↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『転移したけど70歳のままだった件〜エルフの村で知識チート(※ただの家庭菜園)を始めます〜』  作者: 凪塩 未来


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
24/30

第24話:おじいちゃんの水車修理と、カラカラの知恵

第24話をお読みいただきありがとうございます!


新たな相棒「モフウサギ」を迎え、さらに賑やかになった健一おじいちゃんの日常。

今回は、村の「水車」にまつわるトラブルを、地球のDIY知識で解決します!

「健一の頭領! 大変だ、村の川にある水車が止まっちまった!」


翌朝、庭でモフウサギ(名前はリリアが『モフちゃん』と名付けた)に特製の餌をやっていると、トールが汗だくで駆け込んできた。


村の水車は、小麦などの穀物を挽くための大切な設備だ。それが止まってしまうと、村の食卓やケチャップ作りの作業にも影響が出てしまう。


「よしよし、モフちゃん、ちょっと見てくるからね」


俺は肩に乗ったモフちゃんをあやしながら、杖をついて川辺へと向かった。


川辺では、村の若者たちが壊れた水車を囲んで頭を抱えていた。木製の大きな歯車がギシギシと悲鳴を上げ、ピタリと動きを止めている。


「魔導具の潤滑油が切れてしまったのじゃ……。だが、あの油は王都から買い付けねばならず、届くまで半月はかかるぞ……」


ヘルメスが困り果てた顔で溜め息をつく。


「油、ねぇ……」


俺は水車の軸組みに近寄り、指先で触れて摩耗具合を確かめた。


(ふむ、回転軸の金属と木が擦れ合って熱を持ち、焼き付きかけているな。要するに『潤滑剤』があればいいわけだ)


地球の家庭菜園や農機具のメンテナンスでは、高価な専用油がなくても代用できる身近なものがあった。


「トールさん、村の倉庫に『ラード(獣の脂)』か、余っている『植物油』はあるかね?」


「え? 脂ですか? 料理に使うやつならありますけど……」


「それと、黒鉛……鉛筆の芯のような『黒い石の粉』か『木炭の細かい粉』を持ってきておくれ」


「炭の粉……? 一体何に使うんだい、健一殿?」


ヘルメスが首をかしげる。


「ただの油だけじゃ、水で流されてすぐに効果が切れてしまう。だが、油に細かい炭の粉を混ぜて塗り込めば、炭がクッションの役割を果たして摩耗を防ぎ、水にも強い『特製グリス』になるんだよ」


俺の指示で、トールたちは温めた獣脂に細かく砕いた木炭の粉を練り込み、黒いペースト状のグリスを作り上げた。

それを棒の先につけ、水車の回転軸と歯車の噛み合わせ部分にたっぷりと塗り込んでいく。


「よし、トールさん。水止めを外してごらん」


「う、押してみますぜ……せーのっ!」


トールたちが力を込めると――


『ガラ……ガラガラガラ……スルスルスル……』


あんなに重々しく止まっていた水車が、嘘のように滑らかな音を立てて勢いよく回り始めた!


「ま、回ったー! 水車が動いたぞー!!」


「すごい……! 王都の潤滑油より静かに回ってる……!?」


若者たちが歓声をあげ、ヘルメスはまたしても開いた口が塞がらない様子で水車を見つめていた。


「ふぅ……うまくいって良かったわい」


俺は肩のモフちゃんを撫でながら、温かいお茶を一口啜った。


特別な魔術も、王都の高級品もいらない。

身近にあるものを工夫して使う――70年間のDIY知識は、今日も村の日常を力強く支えているのだった。

第24話をお読みいただきありがとうございました!


壊れた水車を「自家製グリス」で見事に復活させた健一おじいちゃん!

地球のDIYノウハウで、村のピンチをまたひとつ解決しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。