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最後のステージ

現実逃避の日々…


「そういや、高校はどこ受けんの?」


「え、あー……」


心響に急に言われて言葉の返しに困る…。


高校さ行きたいところがあったんだけれど……


自分の学力では到底届かないしすでに親にそう言われている。


上をめざしてチャレンジして失敗したらダメなんだって。


自分をちゃんと見て、安心して行けるとこにしないといけないんだって。


その場合、自分が行きたい場所がもうない。だから、返答に迷っている。


「……、心響は?どこ行くの……?」


せっかく来てくれたのに聞き返すのはどうかと思うけれど、みんなどんなところに行くのか知りたかったんだ。


「うーん……うちは、今んとこ原工かな……?」


「へぇ……なるほど…って、もしかして、先輩と同じ?!」


ファゴットの一個上の先輩も確か原工だったはず……


「うん。そーなるね。まぁ、それは合格できたら、やけど」


心響がそう言うと俺は、はぁーっとため息を出してしまう。


心響はちゃんと進路を決めている。


なのに俺は……塾サボって……最近は舞台にのめり込んでくようになっちゃって……。


本当にダメだな……現実逃避の日々。


嫌なことから何もかも逃げて…それが癖になってきて………そんな自分が一番嫌いだった。


「てか……ああー今日で引退かー」


「うん…。なんか、実感ないけど、悲しいね。」


受験の話を逸らすかのように言う……。


今日は11月真ん中。


部活で地区音楽会に来ている。


吹部の地区音は勝ち負け…とかそんなん関係なしで、いわゆるただの発表会。


だけれど、他の学校も結構集まっていて観客が多いため盛り上がる。


そして、この舞台で3年生は引退となる─。


「…ってか、ここまで来るのにバスじゃないんやな。」


「え?なんで…?」


「ん?先生がさ、バス旅行!みたいなこと言ってたからさ……。」


……今思えば笑けてくる。


あんだけバス!バス!って言ってたのに。当日まさかのバスではなく電車。


「はあ…先生に聞いて欲しかったな……最後の演奏。」


「うん。うちも聞いてもらうなら、先生がよかったわ…まさか4組が優勝するなんて……。」


心響がはあ…とため息をするように言う。


……今日でファゴットを触るのは最後……。


そう思うとなんだか悲しくなってくるな…。


本番前─舞台裏に来て改めて、自分引退するんや…って感じが湧いてくる。


今日演奏するのは、夏を共に過ごしてきた夏大会自由曲。


そして、自分たちが演奏したいと選んだ宝島。


宝島は吹奏楽定番のジャズ曲で、途中のサックスやトランペットのソロが目立つとってもかっこいい曲だ。


そして、アナウンスで峰中の名前が呼ばれて最後の舞台に立つ。


そしてこの演奏は涙を流し合い盛り上がり忘れられない演奏となった─。

改めて作品を読んでくださりありがとうございます!

忙しく小説にまで手がついてないのにも関わらず、毎日この作品のランキング通知を見れて本当に嬉しいです!!

まだまだ続くのでよければ一緒に最後までよろしくお願いします!

次の投稿は6月6日土曜日の予定です。

ありがとうございました!

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