辛いこと
なにもかもやめてやる…
「………ああー、……もう…」
車の運転席に座っているお母さんがキレてる。
なぜなら、大渋滞に巻き込まれてしまったからだ……。
今日はお母さんと一緒に高校見学会(?)…なんか県の色んな高校が一ヶ所に集まって質問できたりする……そんなところに行くらしい。
流石にここで高校をいくつか絞っていかないと最近周りが進路を決めてきて焦ってはいる…。
だけれど、なんだか息が苦しくて、前に進めなくて、涙が出てきて……そんな状況で止まってしまっている。
だから、今日のこれも俺はあまり行きたくなかった。
だからこの渋滞は予想外。心の中でラッキーって思っている……。
「今の時間は…15:30。終了時刻は17:00………。このままじゃ間に合わん……。ここで下ろすであんただけ先行っといで!」
…え、、まじか……。
多分まだ会場まで遠いし、道が分からない……。
そして、外は打ちつけるような大雨。
しかもこの雨は、うちらが外に出た後に降ってきたから当然傘を持っていないのに……この人本気で言ってる…?
「こんな、知らない道で大雨の中下ろされても嫌だよ。」
そう言って会話は途絶える。
うん、もう静かな方がいいよ……。
◇
なんやかんやで会場に着いたのは16:00だった。
渋滞はここの会場からだったらしく入って駐車場を探すにもものすごく時間を食った。
「よし、ダッシュで行こう、」
会場の中に入り情報はたくさんの方がいいと二手に分かれた……。
これで、一旦お母さんとは離れる……そう思ってふぅ…っと息をつく。
今日はお母さんものすごくピリピリしている。
今はその雰囲気に耐えられそにないから距離をとって正解かも。
そう思ったところで前を向く、、さて、どこへ行こうか……。
自分は決まってないまま、決められないまま…足が動く方へ移動していくだけだった……。
正直言って、どこの学校もものすごい列が並んでいた。
30分待ち1時間待ちなんて全然あったし…。
その場合、聞けるのは一校だけだなと思いどこへ行こうか分からなかった。
すると……、、遠くから楽器の音が聞こえてくる。
気付いたら音の方へ足が動いていた…。
自分でもわかるただの現実逃避だってことを。
だけれど、足は止まらず音を方へ逃げていった………。
音の場所を見つけると、吹奏楽が強豪の学校が宣伝としてアンサンブルの演奏会をしていた。
その中にファゴットはなかったけれど、ものすごくクオリティーの高い演奏だった。
すぐ聞き入ってしまい、演奏が終わるまでその場で心を落ち着かせていた……。
……気付いたら演奏は終わっていて周りからはたくさんの拍手が鳴っていた……。
演奏はとてもあっという間だった。
で、改めて思ったのは俺はやっぱり音楽が好きだ。そして、、ファゴットが好きだ………。
『高校見学会終了10分前になります。』
会場放送がかかってまずい……っと感じ始める…。
辛いことがあっても吹部を聞いたら…なんて考えは甘かったかも……。
俺はお母さんへの言い訳を考えながら帰る準備をした。
◇
「で……、ここの学校の先生が言っていたのは……」
帰りの車の中。
お母さんは一校話を聞いてきたらしい。
だけれど、一校しか話が聞けなかったとガッカリしてている。
俺は、並んでたけれど時間がなかった……という思いっきりな嘘をついて何とかその場を過ごしていた。
「で、どう?どこの学校行きたいか決まった?」
お母さんの質問に胸が苦しくなってくる。
自分が行きたい場所……。
─あの日……人生を変える、素晴らしいものを見たのだとそう、思っている。
中学2年生。
とある学校の吹奏楽定期演奏会を見にいった……。
一言で言うと、すごかった……。
終わった後も頭が真っ白で声も出なくて……涙が出てきて………。
劇をしていた。
その後ろでいろんな曲や音を鳴らして劇を盛り上げていく……、他とは違い新たな定期演奏方法に目が離せなかった。
ここに行きたい。
その帰りにお母さんにそう言って…その場でガッツリ断られた。
頭がいいところだから、お前には無理だ…と。
たくさん勉強していいところ行きなさいってちょっと前言ってたのに、いいところ行きたいって言ったら無理、はちょっと違うんじゃない……?
俺には分からないよ……他に行きたいところなんて、、
そんなことを頭の中で考えて黙ってしまった俺にお母さんは言った。
「まだ、、あそこ行きたいの……?」
まるで、俺の心の中を読んだかのように言う。
「…………うん。」
「無理………。」
「なん、で………?」
「だって………あんた、、心のどっかで……まぁ、何とかなるだろう……とか思ってるんでしょ?!……じゃあ、条件付きとして、そこの学校受けていいけど、滑り止めの、私立受けないでね」
「………っ…」
「それでも受けるって言うならもうほぼ中卒になるやろうね。受かるなんて無理だから。」
「……………」
「中卒になったらそこらへんでバイトして大学行けやんからええとこ就職できやんのやでもう、人間の終わりやな。」
「……、、…っ」
「で、どうするの?これを聞いてどうする?」
「……っつ……、…っ……」
…もうすでに気持ち悪かった……。
頭が痛くて真っ白で……視界は涙でぐちゃぐちゃになって…………呼吸がしづらくて、声が出ない……。
「っまたそうやって逃げる!!何も教えてくれない!!何もやってくれない!!!本当に周りの人が離れていくよ!?」
ちが……こうなるのは、お母さんとお父さんの前だけっ………
「もう何にも教えてくれないなら……意見がないなら──あんたのお母さん、やめてやる…。」
そのまま、何も喋らず家に着いたが、自分は車の中に取り残された………。
◇
涙を出せるだけ出して目が赤くなって、気持ち悪くて吐いて、、自分が行きたい場所……何もかも分からなくなった。
全てを忘れるかのように、死んだように毎日目を瞑る……。
人が死ぬ。
俺が死ぬ。
たくさん見た夢だ……。
朝起きたら何もかも終わってないかな……それか、理想の自分になってたりしないかな、、
最近では、朝起きてもベッドから起き上がるのに何時間もかかかってしまって、寝返りをうつのも辛くなっていた………。
改めて作品を読んでくださりありがとうございます!
Xにて投稿したんですけど、いやマジでいい作品が出来そうなので、今後の投稿も楽しみにしていただけると嬉しいです!
次の更新は6月10日水曜日を予定しています。
ありがとうございました!!




