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目覚めたら全裸で森でした  作者: マッタ・LI
王都と冬
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開幕!討伐祭!

調べる物も調べ終えて、近場でこなせる仕事をしながら過ごすこと数日。


いよいよ、魔物達の動きが活発化してきて、数日以内には王都へと進行してくるとの知らせが、王都全域にもたらされた。


その知らせがあった後直ぐに、王都の南側を除く、全ての城門は固く城門は固く閉ざされ、残された南側の城門も、大扉は閉められ、馬車が一台通れる位の小さい扉以外は人が出入り出来なくなり王都の雰囲気も次第に変わっていった。


王都の中では、討伐祭に来て騒いでいた一般の人々の代わりに、武装した兵士や、報酬や素材を求めて集まった傭兵や冒険者が多く行き交う様になり、物々しい空気に染まっている。


そして更に数日後、魔物の集団を監視していた斥候から、魔物達が王都へ向けて移動を開始したと連絡があった。

戦闘が開始される時刻は、明後日の夜中の三の鐘の時刻から朝日が登り切る頃だと予想されており、前日の昼から各自決められたメンバーで集まって、担当場所に移動するようにと、ギルドからの通達があった。


<懐かしい空気やな、何ヵ月振りやろホンマ。カケルはこういうの初めてなんやんな>


<うん、初めて、だけど映画でこういうシーンは見たことあるかな>


<へぇ~、そうなんか、んじゃ、心配は要らんかな?緊張もせえへんやろ>


<何言ってるんだよチャック、本音を言うと、今すぐに逃げたい位なんだから。なんなら今すぐ代わってくれてもいいよ?>


<ハハハ、おんなじ事を後ろの、おっかないオネー様にも言えたら、考えんでも無いかな>


<ぐぅ・・・それは、卑怯だって>


そうなんだよね、知らせがあった後から、ジルは凄く不機嫌なんだ。


知らせがあった後、参加希望の冒険者の戦力を均等にするために、ギルドから配属場所のお知らせがあったんだけど、俺達冒険者が担当するのは、お目当てのパピルコンが目撃された情報がある、北東側の方じゃなくて、俺達が配属されたのは真逆の、北西側だったんだ。


北東は傭兵団の担当で、中央の一番魔物の数が多くなりそうだと予測された場所を、王国の兵士達が担当する事に決まっている。

こうやって完全に担当の場所を分けるのも理由があるらしくて、戦いかたが全く違うから、要らない混乱を避ける為だそうだ。

北東を担当する、冒険者の場合だと、一つの人数が揃っている上級パーティーを中心にして、数組のパーティーがその上級パーティーの指揮下に入るというやり方をとっている。

俺達は二人なので、指揮をとれる立場になれなかったんだけど、ギルドの配慮なのか、護衛依頼で一緒に組んでいた砂鳥|<サンドバード>が率いるグループに配属された。

勇者くん(笑)のパーティーメンバーも一緒なので、そういうことなんだろう。


北東を守るのは傭兵の集団だ。

今回参加しているのは、ドラゴンファングという傭兵団の名前の由来にもなっている、ドラゴンファングという二振りの大剣を背負った女剣士率いる傭兵団を筆頭に、大小様々な傭兵団が参加しているらしい。

このドラゴンファングという傭兵団は、王国でも重要とされている都市を襲った、二体のドラゴンを、偶々その場に居合わせた頭領の女剣士と数十人の部下だけで討伐したという偉業があり、王国や国民からの信頼も厚く、他の傭兵団と比べても頭一つ抜けた実力を持つ集団だと聞いている。


その他にも、オーガの軍団が侵攻を開始するという、多数の街や村に多大な被害をもたらす可能性があった大事件を最小限の被害で抑えたヘルカ・トルケル。


たった六人という少数の傭兵の集まりだが全員が実力者揃いで、六矛想で最も実力が低いと言われている者でも、戦場では数百人分の働きをすると言われている六矛想。


ゴブリンスマッシャーという、たかがゴブリンと勘違いされそうだが、ゴブリンの国ともいえる程までに増えた数万のゴブリンキング率いるゴブリンの国を滅ぼした実力のある傭兵団、ゴブリンスマッシャー。


これ等以外にも実力のある傭兵団が参加しているので、今回傭兵団側の方は、かなりの過剰戦力になっていると、今回言われている。



そして最後に、もっとも魔物との戦闘が激しくなると予想されている中央付近を守るのが、王国騎士団長率いる、王国の兵士達だ。

噂ではこの国の兵士達は忠誠心や士気が高く、逞しく信頼できる兵士達と聞いていたが、昨日の行進パレードで行われた、一子乱れぬ行進や、王国騎士団長と数名の騎士で行われた演舞等を見て、その噂が誇張ではないと感じた。

今も後ろの方から、綺麗な隊列組み、揃った足音で進んでいるのが、兵士達の方を見なくても、揃った足音と掛け声を聞くだけで、分かってしまう。


んで・・・若干問題が有りそうなのが、身内のジルなんだよね。

パピルコンが狩れないかもしれないって分かってからテンションは低いし、今も恨めしそうにパピルコンが出現すると予想されている傭兵団の方を睨んでる。

こっちでも絶対にパピルコンを討伐出来ない訳ではないらしんだけど、最新の情報にも結構な数のパピルコンが、北東側で見つかっているのもあって、凄く悔しそうにしてた。

一体でも上手く傷を付けずに狩る事ができれば、素材としての価値が凄くて高く売れるし自分の服も作りたいって、ずっと言ってたからな、本当にパピルコンの素材が欲しかったんだろうね。


んで、少し愚痴らせて・・・。

本当はね、今回の討伐祭はチャックとジルの二人で参加する予定だったんだけど、パピルコンが狩れないならって俺の特訓をしてしまおうって、二人が勝手に話を決めてしまって、今も砂鳥や他の冒険者の集団と一緒に、配置された位置まで移動してるんだよね。

ホント有り得ないよね、俺って一応数ヵ月前まで一般人だったんよ?

それがなに?なんか、魔物とガチな戦争しようって所に、向かってるんだよね。

これがチノとケイトだったら、「危ないから止めとこーよー」って、此所に来てないと思うんだよ。ホント。


それにこの前なんか、朝起きたらチャックがいきなり、「実践稽古やぁー!!」って言ってきて、ワーグボアっていう、バカデッカイ蛇の魔物と一対一で戦わされるし。

毎日ジルに付き合ってもらってやってる稽古も、日に日に手加減が無くなってる気がするんだよね。

最近とかマジで死ぬって思うような攻撃が普通に来るようになってきて、その内、俺死んじゃうよ?まさかの俺の子を腹みたいって言ってる人に殺されちゃうよ?

まぁ、二人が俺の事を凄く大切に思ってくれてるのは分かってるし、俺も二人の事を信頼してるけど、少し・・・後・・・・ほんの少しだけでいいんです・・・優しくしてください。甘やかしてください。


と、言ってたら目的地に着いたみたいだ。


はぁ~気が滅入るよ~。




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