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始業式

偶然の運命…

4月始まり、昇降口には新しいクラスの発表がされている。だがしかし……


「…ひ、人が、多い………。」


全学年いっきに発表のせいで動けないくらいに人でパンパンだ……。


しかも目が悪い俺は、遠くからも見えるわけがなく……


「…あ!おはよ!!何組やった?」


隣から、1年2年とクラスが同じだった友人が話しかけてくる。


「おはよう。それがまだ見つけれてなくて…そっちは?」


「4組やったよ。一緒に探したろ!」


1組の方から見にいったるからーと言ってくれて、じゃあ自分は…と反対の7組から見ていくことにする。


はぁ…先生は同じクラスなのか……この掲示には担任の名前は書いていないから、ぶっちゃけここはどうでもいいんだけれど……。


今思えてくると、同じクラスになりたいと言ったことが恥ずかしく思えてくる……。


そう考えつつ、7組に自分の名前がなかったので6組に移る。


そもそもクラスが多すぎる。7組あるから、7分の1。しかも、先生が担任じゃない可能性だってあるから…また同じクラスになるなんてものすごい確率……。


でも、今日でこの1年が決まる…。俺はそう思い自分の名前を探していった。





 「……1〜3組に名前なかったよ…!」


あれから数分後、再び友人と合流する。


「え!?まじで!こっちも6と7にはなかったわ…。じゃあ、あとは4か5?」


そう言うと友人はうーんと思い出すように言う。


「…やけど…自分の名前を4組で見つけた時、あんたの名前なかったような……」


「え!じゃあ、5組かな……?」


「うん。そうやと思う。クラスの前にも名簿貼ってあるから、そっちで再確認しよ。」


そうして4組と5組はクラスが隣だからと、2人クラスへと向かった。


「あ!!あった!5組や!!」


「お!じゃあ隣やな!最後の1年だけおんなじクラスになれやんくって悲しいけれど、中学最後の1年楽しも…!じゃ、クラス行くわ。席確認したいし」


「うん。じゃあ。」


そうクラスに入っていくまで見送る。一緒にクラス探してくれたし。その時─


「おはようございます。」


後ろから先生のあいさつが聞こえてくる。2年生の終業式以来。久しぶりの再会が嬉しくなり、俺はすぐ振り返った。


「おはようござい…ま…………え………。えぇぇぇぇ!!」


俺は先生の姿を見て驚く……。


………先生は、マスクとメガネを外し顔がはっきりと見える状態になっていた。


「…先生………マスク…メガネも!!」


俺はびっくりしすぎて頭が真っ白になる。先生の顔今思うとしっかり見る。


綺麗な顔立ち、そして小顔のおかげで幼く見える。


「あ…マスクは……最近コロナ、落ち着いてきてるじゃないですか…?…いらんな〜と…。あと、最後の1年としてイメチェンで、コンタクトに……。……変じゃないですか?」


先生は少し恥ずかしがりながら言う。だけれど、変えようと思ったその姿が_


「最高です!とってもかっこいいですよ。」


そう言って笑ってあげる。そしたら先生は話題を変えるかのように聞いてきた。


「そういや…何組になったんですか?」


………先生がそんなこと聞いてきた……。


…先生が知らないってことは、おんなじクラスでは……


「5組です!今までで、5なんて数字なったことなかったんでびっくりしてます…!!」


俺はあまり担任の話題にならないように答える。なんだか心が少し痛かった……。


「じゃあ、すぐそこのクラスですね!荷物の移動や席も確認しないとなので、もうそろそろ行かないとですね。」


そして先生がクラスまで連れてってくれる。


背丈は自分とあまり変わらないのに先生の背中は大きく見えた─。 





 「では、次に担任の先生の紹介です─」


体育館。


始業式で担任の先生発表が始まる。


1番盛り上がる瞬間……。


そして、マイクを持った学年主任で俺の部活の顧問である青髙(あおたか)先生が口を開ける……。


「─1組、日石(ひいし)先生。2組、(はやし)先生。」


心臓が飛び出てしまいそうな……そんな感覚になる。


まず5組までで先生の名前を呼ばれなかったら、一安心……。


「3組、伊田(いだ)先生。4組、碕山(さきやま)先生。」


え……呼ばれない……そんな頭が真っ白になった自分を待ってもくれず、青髙先生はどんどんと発表していった……。


「5組、──。」


その名前が呼ばれた瞬間、嬉しさと安心のあまり涙が流れた─。





 「またお前かよ〜って思うかもしれないけれど、今年も1年間お願いします。……頼りにしてますよ。」


あれから教室に戻り、自己紹介が終わり、放課後となった……。


すると、先生が話しかけてくれた。


「いやいや!!ものすごく嬉しいです…!!!本当にありがとうございます……!」


そう言ってペコペコと頭を下げる。


嬉しすぎて、まだ夢だと思っている……。


多分今からいろんな人に自慢するだろう……。


「って…もうこんな時間……今から、部活で入学式の演奏をしてくるんです。先生聞きにきますか?」


自分たちは午前中に終わり下校。午後からは新入生の入学式。


そこで、体育館のギャラリーから生演奏をする予定だ。


「僕も入学式出席する予定です。演奏楽しみにしていますね。」


その言葉に背中を押してもらい、俺は吹奏楽部室へと向かった。





 吹奏楽ではファゴットを吹いている。


ファゴットという名前初めて聞いた、と言う人も少なくないだろう……。


木管楽器のひとつでありポーと音がなり低音から中音部の担当をしている。


そして、ファゴットが所属するパートは、木管低音、略して木低。


「5組になったんだけど〜担任先生なんや〜。」


入学式終わり、体育館の隣の武道場で楽器の片付けをしている。


「てか、それ今日で10回近く聞いてるんやけど」


隣ではいはいと返してきたのはおんなじ木低でバスクラを吹いている心響(みおと)


「でもまじでうちと変わってほしい〜」


「その流れも何回目?そんな6組あかんの?」


心響は6組になったけれど、本人曰くハズレクラスらしい。


「だって……クラスやなやつしかおらんし…担任学(がく)やし……はぁ…うちも先生がええなぁ……あーあこのままいくとまた学校行かんくなるよー」


学先生は吹奏楽の副顧問。


心響からしたら、微妙らしい………。


心響は、1年の時不登校だった。クラスが嫌だったから当時は部活にだけ来てくれていたんだけれど……。


「あ、和ちゃんは?何組やった?」


「誰?誰先生…??」


心響と俺で木低のラストメンバー弦バスを弾いている(のどか)に聞いてみる。


「……‥2組。………担任は林。」


和は関わりたくない雰囲気が出ているけれどとても優しい。


俺は和と話すのがとても好きだった。


「またかよ〜前もそうだったやん!!」


俺はファゴットと俺たちを繋いでくれた木低が大好きだった─。





 「ただいま〜!!ばぁちゃん!!聞いて!!!」


「ん〜?おかえり。」


手を洗い、お菓子を漁る。


「担任………先生やった!!!!」


「えぇぇ!本当に!よかったやん。よかったよかった……。」


と、ばぁちゃんは自分のことのように喜んでくれる。それがなぜか嬉しかった。


ばぁちゃんにだけは先生に3年生も同じクラスになりたいと言ったことを伝えてあった。


「いや…でも本当に、先生のおかげであんたは変わったと思うよ。」


「……え…」


「なんというか……前よりも学校がとっても楽しそうやしなぁ……先生にも会ってみたいもんやわ…本当、嬉しい限りやで。」


……周りからでもそんなことがわかるんだ……そして、そんなこと言ってくれるこの空間が自分にとって居やすかった……。


「……今日の始業式ね─」


そしていつも通りばぁちゃんに今日の学校のことと先生の話をした……。





 「おばあちゃんとこ行ってたん?」


「………うん。」


自分の家に帰り先いたのは、お母さんと入学終わりの妹だった。


「…入学式の時先生に会ったよ。」


「え!まじで?そういや担任……」


「担任、先生なんやろ?」


お母さんはどこかしら興味がないように言ってくる。


「……うん…。」


「まぁ、今年もお願いしますって言ってきたけれど…またあんたが、先生先生ばっかにならんかよ…」


「……うん」


その返事をするのにちょっと心が痛くなった─。


ばぁちゃんとお母さんでこれだけ反応が違う。


俺はばぁちゃんとの方が居心地がよかった。


「……そういやあんた塾どうすんの?」


お母さんが話題を変えてくるように話を始めた。


「……え…あ、そのー……」


「どこか行きたいところ探してこいって言ったよね?」


「……うん…」


今年は中学3年生受験の時期に入ってくる。


それに伴って、塾に行くってお母さんの中で勝手にそうなっている。


ぶっちゃけ俺は塾になんて行きたくなかったし、お母さんにどこの高校に行きたいのも言えてない。


自分の意見が言えない、それが俺だった。


「はぁ……同級生のお母さんがここがええよって教えてくれたところがあるから。」


お母さんはそれだけ言って話を終わらせた。

改めて作品を読んでいただきありがとうございます。

今作2話目です。

最近リアルで忙しく全然宣伝ができていなかったので駆け出しは良かったのですが……ぜひこれからもよろしくお願いします!!

次の投稿は4月29日水曜日の予定です。

ありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
中学生の日常と苦悩を上手く描いてますね。 思い返せば自分も中学入学後の立ち位置は、 慎重にしておりました。 おかげで無難な中学生活が送れましたが、 問題児一人でクラスが滅茶苦茶になるのも嫌な現実の一つ…
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