体育祭
不器用な2人…
少し暑くなってきた6月上旬。
峰中のグラウンドには体操服の人が集まっている。
頭にはクラスカラーのはちまきをつけ、どのクラスも優勝に向けて燃えているように見えた。
今日は峰中の体育祭。
峰中の体育祭は学年ごとでやるので、遠慮なしのお祭り騒ぎ。
そして、なんやかんやで一番ガチっているのが先生たちだ……。
先生たちの服は自分のクラスのカラーに揃えている。
上の服や下の服はもちろん、靴下や靴、中の服まで…。
今回3年5組は青色。だから、先生も今回は上下青。
頭に生徒と同じ青いはちまきをつけている。
先生たちだけ見たらまるでただのカラフルな不審者集団だ。
リレー、大縄、と競技がどんどんと始まっていく中、1位になって一番喜んでいるのがそのクラスの担任の先生で、負けた時に一番悔しがっているのも担任の先生…。
俺は体育祭自体は興味ないし運動できないし、見る専だけれど、毎年1つ目が離せれないほど熱く面白い競技があった。それは………
「では、次が最後の種目です!!最後は……教師vs生徒!!リレー対決ー!!!!」
きた!毎年楽しんで見る種目!!
教師というのは学年の先生全員。
生徒はその先生の人数に合わせて出たい子が出る競技。
毎年やっているがこれはお遊び企画だ。
しかしこの競技をやっているのはこの学年だけらしく先生たちがどんだけ楽しめる企画を考えてくれていることが分かる。
1年生の時は先生チームが勝ち、2年生では生徒チームが勝っている。
毎年いい勝負をしていて両チームとも手加減なしの本気だ。
そしてこのリレーの意味のわからないルールはバトンが100均のアイテムであること…。
教師チームのバトンは赤の派手な蝶ネクタイで生徒チームはピンクのかつら。
しかもそれらはいちいちつけて走らないといけないルールだった…。
「位置について!よーい!…」
大きなピストルの音が鳴り一走者目が走り出す。
でも、やはり手加減という言葉を知らない大人は速い…!
その差は開いていくが、まだ生徒が抜かす可能性がある。なぜなら……
「おぉ!!いい勝負!!生徒チームが抜かした!!」
先生の中にはもう何年も走っていない人や年であまり体力のない人もいる。
順位は逆転し差が開いていく。
………そして、教師チームは次の走者が先生となった。
生徒は普通生徒チームを応援するんだけれど……先生がバトンをもらった瞬間俺は叫んでしまった。
「先生ー!頑張れー!!」
俺の小さな声は届いてないかもだけれど、先生は足が速く生徒との差をほとんどなくすくらいにまで差を縮め次の先生へとバトンを繋いだ。
さすが、元陸上部。足が速い。
しかも今もたまに走っているって言っていたから、その力はあまり衰えていないんだろう。
そして競技が終わり中学校の体育祭は終了となった。
◇
体育祭終わり、みんなで集合写真をパシャリ。
5組は1位にはなれなかったけれど、総合的な結果でも上位に入っていてみんな大満足だ。
そして、何よりとても楽しかったし。
写真を撮り終えゾロゾロと教室に帰ってく生徒が増え出し俺も帰ろうとした時………
「体育祭お疲れ様です。」
「あ、先生!リレー凄かったです!!さすがですね!」
先生はいえいえ、と言わんばかりに手を振り否定する。
「いや、、まぁ走るのは好きなんでね……まぁ結局負けっちゃったんですけど……」
「ふふっ本当にいい試合でしたね!最後まで目が離せませんでした…!」
最後のリレー結果は生徒チームの勝ちだった。
しかし、本当に最後まで分からないいい勝負で、見ているこっちも楽しかった。
「改めて、体育祭お疲れ様でした。……イェーイ……」
そう言って、先生は自分の手を出してくる。俺は一瞬なんのことかと戸惑ったがすぐ理解して、先生の手に自分の手を重ねた。
「い、イェーイ……」
そして、俺はなんだか面白くなってきてぷっと吹き出してしまう。
「あははははは!!」
なんとういうか…不器用すぎる…!
だけれど、これもまた思い出の一つになるな…。
俺は笑いが止まらなくなり、先生は俺を見て微笑むように笑った………。
改めて作品を読んでくださりありがとうございます。
テスト週間にも入りますし、忙しくて本当に投稿やリアクションへの反応が遅くなってしまい申し訳ないです。
そんな中でもまだまだ、楽しみにしてくれたらなと思います!
次の投稿は5月13日水曜日の予定です。
ありがとうございました!




