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目覚めたら全裸で森でした  作者: マッタ・LI
アルトニアの迷宮
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アルトニアの迷宮、街の皆さま方、朝からスミマセン

こんばんは‼病院とか行ったり、なんやかんやで書いては止まり書いては止まりを繰り返してました。不定期で申し訳ないですがヨロシクです

アルトニアの街が何時もと同じように慌ただしい朝を迎えようとしていたが、今日は何時もと違って何処かの男の情けない悲鳴が響いて1日が始まった。


情けない悲鳴の発信源は、何を隠そうカケルの悲鳴である。

何故、早朝から悲鳴を上げているかというと、昨日の夕食の時にケイトに朝の稽古を頼んだのが始まりだ。


それは、昨日の夕食を三人で食べている時、酔っ払った男達がケイトとチノに絡んで来たことで始まった。


「おい、そこの姉ちゃん達、そんなビビりはほっといて一緒に次の店に行かねえか?」

「そうだ!そうだ!、迷宮に入るのを怖がってるような新人の坊やには、姉ちゃん達は勿体ない」

「なぁなぁ、良いだろ?俺達についてくれば良い思いさせてやるぜ」


最初は無視をするつもりで、そのまま食事を続けていたが、段々と男達が無視されていることに苛ついてきたのか、次第に言葉が荒くなってきた。


そして、諦め切れなかった男の一人がチノの腕を掴んで強引に連れていこうとした時に、俺がそれを止めようとして男の腕を掴みかえしたのが切っ掛けで、酔っ払い達の怒りを買い、チノの腕を掴んでいる男が俺を殴り飛ばした。



こういう時、かっこ良く酔っ払いを叩きのめす事が、異世界生活でやってみたい事ランキングにランクインしているのだが、現実は俺の方が殴り飛ばされた…少しは強くなったと思ったけど、なかなか上手くいかないものだ。



そう考えている内にもチノが連れていかれるかも知れないので、直ぐに起き上がり、殴り飛ばしてくれた男に、やり返そうと向かっていこうとしたのだが。


それよりも早くケイトが酔っ払い全員を、カッコ良く、早く、華麗に、倒してしまい、オマケに店の外に放り出して


「コイツらは、夕食を食べている私達を拉致して慰みものにしようとした変態だ!」


と、道行く人に聞こえるように言った後、自分達のテーブルに何事も無かったかの様に戻ってきた。


余りの早業に、何事かと見ていた人達が少しの間、呆気にとられていたが、直ぐに歓声と拍手に包まれた。


「やるな、姉ちゃん!」

「お姉さま素敵です」

「兄ちゃんはもうちょっとガンバレ」

「彼奴等には困ってたんだよ」


周りからの称賛の声に、ケイトは「仲間の為です」なんて照れながら言いつつも、拍手や歓声に答えていった。何でもあの酔っ払いを達は酒癖が悪く、よく他の客に絡む事で知られていたそうだが、少し腕の立つ冒険者パーティーで、店の人も強く出られなかったそうだ。


それから、他のお客さん達と話したりしながら夕食を食べて、宿への帰り道で俺はケイトに、翌朝後悔する事をお願いした。


「ケイト、お願いがあるんだ、俺も二人を守れるように強くなりたいんだ!朝に稽古をつけてくれないか?」

「ああ、良いぞ、私の方からもお願いする、明日の朝からやるぞ」

「ありがとう、二人を守れるように頑張るから」

「ふふ、言ったな、期待しているぞ」



そうして、今、正に昨日の言葉を少し後悔している


「どうしたカケル!私たちを守るんだろう?」

「そっそうっわ、言っても、これっじゃ、まもっる相手に殺さっれるよ」

「ふふ、安心しろ、怪我をしたら治癒院へ連れて行ってやる、私達の為にガンバレ」

そう言いながらも手を休めること無く、次々と際どい所を狙って攻撃してくる。


やはり実際に魔物と命のやり取りをしている異世界だからか、かなりスパルタな実戦的な稽古の内容になっている。


若干ケイト先生の教育熱が入りすぎている気がしない訳でも無さそうだが…あんなに嬉しそうな顔で稽古をつけてくれると、少し背筋がヒヤリとする何かを感じさせる時が有るが何とか続けられそうだ。


稽古のお陰で、そこそこ疲れたので今日は1日ダラダラしていたい気分なのだが、チノの提案で、これから今日1日で行けるところまで行ってみようって事になったので、今日もコロセウムに来ている。


今日の朝、普段通りに寝ていたチノは元気なのは分かるが、一緒に稽古をしていたケイトも何時もと変わらずな様子で疲れた様子が見えないのは何故だ?あの地獄の様な稽古は、ケイトにとって軽い運動だったのか?


「ほらほら、置いてくよー」


今から危険なダンジョンに入るってのに、チノは何処かショッピングにでも行くみたいなノリで手を振って呼んでいるので、脱力してしまいそうだが、気を引き締めてダンジョンに挑もうじゃないか。


1階層は昨日と特に変わった様子も無いので、何事もなく昨日来た大木の所まで付いた。

ここから4階層までは、このまま森のエリアが続くみたいで、5階層から洞窟の様な場所に出ると、昨日の夜に聞いている。


2階層からは、分かれ道が何ヵ所か有ったがコロセウムで冒険者がよく降りる中層までのマップを買っていたので迷わずに済んだ。


途中から、ホブゴブリンやウィスパーマッシュ等が出るようになったが、特に強いという事もなかったので問題なく4階層まで降りてこれた。


そして、5階層へ続く階段を降りると、炭鉱の様な洞窟にでた。

ご丁寧に魔石を使った照明まで吊るしてあって、何かこれじゃないって感じがしてしまう。


しかし、ちゃんとダンジョンしているみたいで、つるはしを持った筋肉質なゴブリン(炭鉱ゴブリン)や石のような皮膚をした、小型犬サイズのトカゲ(ストーンリザード幼体)が現れた。


炭鉱ゴブリンは普通のゴブリンよりも、賢く力も強くなっていて、必ず数匹で群れて行動しているが、ソードスピアのリーチを活かしてヒットアンドアウェイで無理なく倒した。

ドロップは、つるはしと少し良質な魔石で、極々希に小さな宝石の原石や鉄鉱石の入った袋を落とした。


ストーンリザード幼体は地面に転がっている岩に擬態していて近付くと体当たりをしてきて。

流石ストーンと名前が付いているだけあって小型犬サイズの癖に衝撃はかなり重量級で、最初は吹き飛ばされてしまった。

しかし慣れてくると潜んでいる岩影を狙って此方から一突きで倒せる様になってきて後半は順調に進んで行った。

ドロップは石の様に硬い皮を落とした。


そうして、魔物を倒しながらマップを頼りに進んでいき8階層まで降りた。


8階層からは少し薄暗くなり本格的に洞窟の様になっていて、今までより慎重に進んでいくと、奥の方からカラカラと乾いた何かが当たった様な音が響いてくる。


丁度、この先にある分岐の辺りに音の発信源が居るようで、音を立てないように慎重に分岐まで進んで、更に慎重に通路の奥を覗くと、骸骨の魔物代表のスケルトン(何も持っていないプレーン)が2体居た。

お互いに向き合ってカタカタしているが、あれは会話しているのだろうか?身振り手振りで意思表示していたら、会話していると分かりそうなのだが、棒立ちで顎の骨だけを動かしてカタカタ鳴らしているだけなので、とてもシュールな光景だ。


しかし、あのスケルトンが世間話をしていようがしてまいが、俺には関係無いのでやることをやるだけだ。

死角も何も無いので、通路に飛び出してダッシュで近づいて、スケルトンの頭を狙ってソードスピアを降り下ろした。


カシャン!っと乾いた音と共に呆気なくスケルトンの頭を砕くと、直ぐに距離をとってスケルトンが何かをしてこないか観察するが、カクカクした動きでこっちに走って来ようとしているだけで、特に何も無いようで、動きも普通の人より遅い位なので余裕をもって頭を砕いた。


そこで、後ろから声がかかった。


「しゅーりょー!今日はここまでだよ」

「一人でやってみて、どうだった?」

「くっそー、ここまでか、10階層まで行けると思ったんだけどな」

「ダメだよ、もう帰らないと晩御飯に間に合わなくなっちゃう」

「いや、それはないだろ、帰りは私達なんだから」

「すいません、付き合って貰って」

「かまわないぞ、色々おもしろかったからな」

「あ!ケイト、カケルくんなりに頑張ったんだから、面白いって言っちゃダメだよ」

「チノだって、笑いを堪えてたくせに何を言っている」

「あー!もう!笑いたかったら笑って下さい、どうせ俺なんて笑い者ですよー」

「カケルくんが拗ねちゃったじゃない」

「ハハハ、すまん」

「もういいよ、早く帰ろう」

「ふふ、帰りは私達のやり方を見て学ぶと良い」

「よーし!本気を見せちゃうよ!」


そうなのだ実は今回、行きは俺が一人で何処まで行けてどの位出来るか試して、帰りは二人がサクッと連れて帰ってくれる事になっている。


二人は以前来たときに中層まで攻略しているので、この辺りの階層では何も心配することも無いだろうし、しっかり観察させて貰おう。


そうして、俺が一人で進んで来た道をサクサク攻略しながら、行きにかかった時間の半分位の時間で、地上に帰って来たのであった。




読んでいただきありがとう‼


ー情報更新ー

ストーンリザード幼体の皮


硬く丈夫だが柔かな皮は、作業用の手袋等に加工されて安価に市場に出回る。家庭用の包丁位では中々切れないので、日曜大工をガンバるお父さんに愛用者が多い。唯一の欠点は、通気性が悪く蒸れやすいので、ちゃんと手入れをしていない手袋が臭う事だろう。

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