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卒業式

別れは笑顔で、涙で…

「これより不要物持ち込み計画を始める」


俺は朝早くからきたけれど、今日は卒業式。


先生の出前はもちろん生徒もいつに増して多い。


問題なのは、今いる駐輪場から2階の3年5組までに道のり。


不要な持ち物を避けるため、荷物禁止での登校が決められているが、先生と大我先生に送る寄せ書きを持ってきている…。


教室に行けばすぐに引き出しの中へ隠せるので別に問題はない。


どこに先生たちが待ち構えているかわからない。


確認できるのは、まず昇降口にいる学年の5〜6人の先生たち。


あそこに、先生もいる。


立ち話したいけれど、ここは早く立ち去りたいところ……。


一応持ってきた手提げに寄せ書きを入れ、肩にかけ大きなウインドブレーカーの内側に入れる。


ウインドブレーカーのチャックを一番上まで閉めれば完成。


だけれど、腕でも抑えてないといけないから不自然になるけれど、見えているよりマシ。


これで行くしかない!!


俺は駐輪場から猛ダッシュをかました。



 「はぁぁ……ば、バレなかった〜………」


なんとか教室について安堵する。


昇降口に5〜6人。


そして2階に上がったすぐの角で4人いるのはずるいって………。


昇降口突破したところでちょっと安心してしまったじゃん……。


俺は、寄せ書きを丁寧に机の引き出しに入れる。


そして、机の上に何か置いてあるのでそれに目を通した。


ちなみに、クラス全員の机に同じものが置いてある。


『3年5組のみんなへ。最後の学級通信です!楽しくて、幸せな1年間を本当にありがとう!!』


そう書かれた紙の裏面には3年5組の今までとってきた集合写真が印刷されていた。


最初に撮ったクラス写真から、全部。


そして、先生の文字で宝物と書かれている。


先生…こんなもの作ってたんだ………。


「これ、俺も宝物だなぁ………」


大切にしないと…。


あ…まだ額縁あったっけ…?買い足さないとだな…。


てか、先生早く教室来ないかな…。


さっき、おはようございます。とだけ言って横を走ったのに、話し相手がおらずそんなことを考えてしまった。



 「これより湯ノ峰中学校卒業式を始めます。」


司会の先生が合図をし卒業式が始まる。


なるべく最初の方で泣かない……。


最初の方で泣いちゃったら多分もたないと思うから…。


「続いて卒業証書授与」


司会から担任にマイクが渡り、1組の子から名前が呼ばれていく。


みんな大きな返事を返してその場に立っていった。


先生が昨日言ってた。ミスらないようにしないと…とか、噛まないようにしないと…とか。


多分みんなの名前を呼ぶのがこれで最後になると思うから…。


先生はそう言って悲しそうな顔をして笑った。


その顔をが忘れられない。


そんなことを思っていると5組の番がきた………。その時………


「……3年5組…、1番、……」


俺は気付いた……。


顔は見えないけれど、今先生泣くのをものすごく我慢している…。


そんな声………。


だけれど、ミスらないように、噛まないように必死に頑張っている声…。


なんだかその声を聞くだけでこっちまで泣けてきてしまう…。


「代表者─」


「はい!」


俺の名前を呼ばれてそれに答えるかのように大きな声で返す。


多分泣きそうだけれど、泣いていないそんな先生の姿が想像できる。


今から、頑張って涙を引っ込めるだろう…先生は別れは笑顔でタイプ。


今のは多分貴重だったな〜。


先生ってみんなの前で泣いたことないし。


そう考え証書を受け取り、式はどんどんと進んでいった。



 「卒業生退場」


その合図で、担任がまず中央の通路に立ち一礼をし自分のクラスの生徒を立たせる。


そして、先行く先生の後ろに通路側の人から後ろについて退場をする。


俺は通路側の席だから退場は先生の真後ろを歩く。


1組、2組、3組と担任が生徒を見て立たせる。


そして、5組の番がきた時……。


「……っあ……っ」


先生は……自分の手で涙を拭かないといけないくらい……泣いていた。


その姿に完璧もらい泣きをしてしまい俺の目からも涙が溢れてくる。


あんだけ泣いている先生初めて見た……。


その場に立ち、先生の後を歩く。


泣いているせいで肩が揺れている。


背丈は俺とあまり変わらないのに先生の背中は大きく見えた──。 

改めて作品を読んでくださりありがとうございます。

とうとうこのお話も卒業式まで来ました。

まだまだ、続きはありますがここまでこれたこと本当に嬉しいです。まだまだ、盛り上げて欲しいです!!

次の投稿は7月18日土曜日の予定です。

ありがとうございました!!

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