アルトニアの迷宮、兄は置いといて
こんにちは‼
あれ?ダンジョン攻略するはずがご飯食べるだけで終わってしまったぞ?
あれから露店を回って中々良いものを見つけることが出来た、(旅人の快適ポケット)という魔道具で、夜営の際に使える様な便利セットが色々と入っている。
例えば虫除けの結界石に始まり、調理道具、テント内部の温度を適温に保つ札だったりと、中々に機能が充実している。
とある引退する冒険者が自分が使っていた物を売っている露店で見つけたんだけど、少し歩いてみることにした値は張ったが、いい買い物をしたと思える。
そろそろ二人が帰って来る時間だと思うのでコロセウムまで迎えに行くと、少し待った後に二人がコロセウムの出入り口に姿を見せた。
「おかえり」
「カッケルくーん、待っててくれたの?」
「う、、ただいま、カケル」
「う、、ってどうしたんだよケイト」
「そ、それは気にするな」
「じゃじゃーん!発表します!」
「あ!こらチノ!」
「ダメなの?」
「ダメに決まっているだろう………あの事は私がちゃんと言うから、言わないでくれ」
「アハハ、分かってるよ、がんばれー!」
「なに?どうしたんだよ二人とも」
「「秘密」だよ」だ」
「ホントに何なんだよ」
「さぁさぁ!お腹も空いたから、早くご飯食べにいこーっ」
「ああ、私もお腹が空いて倒れそうだ」
「まあ、いっか今日は良い店見つけたから、そこに行きたいんだけど良いかな?」
「お!?いいねー」
「珍しいな」
「今日はたまたま早く帰ってきたから、街を探検してたんだよ」
「へぇー、早く行こうよ」
そうして俺達は二人の換金が終わった後、気軽な格好で今日見つけた店へ行くことにした。
その店は、なんでもこの地域では珍しいコルベニアの料理が食べられるお店で、俺の直感がここに行く運命なんだとずっと語りかけてくるんだ。
店に入ると先ず驚いたのが靴を脱ぐという事で、俺には馴染みのある事なので違和感は無いが、二人には馴染みが無いようなので結構驚いていた。
この地方の店は殆んど全ての店が靴を脱ぐ事が無いので、多分だけどアルトニアでもこの店だけなんじゃ無いだろうか……
玄関から伸びる廊下を進んでいくと、左右に個室が並んでいて、その内の一室に通された。
俺の知っている和風な部屋ではなく、木を使った並べた素朴な一室で、これもまた落ち着く感じがしてしまう。
うーん何処で見たかな………ああ!!日本の昔話をやっている番組でこう言う部屋でお爺さんとお婆さんが暮らしているんだ。
部屋の真ん中には囲炉裏じゃ無くて背の低いテーブルだけどね。
「いいねー、こう言う店も、地面じゃ無いから寝転べるよ」
「なるほどな、食べ過ぎてもそのまま休めるから安心だな」
「俺の故郷じゃ、食べた後直ぐに寝転ぶと牛になるって迷信があってだなー」
「え!?ダメだよ、私は猫なんだから!」
「う、うしだと?」
「まぁただの迷信なんだけどって、ケイト?チノを見てどうしたんだ?」
「牛も悪くは無いかもしれないぞ?……」
そう言いながら、自分の胸を寄せてこっちに見せてくる。
「ちょっと!ケイト?私の胸と自分の見比べたでしょ?」
「ははは!なんの事だろうなカケル?」
「え!?そこで話を振ってくる?」
「カ~ケ~ル~く~ん、胸の大きさなんて関係無いよね?……ね?」
「た、た、たしかに、チノの胸は控えめだったけど綺麗だったから、か、関係ないんじゃないかな」
「もう!カケルくんったらぁ、見る所はちゃんと見てるんだからぁ~」
「あ、あれは不可抗力と言いますか何と言うか……」
「ケイトも見て貰えばー?」
「な!それは、早いとぃぅ………」
三人で騒いでいると、和風っぽい格好をした、うさぎ耳が特徴の店員さんがお品書きを持って来てくれたので選ぶ事になった。
因みに言っておくが店員さんは、遊び歩いてそうなチャラいイケメン野郎だ。
間違ってもウッサウッサした娘ではなかったから残念だとか思って無いよ?
店員さんによれば、コルベニアで良く出されている料理がメインで、この地域ではなかなかお目にかからない料理だそうだ。
うん、料理名が違うだけで何となくどういう料理って言うのがわかる。
一番分かりやすいのは、親子丼だろうか、鶏肉ではない何かの肉を使っているから別の名前になっているが、卵を生む魔物の食材を使った料理なのは、名前の雰囲気でわかる。
というかそのまま書いてあるからね。
チッチクの親子丼………まんまじゃん………
その他にも材料は違うけど、似たような料理名がズラーっと並んでいた。
「私はオークのタレ焼き膳だな」
「うーん、じゃぁ私はチッチクのから揚げで」
「俺は親子丼で」
暫く待っていると、懐かしい生姜焼きの匂いと揚げ物の匂いが一緒になってやって来た。
ああ、一ヶ月以上ぶりにこの臭いを嗅いだ気がする、懐かしいなー。
その後にデカい丼に入った親子丼がやって来た。
あのー、これはデカ過ぎやしませんか?
いやいや、店員さんグットラックってしながら二人を見てますけど、二人とは清い関係ですからね。
三人で少しずつ交換しながら食べてみたけど、味付けが少し違うだけで、だいたい一緒の雰囲気の味が楽しめたので満足だった。
おっと、久し振りの懐かしい味で忘れかけていたけど、ヒルデルトの事を話さないとな。
「二人に頼みが有るんだけどいいかな?」
「ん?どうした」
「今日の朝の事なんだけど、ヒルデルトっていう新人冒険者に手伝いを頼まれてね、その手伝いを二人にも助けて欲しいんだ」
「新人くんねー、どれくらい強いの?」
「それは心配無いかな、10階層のウッドゴーレムを一撃で吹き飛ばす様な魔法使いだったから」
「なかなか凄いやつだな、それで手伝いというのは、どういう事なんだ?そんなに強いなら手伝いなんて要らないだろう」
「えっと、ヒルデルト、ヒルトが言うには、45階層に居るトータス系の魔物からとれる素材で、結婚指輪を作りたいって事なんだよ」
「キャー!なにそれ良いじゃない!」
「結婚か……」
結婚っていうワードを言った途端、二人がこっちを見てきたけど、今は気付かない振りをしておこう……
「それで、どうだろう?ヒルトの為に手伝ってあげれないかな?」
「そう言う話なら、手伝わない訳にはいかないな」
「そうそう、カケルくんも一緒に素材を集めても良いんだよ?」
「いやいや、俺には早いよ……もっと強くなってこの世界を見て回りたいし」
「そうだったねー、それからでも遅くはないか」
「そ、っそう言う事だから明日からよろしく頼むよ」
「わかった」
「オッケー!」
よし、これで何とかヒルトの夢を実現させることが出来そうでよかった。
しかし結婚か……俺も将来したいけど、今だとしてくれそうなのは、ケイトとチノの二人かな?
どっちかを選べってなったら選ぶ自信が今の俺には無いなーって、こんな贅沢な悩み?自惚れかは知らないけど、あっちじゃ考える前に相手が居なくて話すらなかったな……。
ダメダメ、今はヒルトの為に頑張ってダンジョンの攻略を進めなきゃだ。その為に今日はもう寝ないと……おやすみー………zzZZ
読んでいただきありがとう‼
ー情報更新ー
チッチク
大型の鳥の魔物だが大人しい性格なため、家畜として飼育されている事が多い。身体は丸くフワフワの羽毛に覆われており、空を飛ぶのは苦手で空をフワフワと浮くようにして滑空することができる。とても大型で力の有る魔物なので、食用以外にも移動手段としても人気がある。
ーチャックの独り言ー
これがカケルの故郷の味ね、なかなか旨かったで、俺も任務で地球に行った時もあったんやけど、任務中やったし看板は見たんやけど、食べれんかったし気にはなってたんよな。




