第13話:おじいちゃんの農業指導と、獣人族の危機
第13話をお読みいただきありがとうございます!
倒れていた獣人の少年・ルークを救った健一おじいちゃん。
集落を襲う「謎の白いカビ」を解決するため、再びおじいちゃんの農業知識が火を吹きます!
「ここが……おいらたちの集落の畑……です」
ルークに案内されて到着した獣人族の集落は、どこか重苦しい空気に包まれていた。
広大な農地には、かつて主食だったというイモ類や葉野菜が植えられているはずなのだが――そのほとんどの葉が、まるで小麦粉をまぶしたように真っ白な粉に覆われ、グニャリと腐り落ちていた。
「うわっ……ひどい……」
リリアが思わず顔をしかめる。ヘルメスも眉間に深いシワを寄せ、腕を組んだ。
「これは……ひどい有様だな。植物全体がまるで息絶えているように枯れておる。ただの病気ではない、何か呪いのようなものか……?」
「呪いなもんか。ただの『うどんこ病』の末期症状……いや、土壌の環境悪化によるカビの異常繁殖だな」
俺は杖を突いて畑の縁まで歩み寄り、しゃがみ込んで白い粉に覆われた土を指先ですくった。
匂いを嗅ぎ、手触りを確かめる。ジメジメとしていて通気性がゼロ、おまけに肥料の与えすぎで窒素過多になっている。
「あの、おじいちゃん……それ、治せるの……?」
不安そうな目で俺を見上げるルークの頭を、俺は優しくポンポンと撫でた。
「心配いらん。原因さえ分かれば、対処法なんていくらでもあるさ」
俺は立ち上がり、集落の周りを取り囲むように群生している、見慣れない「白い幹の樹木」に目を留めた。
「ルーク、あの白い木の名前は何という? この辺りにたくさん生えているが」
「あ、あれは『シラカバ』……じゃなくて、『ミルクバーク』の木だよ! 幹の皮が白くて、特に役にも立たない木だけど……」
「役に立たない、か。いやいや、最高の一等地に最高の資源が生えているじゃないか」
俺はニヤリと口角を上げた。
「リリアさん、ヘルメスさん、そしてルーク。今からこの畑の大手術を行う。……いいかい、農業とはね、自然のバランスを整えてやる『医療』みたいなものなんだよ」
70年間の家庭菜園で培った「土壌改良と病気対策のノウハウ」が、今、異世界の獣人族の畑で炸裂しようとしていた。
第13話をお読みいただきありがとうございました!
獣人族の畑を襲う「白いカビ」の正体を見抜いた健一おじいちゃん。
「ミルクバークの木」を使って、一体どんな奇跡を起こすのでしょうか……!?




