第28話:おじいちゃんの雪囲いと、冬のほっこり鍋
第28話をお読みいただきありがとうございます!
コタツとミカン(キトの実)の最強コンボで冬のぬくもりを満喫する健一おじいちゃんたち。
今回は、雪が降り積もった村で、おじいちゃんが「冬の味覚」と「雪国の知恵」を披露します!
一夜明けると、窓の外は一面の銀世界へと変わっていた。
『静寂の森』に初めて降り積もった雪が、木々や家々の屋根を真っ白に染め上げている。
「うわぁぁ! すごい! お外が真っ白だよ、健一おじいさん!」
リリアが目を輝かせて外へ飛び出そうとするが、俺は「待ちなさい」と優しく声をかけた。
「リリアさん、はしゃぐのは良いが、屋根からの落雪や足元の凍結には気をつけなきゃいかんよ。……トールさん、村の家々の屋根に『雪囲い』と、細い木々の『雪吊り』を教えてあげようかね」
「ゆ、雪吊り……? ですか、健一の頭領?」
「そうだよ。重い湿った雪が積もると、大切な果樹や屋根が重みで折れてしまうからね。竹や縄を使って補強してやるんだ」
俺は70年間の雪国の知恵(元・農家の冬の手習い)を活かし、トールたちと一緒に村中の木々や軒先に簡単な補強を施して回った。
半日もすると、村の家々は雪の重みに耐えられる頑丈な冬構えを完了させた。
「ふぅ……これで一安心じゃな。さあ、外仕事で体がすっかり冷えてしまった。昼飯は温かい『鍋』にしようかね」
「なべ……? お肉と野菜を大きな鍋で煮込むの?」
「ただの煮込みじゃないよ。今日は乾燥させておいた『キノコ』と、干し肉、そして……フフフ、昨日作っておいた『特製みそ風調味料』を使うんだ」
俺は秋のうちに大豆に似た豆を発酵させて作っておいた、自家製の『豆味噌』を取り出した。
大鍋にたっぷりの湧き水を張り、昆布に似た海草で取った出汁を効かせる。
そこに根菜とキノコ、干し肉を投入してじっくり煮込み、最後に特製味噌を優しく溶き入れた。
部屋中に広がる、香ばしく芳醇な味噌の香り。
「できたぞ。『おじいちゃんの特製豚汁風・味噌鍋』だ」
木鉢に盛られた熱々の鍋スープを、コタツを囲むみんなに配る。
フーフーと息を吹きかけ、一口すすると――
「――っはぁぁぁぁぁぁ……っ!!」
「な、なんだこの深みのある味わいは……!? お腹の底から、ジンワリと温かい熱が広がっていくぞ……!」
ヘルメスが目を丸くして、お椀を抱え込むようにして飲み干した。
「味噌のコクと出汁の旨味が、具材に染み込んで最高だぜ頭領! 身体の芯から寒さが吹き飛んでいく!」
トールもお代わりを連発し、リリアも「ハフハフ」と言いながら美味しそうに野菜を頬張っている。
天板の上ではモフちゃんが、出汁で煮た柔らかい大根を「もぐもぐ」と幸せそうに食べていた。
外は吹雪くような寒さだが、コタツを囲む部屋の中には、温かい鍋の湯気と笑顔があふれている。
70歳のおじいちゃんの知恵と温もりは、異世界の厳しい冬さえも、最高のご馳走へと変えてしまうのだった。
第28話をお読みいただきありがとうございました!
雪対策の「雪囲い」と、冬の定番「特製味噌鍋(豚汁風)」!
異世界の寒さを吹き飛ばす健一おじいちゃんの冬の知恵でした。




