アルトニアの迷宮、異変
こんにちは‼
また、台風がきたね~、近所の川の水がまだ引いてないけど大丈夫かな?
オークを倒して二人に報告する時に、スキルの事についても使えるようになった事や神殿の事を話すと、かなり驚かれた。
どうやら二人も、幾ら無知でも神殿の事は流石に知っていると思ってたみたいで、態々言うまでも無いと思ってたらしい。
神殿の事を聞いたりしながら進んでいき、五の鐘の時間位の時間に(20時)に25階層の入口に到着した。
20階層は天井が通路と同じ材質の物で出来ているので、10階層から19階層みたいに昼と夜の区別が無いので、時間の感覚が狂いそうになるが、おおよその時間を知らせてくれる魔道具があるので昼か夜かが分かる。
今回は先に俺とヒルトが休む事になっているので、簡単な食事を食べると疲れていたみたいで直ぐに寝た。
3時位だろうか、二人に起こされてテントの外へ出ると、丁度一時間で燃え尽きる香(臭いは無い)が6本燃え尽きていた。
出発の時間は10時頃に決めているので、6本で良いだろう。二日間分も食料に余裕もあるし、急いでも疲れを残すだけで何も良いことは無い筈だ。
俺は武器の手入れをして時間を潰す事にした。
幾ら自動修復が働いて、多少の傷や凹みは直るとしても、刃が欠けたりした所は手を入れないと自動修復が追い付かなくなってしまう。
特にオークは、たまに魔法武器を持ってたりするから、20階層に入ってからは特に損傷が激しくなってきている。
(あ、ここ、大きく欠けちゃってる……一週間位で直るけど、凹むな~)
「ん、溜め息なんて、どうしたのだ?」
「ああ、此所なんだけど、欠けちゃって」
「ふむ、なるほどな、昔、魔法を教えてくれた先生からこういう話を聞いたことがある。武器に頼っているのは半人前、己の武器を理解し使いこなせてこそ一人前になれる、それは剣も魔法も同じ事だとな」
「それが、これと、その話に関係があるんだよ」
「魔法でもな、使いこなせてないと、自分や仲間を傷付ける事も有るのだが、それはその槍にも言えないかと思うのだ」
「………そっか……そうかもしれないな……」
(確かにそうなんだろうな、武器が欠けてたりするのは、俺が此れを扱いきれてない証拠か……)
手入れの終わった武器を見つめながそんな事を思ってみたりするけど、見ているだけじゃダメだと思い、軽く素振りをしてみるけど、無闇にやっても、よく分からないから軽く汗が出てきたところで止めて、朝食の準備をすることにした。
根菜のスープを煮込みながら、米を炊き、お握りにしたところで、丁度二人を起こす時間になった。
「はわぁ~、おはよぉ~」
「ご飯出来てるよ」
朝をしっかり食べて、準備を終えると、昨日と一緒で俺とヒルトの訓練を兼ねて攻略することにした。
昨日と同じく、通路の先に居るであろう魔物の気配を探しながら進んで行くけど、今日は魔物が活発に動いているのか、昨日の倍以上の頻度で戦闘をしている。
「おかしい」
「そだね~」
俺は階層が深くなったから、こういう物なんだと思っていたけど、どうやら違うらしい。
二人が言うには、確かにトラップや魔物の数も増えるけど、こんなに多いのは異常らしい。
まるで何かから遠ざかる様に移動しているみたいだと、探知スキルで調べ終わったチノが言っていた。
「黒いオーガ以外にも何かでたのかな」
「ありあない事ではないな」
「二人も気を付けてね~、もしかしたら、黒いオーガみたいなのが居るかもしれないし」
「わかった、気を付けよう」
「黒いオーガって事はないよな?」
「それは無いだろう、ダンジョンの魔物は基本的に階層を移動できない筈だ。魔物が階層を移動できる様になるのは、放置されたダンジョンから魔物が溢れて来る時だけだ」
「そっか、なら良いんだけど」
「そうだよ~、カケルくんってば、心配性だね~、此処だとそんな心配要らないよ」
なんだろう、このドロッとしたように残る違和感は、奥に進んで幾度にドロッとしたものが大きくなっている気がする。
「此処からは、私が先頭で行くから、ケイトは後ろで、カケルくんはヒルト護衛で、ヒルトは何時でも魔法を撃てるように構えてて」
休憩が終わった俺達は、索敵能力にこの中で一番長けたチノを先頭に、今までよりも慎重に進んでいたのだが、進み始めて少ししたところで、ストップの合図がかかった。
「うーん………」
チノがウンウン言いながら何時もより入念にスキルを発動させて辺りを調べていると、突然ガバッと伏せていた身体を起こすと、焦りが見える表情をしながら小声でしっかり聞こえる様に
「ダメ!逃げて!」
と、言った瞬間に、俺の真横にあった通路の壁が吹き飛んだ。
「「カケル」くん!!」
(何が起こった?壁が吹き飛んで、何かに殴られる感じがしたけど、痛くないな。チノ?なんでそんな顔をして此方を見ているんだ?早く立たな……あれ?身体が動かない、血?誰の?)
「グガァァァァァァッァ!!」
何かの叫び声に反応するかのように、吹き飛ばされた衝撃でボヤけていた視界が鮮明になってくると、漸く俺がどうなったかと、魔物の存在に気づく事ができた。
(痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、)
黒くて大きい腕が俺に止めをさそうとしているのか、腕を振りかぶっているのが分かるし、逃げないと死ぬ事も分かるけど、痛い過ぎて身体が全く動かない。
「イヤァァァ!」
「にげろ!」
「何をしている!」
(3人が何かを言っているけど、動かないんだ……あ、ヒルトは無事だったんだ、よかった~)
暗くなる視界の中で腕が降り下ろされるのを見た俺は、そのまま意識を手放した。
読んで頂きありがとう‼
ー情報更新ー
探知スキル
この世界の探知スキルは大きく別けて、気配探知、魔力探知に別けられる。
国では探知専門の部隊を持っているなど、重要な部隊に分類されるが、気配探知に優れた獣人種等でない限り、習得には長い時間を要する事になる。
ーチャックの独り言ー
俺の出番か……




