ゴミ屋敷再び
こんにちわ‼
うちの所にも雪が降り始めました。
風邪引かないように気を付けよう。
自分を守る為とはいえ、恩人であるウェーグを売った様な形になってしまい気分は最悪だ。
こんな事になるなら、冒険者になんてなるんじゃなかった。
『カケル、元気出せや』
『どうしてチャックは、そんなに気楽で居られるんだよ』
『んな事言われてもやな、俺達の為にやった事やけど実際はウェーグのおっさんが勝手にやった事なんやしな~、おっさんも覚悟しとったんちゃうか?』
『分かってるなら、もう少しウェーグさんを助けられる方法を考えてよ』
『あのな、もうちょい割り切らなアカンのちゃうか?それこそおっさんを裏切る事になるやろ。折角自分が犠牲になるかもしれん事してやで、助けたもんがノコノコ戻ってきたら無駄死にやん。今は辛いかもしれんけど我慢しいや』
『それが出来たら楽なんだろうね』
(はぁ、チャックも分かってくれないなら、俺だけで助ける方法を見つけてやる)
今はギルドに併設されている酒場で一人になっている。一応ジルにも話を聞きたいと言う事で、事情聴取が終るのを待っている状態だ。
「あ!カケル!早かったね……どうしたの?何か浮かない顔してるけど、ジルさんと喧嘩した?」
「ごめん、気にしないで、ちょっと嫌な話を聞かされてね。ジルも直ぐにクルトン思うよ」
「そっか」
「何言ってるんだよ、こういう時こそ飲んで忘れろってね。うちの婆ちゃんの受け売りなんだけどな」
「リケットは飲みたいだけじゃない」
「まぁな」
「揃ってるじゃないのさ」
「ジルさん」
「ん?なんだいまだ、うじうじしてるのかぃ?」
「良いだろ」
「全く、しょーもない男だねぇ。勝手に注文するけど良いかぃ?」
ジルに全員が頷くと、適当に酒や料理を注文し始めた。全員分の酒や料理が到着すると、思い思いに飲み食いを始める。
この際だ、飲めるだけ飲んで今だけでも忘れてやる。
「おぉぉ!カケルもイケる口になったな」
「リレッロ!?今日ひゃ飲むんりゃりょ!ジュリュも飲んりぇりゅか?」
「アハハ、大丈夫さね、飲んでるよ」
「ラレン、ニョイはじぇんじぇん駄目だにゃー!?もっろろめー!」
「おいおい、大丈夫かカケルくん」
「明日・・・死ぬね・・・」
「よーし!カケルもっといけー!」
「こら!煽らないの」
「良いじゃねーかエイリス」
「ほ・・に・・リケッ・・ら」
ヤバイ、視界がグルグルしてきた。
次に気が付くと、ギルドの寄宿舎の一室で寝かされていた。既に日が昇っている。
『あ゛ー頭痛てぇー』
「ウップ、ヤバイ吐きそう」
「カケル・・・おはよう・・・昨日は凄かったよ」
「う゛う゛、おはようジル、あの後どうなった?」
「え!?いや、そのなんだい・・・」
ジルが布団の中で、珍しく恥ずかしそうにモジモジしながら、昨日事を話してくれた。
ジルによると、かなりのペースで飲み続けた後、俺の奢りで解散した所までは良かった。
完全に酔っ払っていた俺をジルが、ギルドの寄宿舎を借りて連れていった所で、ジルを押し倒したらしい。
「アタイは腰が抜けて暫く動けそうもないねぇ。まさかカケルに、彼処まで良いようにされるとは思っても無かったねぇ」
「ごめん、俺の方が駄目って言っときながら」
「いいって、アタイは嬉しかったよ」
「そ、そう?なら良いんだけど」
「今日はこのまま休むって事で良いかぃ?」
「それしかなさそう」
夕方まで二人でベッドで過ごした俺達は、なにか屋台で買って食べようと外に出ることにした。
「一応ギルドの寄宿舎は共用の物なので、ヤるなとは言いませんけど、声は抑えて下さいね」
ギルドのカウンターに寄宿舎のお礼を言いに行くと、受付嬢が顔を赤らめながら注意してきた。
そうだった、ギルドの寄宿舎は壁が薄いし防音の魔法も使われていないから、外に声が丸聞こえだったんだ。
俺も此所を利用している時、たまに聞こえてくる嬌声が恥ずかしくて布団に潜ってた時があった。
揃って受付嬢に陳謝すると、ギルドから逃げる事にした。恥ずかし過ぎて彼処には居てられない。
「もう彼処には戻りたくない」
「そうさねぇ、アタイも声が漏れない所がいいねぇ」
「いや、昨日は俺が悪かったけど、もうしないよ」
「なんだい残念だねぇ、毎晩でも構わないってのに」
「それだと、もう遅いけど、二人に悪い気がするし」
「ホントにあんたは、一途なんだか我が儘なんだか・・・」
手頃な宿で何事もなく一泊して翌朝。
俺達はローズの研究所の前にきていた。
コンコン!!
「ローズさん居ますか?」
コンコン!!
「ローズさん!?」
「居ないのかねぇ」
「いや、前もそうだったけど、多分寝てるのかも」
「そういや、そんな事も言ってたねぇ」
「マイナイさんからも飲ませろって言われてるポーション?も有るし行くしかないね」
ローズの研究所に入ると、予想通りの景色が広がっていた。
扉が変に重たかったから、その時点で嫌な気配があったんだ。
「なんだいこれは!?」
「前よりも酷くなってる」
「ん?何か彼処から聞こえないかぃ?」
「え?ほんとだ!?」
一際山のようになっているゴミなのか必要な物なのか分からない所から、人の声が微かに聞こえる気がする。まさかとは思うけど埋ってる?
「やっぱり、聞こえるよ!」
「それって不味いじゃん」
急いで、実験器具や書類にゴミが積もった山を取り除いていく。
大鍋、撹拌機、書類、衣服や食器、腐りかけの果物まで、混沌な状態になっている山を崩すこと数十分。瀕死のローズさんを救助することができた。
「いやぁー助かったよ、あのまま死ぬかと思ってたんだ」
「あんな間抜けな死に方をしかけるなら、ちゃんと片付けて下さい」
「アハハ!不可能な事を言わないでくれるかね?私が片付けを出来ないことは、君も良く知っているだろ」
「アハハー、そうですね・・・そんなローズさんにプレゼントがあります」
「ホントかい!?弟子以外から何かを貰うなんて何時ぶりだろうね。何処かの銘菓とかかい?何時も弟子がプレゼントだと言って、不味いポーションを渡してくるから、弟子以外のなら大歓迎だ」
「これです、ぐいっと一気に飲んで下さい」
「ちょっと待ってくれ、もしかしてこれは私の弟子が作った奴じゃないのか?」
「どうしてそう思うんですか?オレンジジュースかもしれないでしょ?」
「いやいや、これは絶対違うだろ!?色だって気持ちの悪い黄色だしさ」
「まぁまぁ、そう言わずに。ジル」
俺の声に反応して、ローズの後ろに回り込み羽交い締めにすると、ポーションの入った瓶の口を開き、ローズの口を無理矢理開いて、マイナイ特製お仕置きポーションを、ローズの口に流し込んだ。
片付けが出来なくて死にかけたローズさんに容赦する必要は無いだろう。むしろ治るなら心を鬼にして飲ませるべきだ。
「うげ!不味!み、水水水」
「まだ、半分残ってますよー。マイナイさんから、部屋が散らかっていたら飲ませるように依頼されてるんです。観念して飲んで下さい」
「いや、駄目だって、それは人が飲んで良いものじゃ無い!頼むから、少しは努力するから、もう止めて」
「ごめんなさい、これも仕事なんです。身体には良いと聞いているので、死ぬことは無いので安心してください」
ローズがジルから逃れようともがくが、歴戦の冒険者であるジルの拘束を、只の研究家のローズが振りほどける訳も無く、残り半分のポーションを口に突っ込む。
「も、もう誰も信じられない」
「まぁ、そう言わずに許して下さいよ。片付けも手伝うんで」
「はぁ、どうせマイナイに何か他の事も頼まれてるんだろ?出しなよ、片付けをしてくれる間に調べとくから」
「確かに二つお願いがあって来たんですけど、片付けが全部終わってからです」
「いや、良いよお願いが先で」
「もう一本いっときますか?」
「すいません、片付けが先でした」
読んで頂きありがとう‼
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ー情報更新ー
マイナイ特製お仕置きポーション
(タイプイエロー・マークX30)
生活破綻者ローズに鉄槌を下す為に改良を重ね続けて作り出された激不味ポーション。
効能は、疲労回復、呪い解呪、怪我全快、病気全快、バッドステータス解除、美肌、艶髪、アンチエイジング、若返り等の某RPGのエリクサーも真っ青な効果がある。
材料には、ゴブリンの卵巣、ドラゴンの肝、妖精の秘液、マンドラゴラの若草などの一つでも超が付く高級材料を大量に惜し気も無く使ったポーションなのだが激不味。
世に出れば神薬と言われてもおかしくないのだが、幸か不幸か分からないがマイナイ本人もローズも効果に気が付く事が無く、只の激不味ポーションとして扱っている。




