矢は若干外れているものの大凡中心を射ている。
「アル、お前も射て行くか?」
「…え?」
「気晴らしに射て行け。モンスターもおらんぞ。」
アヒムは俺を見て、備品の弓矢を渡して来る。
思えば、射士を諦めて以降、射るのは初めてである。俺は少し緊張して装備を受け取る。
「…では。」
俺はパメラの位置、ターゲットの正面には立たず、装備を貰った場所より矢を構えて、素早くターゲットを狙って射る。矢は俺の想定の軌道を少し逸れてターゲットの上部に命中した。
「お?…あぁ。」
俺は戦士として訓練をする中で、上腕の筋力と背筋が強くなり、以前のイメージとのバランスが崩れた事を悟る。角度を微調整して2射目、今度は想定通りの軌道でターゲットの中心を捉えた。
「流石!アル、衰えてはおらんのぉ。」
「ありがとう御座います。」
パメラも奥で目を丸くして拍手をしている。俺は謙遜して装備を返す。
「パメラ…次は頼むぞ。」
俺はパメラを見て、その後アヒムに一礼して射撃場を離れた。




