本の虫は、食べた本の知識を蓄える
こんにちわ!!
新しく、骸のシルバーフェイス・今日も少女の顔は燃え上がる。を書き始めたので、良かったらそちらの方もよろしくお願いします。
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王立図書館の中も一通り見て回ったので、本格的に調べものをしようと思う。
ふむふむ、南国の楽園・コスロバケッド。
えーと、深緑の森から遥か南、コルネト連合に属する小国で、魚人が住んでるんだ。
へぇ~。
海上に造られた街の風景は一度、見に行ってみたいもんだな。
ただし、船酔いに注意?
揺れるのかな?
俺って、車酔いとか酷いから、対策してかないとだ。
『それもええけど、はよ、探すで。終わってから見ようや』
『ん、そうだね、アークデーモンとサキュバス、妖精とブッチー、ウォルムスの触手だっけ?』
『そや、それと、精霊鉱石な』
『そうそう、それ』
『とりあえず、聞いてみるんが早いやろな』
『賛成~、絶対無理だから、ここから探すの』
『それな』
職員さんは、各階に設置されてる、受け付けに確実に一人は居る筈だから、そこに行けばいい。
居たね、大扉でミンチにしてくれかけた、ドジというか、慌てん坊な人が。
目の前に立っても、本に夢中で気がつく様子もなさそう。
というか、仕事中にこれって大丈夫なんだろうか・・・
「あの~、探したい本があるんですけど」
「・・・」
「もしもし、聞こえてる?」
「・・・」
だめだ、反応が一切返ってこない。
『なんやコイツ、無視かいな』
仕方がないので、カウンター越しに肩を叩いてみるんだけど。
バシ!!
え?ちょ!手を思いっきり払われた、そして、睨まれて、また、読み始めた。
いやいやいや、ダメな奴だろ。
『本を奪ったれや』
『そうだね』
チャックの言うとおり、実力行使しかないな。
読んでいる本を取り上げると、漸く俺の事に気がついて、文句を言われた。
「あー!もう!何をするんですか!リゼルさんですか?本を取らないで下さいって、何時も言ってるじゃないですか!!」
「そのリゼルさんっていう人じゃ無いけど、仕事中に本に夢中になるって、どうなの?」
「あ!!失礼しました。じゃまも・・・お客様でしたか、すいません」
こいつ、今さっき、邪魔者って言いそうになってなかったか?
『絶対言いかけよったで、このお嬢』
一応、お金も払ってるし、客の筈なんだけど。
「まぁ、いいや、とりあえず。アークデーモンとかサキュバスの出没する地域が知りたいんですよ。後は妖精とブッチーとウォルムスと精霊鉱石も」
すいませんとは、言わせないぞ。
あのエンドレスすいませんは、朝の一回で十分。
もう、めんどくさいんだ。
捲し立てる様に言うと、流石にエンドレスすいませんを回避できた様で、本の有るところまで案内してくれる事になった。
その間、聞いた本に関するうんちくを、ずっと喋り続けて、もしかして、この人、ハナリシアさんに聞けば全部分かるんじゃって思い始めた所で、目的の本を集め終えた。
その数、二十冊。
一つの種族毎に、入門用、専門誌、研究報告の論文などなど、大量に渡された結果こうなった。
論文とか要らなくない?
入門用ので良いと思ってたんだけど。
他のは流し読みするだけでいいだろう。
別に専門家になりたい訳じゃない。
ただ、何処に居るかと、採取の方法が知りたいだけだ。
生態なんて俺達にはどうでも良いことだと思う。
調べものを始めてから三時間位経った、六の鐘が鳴ってから次の一の鐘が鳴る少し前に、やっとジルが来た。
「居た居た、探したよ。相変わらず広すぎるねぇ此所は」
「やっと来た、一応、場所とかは分かったから、後はどうするか調べるだけかな」
「へぇ~、早いもんだねぇ~」
「まぁね」
「採取の仕方は私が知ってるから、一旦休憩にしないかぃ、まだ何も食べてないんだろ?」
そう言って、バスケットを見せてきた。
中からは少しだけ、いい臭いが漂っている。
その匂いに反応して、お腹が空腹を急に訴え出した。
そういえば、朝も何も食べずに来たんだった。
お腹も空いてるわけだ。
「そうだね、休憩するよ」
この王立図書館、敷地の全部が全部、本で埋まってる訳ではない。
凹型に建てられている、凹みの場所は、庭園になっていて、外でも本が読めるようになっている。
館内では飲食厳禁だが、庭園であれば、優雅にお茶を楽しみながら、本を読むなんて事もできる。
本を濡らしたり汚したりして、高額な賠償金を払う覚悟があればだけど。
俺達にはそんな余裕も無いので、必要な本だけ、カウンターで本を読み漁っているハナリシアさんに預けて、後は戻してもらうように頼むと、庭園に出た。
庭園は、植木に囲まれていて、中央に噴水があり、外の喧騒が聞こえる以外は、落ち着けそうな雰囲気だった。
所々にカフェに置かれているような、テーブルセットや、ベンチが設置してあり、俺たちはベンチでジルが作ってきたお弁当を食べることにした。
これは、ジルがベンチで横に並んで食べたいと言ったからだ。
こんな所をチノ達に見られたら、色々と問題になりそうだけど、今はジルと二人なので、ジルの言う通りにしたわけだけど、他にも同じような光景が見られる所を見ると、そう言うスポットでもあった訳なんだと納得した。
ジルが持ってきたバスケットの中身はというと。
分厚いベーコンがメインの具沢山なサンドイッチと、オニオンスープ、カットしたフルーツという、シンプルに見えて、意外と手の込んだものだった。
多分だけど、時間をかけて作って来てくれたんだろう、オニオンスープもまだ湯気が出るほど暖かくて、少し寒くなってきた身体をホッと和ませてくれた。
「ねぇ、はい、あーんして」
「恥ずかしいって」
食事も殆ど終わって、次はフルーツにしようかと思ってた所で、ジルがフルーツの刺さった串を、あーん、してきた。
一応、身体の関係を持ってしまった関係なんだけど、恋人という訳でもないので、今さらだけど恥ずかしい。
とは言っても、ジルは逃してくれそうもなさそうだと、観念して、大人しく食べさせてもらう。
うん、複雑な気分だ。
ウサ耳の美女に、あーんって、してもらえて嬉しんだけど、チノ達に悪い事をしてるような気分になってしまう。
「どうしたのさ、私に、あーんしてもらっても嬉しく無さそうだねぇ」
いけない、顔に出てたかな?
「いや、嬉しいよ」
「もしかして、カケルがよく言ってる、二人の事を気にしてるのかぃ?」
「う・・・まぁ、気にはするかな」
「大丈夫さね、その時は私が説明するから、今は恋人の真似事して、楽しめばいいさ」
「二人には俺達から説明するから」
「そうかい、私にも責任が有ると思うんだけどねぇ」
ジルとの事は、俺達のなかで、自分達で説明することは決まっている。
これは、初めてジルと関係を持ってしまった、翌朝に決めたことだ。
二人の気持ちを分かっていて、それを裏切るような事をしてしまった事は今更後悔しても遅いけど、謝らないといけないと分かっている。
二人に嫌われても、それは自分が招いた結果だから、受け入れないといけない。
読んで頂きありがとう!!
ー情報更新ー
王立図書館、庭園
所狭しと建物が建てられた結果、緑が少なくなってしまった王都に存在する、数少ない一般市民でも利用できる庭園。城下街には他にも公園などが数ヵ所あるが、植木に囲まれて、外の世界と隔離された場所は、ここ以外には殆どない。
その為、王立図書館の庭園は、解放されており、図書館の利用者以外でも無料で利用することができる、一般市民の憩いの場となっており、王都でも有数のデートスポットにもなっている。
因みに、図書館の本を無断で持ち出そうとすると、本に込められた魔法で、図書館内の所定の位置に、本ごと飛ばされるため、防犯対策に関しては問題ない。
この魔法は、ここの創立者、勇者の仲間であった魔法使いが独自に開発した、強力な魔法であるため、これを破るのは不可能とされている。




