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目覚めたら全裸で森でした  作者: マッタ・LI
アルトニアの迷宮
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アルトニアの迷宮、そして、目覚めたもの

こんにちは‼


今回は、チノ、視点で話が進みます

子供の頃、ママに読んでもらった絵本の中に私の大好きな、悪い魔物に拐われたお姫様の物語があったんだ。

ある国のお姫様が悪い魔物に拐われてしまって、お姫様を助ける為に騎士になりたての新人くんが、魔物の巣に忍び込んでお姫様を助けようと頑張るんだけどね。

途中で魔物達に見つかっちゃって、お姫様を守る為に必死に戦って最後には悪い魔物を倒してお姫様を助け出す事に成功したんだ。

そして王様から認められた新人君は英雄と呼ばれるようになって、最後にお姫様と結ばれて、めでたしめでたしって終るんだ。


まだ、小さかった私はその物語に憧れて、近所の男の子と、ごっこ遊びで何回も絵本の様に遊んでたんだ。


この前、それが現実になるとは思わなかったよ。

私はお姫様じゃなくて、彼も騎士様じゃ無かったけどね…


私を助けてくれた彼を初めて見たときの格好なんて、ボロボロのダサい服装で、使い古された安物の槍しか持ってなかったんだよ。


そして、第一声が「えぇぇ!どうしたんですか?」なんだもん正直ガッカリしたよ、一瞬助けが来たから助かったと思ったんだよ。


少し話を聞いてみると、実はゴブリンから逃げてる間に、ここに迷い混んだらしくて、その内帰ってくるゴブリンにこの人は、なぶり殺しにされるんだろうなって思っちゃった。


けど、彼は違ったんだ、絵本の騎士様みたいに私達をゴブリンから助けてくてた。

通路に陣取った彼は最初は怖がってビクビクしながらゴブリンを倒していたけど、途中から動きが変わってきたんだ。

最後の方は槍の達人かと思うような槍裁きでゴブリンを倒していてビックリだったよ。


まるで、子供の頃に読んで貰った絵本の騎士様みたいでかっこよかったんだー。


それから一緒に行動するようになって、必死にアプローチをかけてるんだけど、結果は今一つなんだよね。


槍の腕も最近はましになってきたけど、あの時に見せてくれた、最後の槍裁きは偶然だったみたいで程遠いしね。


そんな彼…カケルくんは何時も、おどおどしてて怖がりで、とっても優しいんだけど、今日は何時ものカケルくんじゃ無いみたいなんだよね。



それは今日の朝、私が宿屋の1階で二人の稽古が終わるのを待っていたら、何時もならカケルくんが、へとへとになって帰って来るんだけど、今日は何故かケイトの方が疲れ果てた顔をして、宿屋に帰って来たんだ。


しかもカケルくんったら、言葉使いも変わってて、何時もと違う変な喋り方だったから、こっちも変な喋り方になっちゃったよ。


その後、朝御飯を3人揃って食べた後、私達の部屋に戻ってから、ずっと黙ってたケイトがようやく喋ってくれたんだ。


「どうしたのケイト?ずっと黙ってるけど」

「ああ、悪いな、少し驚いてたんだ」

「カケルくんと何かあったの?」

「あったも何も、カケルって、あんなに強かったか?私が全力で攻撃しても、掠りもしなかったぞ…」

「ウソだぁー、ケイトが本気ならカケルくん死んじゃうよ?」

「いや、嘘ではない、私は全力を出していたはずだ」

「イヤイヤ、冗談キツいって」

「ふふふ、なら、試してみると良い…」

「えっと…まじ……?」

「大真面目だ!」


少し震える身体でケイトが話していたので、たぶん本当の事なんだろうけど、私はまだ信じられないから、カケルくんの部屋へ行ったんだ。


「カケルくーん、入って良い?」

「ええよ、入ってや」

「う、うん…入るね…」

「どうしたんチノ?」

「えっとー、私と稽古して欲しいなーなんて」

「なんや急に、めずらしいな」

「良いじゃない、たまには稽古しよーよー」

「へ~、ええで、やろか!」

「ありがとー、それじゃあケイトと何時も稽古してる所でねー」


それから三人で、何時も二人が稽古をしているギルドの訓練場に移動したんだ。


私の目の前には、見た目は何時も通りと変わらないカケルくんが、槍を構える事もしないで私にかかってこいと、何時もと違う喋り方で言ってきている。


「チノ、何時でもええで」

「それじゃー最初は軽くいくよー」

「お手柔らかにたのむわ」


私は、何時ものカケルくんだったら、少し危ないけどギリギリ受けれる様なスピードで真っ直ぐに攻撃をしてみた。


私の予想では「ヒィィィ」って言いながらギリギリで受け止めて、槍とナイフが当たると思っていたんだけど、全く違う結果だったよ。


ナイフが槍に当たる手応えも無ければ、カケルくんの悲鳴も聞こえない…

何か実態の無い物、空気を切った様な感覚の後に、優しく撫でるように槍で後ろに身体を流されていたんだ。


その時、身体中にゾッとする何かを感じて、思わず全力でカケルくんから距離を取ったんだけど、ニコニコしながら私を見ているだけで、構える事もしないで普通に立ってた。


「なかなか、ええ感じのスピードやったけど本気やなかったよな?」

「ぜ、全力で攻撃したら、カケルくんに怪我させちゃう」

「ハハハ!安心してぇな、全部受け止めたる」

「むーぅ、それじゃ、本気でいくから怪我しないでね」

「心配ご無用!さぁ、きてや!」


それから暫く、まぁ数分だと思うけど、どれだけ全力で攻撃しても、全部の攻撃が同じように空気を切るような感覚の後に、優しく受け流される事になったよ。

頭を狙っても、足を引っ掻けようとしても全部同じになっちゃう。


最後に自棄っぱちで、全力でスキルも幾つか合わせて使ったけど、結果は同じで優しく受け流されちゃった。


「ハァハァハァ、、、なんでぇー?」

「最後の一撃は、なかなか良かったで」

「なかなかって、あれでも全力で、しかもスキルも合わせて使ったんだよ」

「アクセルとクイックステップとバックスラッシュやったな」

「全部バレてるしー」

「まぁ、しゃーないって」

「しゃーなくないよ!私のとっておきだったのに」

「ごめんやで、お詫びに軽く技、見せたるからそれで許してな」

「わかったよー、今日はそれで許してあげる」

「ほんじゃーいくで!」


掛け声と共にカケルくんが槍を構えた瞬間に、周りの雰囲気そのものが変わってしまった。


気温が一気に下がったように感じて全身に鳥肌が立ち、身体が勝手にガクガクと震えてくる。

そして私達が攻略している中層に出てくる魔物が発する威圧感とは比べる事ができない位に、強烈な威圧感がカケルくんから伝わってくる。

まるで、目の前に伝説のドラゴンでも居るんじゃ無いかと思ったね。

それでも気を引き締めなきゃと思って、ナイフを構えようとしたけど身体が思うように動かなくて、ナイフを構えるのに何時もの何倍も時間がかかった。


やっと、私が構えたのを確認して少し笑ったと思った次の瞬間に、身体中を何十回、何百回も貫かれた感覚に襲われた後、目の前が真っ暗になった。


私が気が付いた時には、ギルドのベットで寝かされていて、あの後の事を聞いたんだけど凄く恥ずかしい思いをしたよ。

乙女の尊厳を守るために三人だけの秘密だけどね、ケイトが居てくれてホンートに助かったとだけ言っとくよ。


それで何をしたか聞いた話しによると、カケルくんが(槍技・壱式)って言う聞いた事のないスキルを発動して、普通に突きを一回しただけだったみたい…なんか、恥ずかしぃ。


っていうか、いきなりカケルくん強くなりすぎじゃない?階層の守護者を倒してから、更にやる気になって頑張って数日立つけど、数日であんなに強くなれたら誰も苦労しないし、アルトニアのダンジョンも最下層まで行けてるハズだよ。


ムムム、これはあらゆる手段を使って問い正すしかないね、何か身体に悪い薬を使ったのかもしれないし…よし!決めた!今日の夜、カケルくんの部屋に行って聞いてやる!


今日はあの後、ホントは3人でダンジョンに行くつもりだったんだけど、私達が疲れて動けないから、カケルくんが一人でダンジョン行っちゃったけど、あの強さなら私達なんて今日一日で追い越して、最下層まで行っちゃったかもしれない。


夕方、またギルドの方がやけに騒がしくなっているのが聞こえたから、カケルくんが何か凄い魔物を狩って来たのかとワクワクしながら、帰りを待っていたらやっぱりカケルくんが帰って来た。


何故か顔の下を隠す覆面で目だけを出して、地味なマントをしていたけど、私がカケルくんを見間違えるハズがない。


何時も通り、直ぐにカケルくんに抱き付いて匂いを確認したけど、他の女の匂いもしないし、少し汗の匂いがするけどそれが堪らない。


「チノにはやっぱりバレてまうか…」って言ってるけど、それは当然だと思うよ。

ケイトに負けない位に想っているからね。


「そうや、二人に大事な話があるし、今から着替えて出掛けるで」


そう言って、私達に今まで縁のなかったドレスを渡されたけど、何処に出掛けるつもりなんだろう?

因みに私が赤色のフリルが可愛いドレスで、ケイトには白いスッキリとしたデザインのドレスを用意してくれた。


何時もと喋り方は違うし、ドレスも用意してくれるし、今は落ち着いた感じの豪華なレストランの個室へ連れて来てくれているんだけど、ここまでする大事な話って何かな?告白?プロポーズ?

どっちでも大歓迎だよ。


というか、お金は大丈夫なの?私達では、ここの食事代だけで全財産が飛んでいきそうだけど。


こんな高級なレストランなんて入った事もないし、ソワソワしていたらカケルくんが色々気を使ってくれたから助かったけど、何故にこんなになれてるんだろう?


カケルくんって、もしかして貴族の方だった?確かに良い所の出身っぽい所も有ったし案外間違って無いかもしれない。

そうだとしたら私ってば大変な事を何回もしちゃってる気がする。

わかった!これは最後の晩餐なんだ、この食事が終わったら、お別れを言われるかもしれない、それで最後に正体を明かそうとして、こんな豪華なレストランに連れて来てくれたんだ。うぅぅ…なんか悲しいなー、料理の味もしょっぱいよ。


「チノ?」

「お別れなんて言わないでー」

「なんや、どうしたんや?」

「この食事が終わったら、正体を明かしてお別れするつもりなんでしょ!?」

「えっとな~、確かに食事が終わったら、正体の話も少しの間お別れって話もしよう思っとるけど、チノが思っとる様な事じゃ無いと思うで?」

「グズ…どう言うことよ」

「ハイハイ、そない泣いてたら可愛えぇ顔が台無しやから、ちゃんと話すし泣き止んでぇな」

「うん…わかった…」

「しゃーない、それじゃぁ先に話すし、後で呼ぶんで部屋から出てって貰えますか?」


ウエイトレスの人達が部屋から出て行くのを確認すると、大事な話を私達にゆっくりと話始めてくれた。


読んでいただきありがとう‼


原因不明のエラーにより更新作業ができません…………

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