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『転移したけど70歳のままだった件〜エルフの村で知識チート(※ただの家庭菜園)を始めます〜』  作者: 凪塩 未来


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第20話:おじいちゃんの商談と、村の新しい産業

第20話をお読みいただきありがとうございます!


特製ケチャップの旨味に行商人オズワルドが大興奮!

金貨を積んで買い取ろうとする豪快な商人を相手に、70歳のおじいちゃんが「昭和の商談術」で対峙します!

「金貨10枚……いや、20枚出しましょう! この『ケチアップ』とかいうソースの権利と在庫を、すべて我がオズワルド商会に引き渡してください!」


身を乗り出して鼻息を荒くするオズワルド。

金貨20枚といえば、この小さな村の数ヶ月分の予算に匹敵する大金だ。横で聞いていたトールやリリアが「き、金貨20枚……!?」と目を丸くして固まっている。


だが、俺は落ち着いた動作で湯呑みを置き、ふうと息を吐いた。


「オズワルドさん、商売熱心なのは結構だが……焦っちゃいけませんよ」


「な、なぜです!? これほど破格の条件はありませんぞ!」


「あんたがこのソースを気に入ってくれたのは嬉しい。だがね、いま手元にある分を買い叩かれて終わりじゃ、村の人間は潤わない。それに、これは冬を越すための大切な保存食でもあるんだ」


俺はニコリと穏やかな笑みを向けた。

地球で会社員として長年働き、退職後も地域組合の交渉にあたってきた70年の経験がある。一過性の金に目が眩んで、大事な資源や技術を買い叩かれる愚は犯さない。


「健一殿の言う通りじゃ。村の貴重な蓄えを渡すわけにはいかん」


ヘルメスも腕を組み、俺の側に立ってくれた。


「む、むむむ……さすがは『知恵者』様、一筋縄ではいきませんな……」


オズワルドはハンカチで額の汗を拭い、参ったように肩を落とした。


「……では、健一様。どのような条件なら首を縦に振っていただけますか?」


「簡単なことですよ」


俺は指を一本立てた。


「我が村で生産した分を『独占卸売り』させてあげる。あんたは出来上がった壺を買い取り、街の貴族や高級店に高く売ればいい。その代わり、壺や調味料の材料、そして適切な買い取り価格を継続して保証してもらう。……これなら、あんたも永続的に儲かり、村も潤う『三方良し』だ」


オズワルドはハッと目を見開いた。


「単発の買い取りではなく、継続的な流通ルートの構築……! 村を一大生産拠点にするおつもりですか!?」


「まあ、大袈裟に言えばね。村の若い衆の手仕事にもなるし、農閑期の貴重な収入源になる」


「す……素晴らしい! 素晴らしい提案です健一様! 買い取り価格もご提示通りの適正価格でお約束しましょう! すぐに契約書を交わさせてください!」


オズワルドは感激の面持ちで俺の手を何度も握りしめた。


「すごーい! 健一おじいさん、お料理だけじゃなくて商人さんとの交渉までできちゃうんだね!」


「がはは! さすが健一の頭領だ! 村に仕事まで作っちまうなんて最高だぜ!」


リリアがパチパチと手を叩き、トールが豪快に笑う。


魔法もチートもない70歳の爺さんだが、積み重ねてきた人生経験は、異世界の経済すらも優しく紡いでいくのだった。

第20話をお読みいただきありがとうございました!


「三方良し」の精神で、見事に村の新しい産業(ケチャップ生産)を立ち上げた健一おじいちゃん!

生活の知恵と老練な交渉術で、村の未来はますます明るくなっていきます。

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