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「ようこそ!ウーゴ、アル、皆も適当に座って。」
アントニオの定食屋へ行くと迎えてくれるカミロ、俺等は頭を下げて店に入る。
「アントニオ、麦酒とオードブルをお願いします。」
カミロが言うと、カミロの何倍も筋骨隆々なアントニオが複数のジョッキの乗る盆をを軽々と持上げて、麦酒を配ってくれた。
「では、乾杯!」
カミロの合図で乾杯、俺はカミロと乾杯をする。俺とウーゴに挟まれてカミロの正面に座っているポロは控えめな様子である。
「美味!昼酒は冒険者の特権だよ。」
カミロは上唇に泡を付けて感嘆する。
「あ、ウーゴ。先に行っておくと今日は俺等の奢りで。懐事情を気にせず楽しんで行ってくれ。」
「カミロ先輩、ポロを救って頂いてその上…。」
「気にしなくて良いの。それに先輩だし。」
カミロはウーゴの肩を叩く。そしてそのまま麦酒を飲干して2杯目へ。
「アル、活躍しているそうで。」
「お陰様で。」
「それに比べてポロ君は相変わらずのようで。」
ポロは黙って目を逸らす。
「何があったの?」
「…酒場でゴブ屋って煽られて、昔の事も色々言われて、その衝動で。」
「お、君等もゴブ屋か!」
カミロは大声でジョッキを持って起立する。
「デニス、ウーゴのチームもゴブ屋になったぞ!」
「おぉ!でも、新米ゴブ屋に教えてやるよ。俺等のチームはゴブ屋歴3年の大ベテランチームだぞ!」
湧くカミロチーム、ポロもポカンとしている。
「奴等の繁殖能力は異常で少し油断するとすぐ増えるし、そうなれば町の人も安心して生活出来なくなり、森の治安も荒れる。ゴブリン討伐は立派な冒険者の仕事だよ。」
カミロは座って、3杯目を注文する。周囲ではカミロチームの女性陣とエリシア、パメラは自然と女子会をしており、クラウスは男性陣と冒険の話をしている。
「…で、何で煽られた衝動で?」
カミロはニヤッと笑ってポロを見る。
「でも俺は!世界一の剣豪になりたくて…。」
「まぁ憧れるよね。でも、本当の意味で世界一の剣豪になれるのは1人だけ。それ以外の剣士は何処かで死ぬか、折合を付ける。『主人公では無い』事を認める日が来るんだよ。」
カミロは今度は真顔になり話す。
「勿論、冒険者は浪漫のある仕事だし、世界一の剣豪、金剛等級を目指すのも1個の人生とは思うけれど、俺は今ある日々、今のチームを大事にしている。博打も無茶も無し。平凡でも安全に収入を得て明日も生活して行く。それに…。」
カミロはそこで言葉を切り、クラウスと話している仲間を見て笑顔になる。
「彼等は俺のパリィを信じてくれて、俺がパリィした後の軌道を予測して動いて、確実にトドメを刺してくれる。俺がパリィに失敗した時は、すぐ援護をしてくれる。俺の中の世界一の剣豪だよ。ポロ君、君はこの仲間の為に何が出来る?」
カミロはそこまで話すと俺に目配せをし、ウーゴの肩を叩いて離席する。俺もカミロに続いて離席しウーゴとポロが残る。
「ウーゴは本当に良くリーダーしているよ。アルは理解していると思うけれど。」
カミロは表情を和らげて呟く。暫くして見ると2人は淡々と話しているように見えた。
その後、俺はクラウスと合流して宴会に興じた。




