アルトニアの迷宮、灼熱のコロセウム
こんにちは、前回は女性に囲まれて幸せそうなカケルをボコボコにして楽しんでましたが、今回は戦闘回です。
チノが俺を踏み台にした所までは覚えているんだが、下半身に強烈な傷みを感じた後、次に気が付いた時には治癒院のベットの上だった。
今、ケイトがあの三人組を詰め所に連れていってるらしく、チノと二人っきりで何回もチノがあの事にたいして謝ってきている。
「ごめんねーああするしか思い付かなかったの」
「いや、その事はもういいよ、ありがとう、連れていかれてたら、俺の貞操が危なかった訳だし」
だいたい、ギルドへ女の子と行ったっていうシーンは大抵の小説やアニメなら、仲間の女の子を連れていこうとする野郎を、俺が華麗に倒して、女の子に「貴方!素敵!ハート」っていう流れだと思うんだけど…何を間違った?
「それでね、今日は安静にさせなさいって言われてるから、ゆっくり寝ててね」
「そうなんだ、ゆっくりさせて貰うよ」
それからケイトが帰って来て、タックル紛いの抱擁を受けて一悶着あったが、その後は宿屋に移動してゆっくり過ごした。
そして次の日、俺達は改めてアルトニアの街を観光することにした。昨日は散々な目に遭って結局ギルドと治癒院にしか行ってないからな。
アルトニア街は、コロセウムがある広場を中心に広がっていて、東と西にある大門を真っ直ぐにコロセウムを通って繋ぐ大通りがある。テレビで見た凱旋門とシャンゼリゼ通りみたいな形だ。
俺達は、大通りにある宿屋から出ると、この街一番の名所である、コロセウムに向かった。
見上げるような大きさのコロセウムに入ると、今からダンジョンに入る冒険者グループや、それを相手にする商人等で賑わっていた。
その他にも、ここではダンジョンで捕獲された魔物を、コロセウムの中央にある闘技場で戦わせたり、冒険者同士で戦ったりと色々な競技や賭け事が楽しめる様なので、それを目的に観客も沢山来ている。
それならばと、賭けをしなくても闘技場には誰でも入れるので行ってみると、調度良いタイミングだったみたいで、冒険者が魔法で声を拡張した熱いアナウンスの紹介と共に入場してくる場面だった。
その冒険者は虎の獣人で、鍛え上げられた身体に身の丈程もある大剣を装備している以外、上半身裸で胴着の様なズボンを履いているだけで、防具らしい防具は見当たらなかった。
その虎の獣人が雄叫びを上げたり、パフォーマンスをしたりと場を盛り上げていると、更に盛り上げるような演奏が響き始めた。
その演奏に合わせて向かいの扉がゆっくり開いていくと、檻の中に入れられた、体長5メートル程の炎を纏った大トカゲ(ファイヤーリザード)があらわれた。ファイヤーリザードは檻の中で暴れており、それを見た観客が歓声や悲鳴を上げたりと盛り上がっている。
そして、ラッパの音が鳴ると演奏と盛り上っていた観客達が静まり返り、アナウンスの合図と共に、檻の扉が勢いよく開き戦いが始まった。
最初にファイヤーリザードが、檻から飛び出すとそのまま、虎の獣人に向かって炎を吐きながら突進していく。それを大きく避けた虎の獣人がファイヤーリザードの首を狙って斬りかかるが、身体を捻って避けて、そのまま身体を捻った勢いで尻尾を叩きつけた。
それをギリギリ大剣で受けるが、体格の差で押しきられ、そのまま後ろに吹き飛ばされてしまい体勢を崩してしまった。
そこを狙って、ファイヤーリザードが大きく息を吸い込む動きをした後、特大のファイヤーブレスを放って、虎の獣人を飲み込んだ。
それを見ていた観客達から、どよめきや悲鳴が上がる中、しだいにファイヤーブレスが収まっていき、後には焼け焦げた虎の獣人の無惨な姿が現れると思われた。
しかし、ブレスの中から現れた虎の獣人は、何処にも焼けた様な後は無く、ブレスに飲み込まれる前とは違い、身体の周りに赤いオーラを纏わせて、さっきまでとは雰囲気が全然違っていた。
その姿を見て観客が立ち上がり、歓声を上げて更に会場が盛り上がっていく。
そして、虎の獣人が今までより大きく叫ぶと、今までで一番早い動きでファイヤーリザードまで近づき首元に斬りかかり、深い傷を負わせた。
ファイヤーリザードは自分が倒したと思った相手から傷を負わされた、傷みと怒りでファイヤーリザードが吼えると、身体中の炎が更に燃え上がり、観ているこっちまで少し熱を感じる様になった。
それから少しの間、牽制で火を吐いたり、斬りかかったりしていたが、首の傷から流れる血が多くなりすぎたのか、先にファイヤーリザードが勝負に出た。
今でもかなりの熱量を感じていた炎が更に勢いを増して、観客の方にまで火の粉が来て観客から悲鳴が上がるが、障壁の様な物で阻まれて目の前で止まっている。
そんな灼熱地獄の中でファイヤーリザードは口の辺りに紋章を出現させて、先程の特大のブレスの威力を容易に越えるのが分かるくらいに、魔力を集めていく。
そして、紋章が一際輝くと同時にレーザーの様な灼熱のブレスを虎の獣人へ向けて放った。
虎の獣人は高速で迫るブレスを避けるが、それを追うように、首を回してブレスで狙ってきたので、少し当たってしまったらしく、当たった所が炭の様に真っ黒になって、苦悶の表情をしている。
そして長いブレスが終わりファイヤーリザードがさっきのブレスの反動で動けなくてなっているのを確認すると、虎の獣人が物凄い形相で集中し始め、大剣に赤いオーラを纏わせて上段に構え、「ソニックブレイドー!」と何やら何処かで聞いたようなスキルの名前を叫びながら、ファイヤーリザードとは距離が有るにもかかわらず、大剣を全力で振り抜いた。
すると大剣から三日月の様な赤いオーラがファイヤーリザードに飛んで行き、そのまま真っ二つにファイヤーリザードを切り裂いた。
しばらく、会場が静まり返えっていたが、虎の獣人が勝利を示すかのように腕を上げると、一気に勝利を祝福する歓声が響き渡った。
その歓声の中で俺はさっき見た技を見て愕然としていた。俺は虎の獣人が使った技をよく知っていて、俺も実際にゲーム中で使っていたからだ。
あれはコスフロの剣士職のプレイヤーが良く使っていたスキルの中でも、最初の方に覚えられるスキルで、消費するMPが少なく射程も範囲もそこそこ有るので、雑魚を殲滅するのに良く使われていたスキルだ。
何故あのスキルがコスフロと全く関係の無さそうな、この異世界で使われているのかは不明だが、使っている人が居るのであれば、レベルMaxでコスフロのアバターそのままの俺も使えるという事に違いは無いのだが、使える要素が今のところ全くと言って良いほど無いのが現状だ。
そんな事を考えながら俺達は闘技場を後にして、その後もアルトニアの観光を楽しんだ。
読んでいただきありがとう‼
これからは、日常のおバカな事を交えながら、すこーしずつカケルが強くなっていくと思います。
こうやってカケルを虐めたいなどの意見があれば反映するかもなので、良かったらどうぞw
ー情報更新ー
アルトニア:ダンジョンを中心に発展してきた街。ダンジョンの発見者アルトニア・ウィル・エバーソンの名を貰いアルトニアの街と名付けられた。主な産業はダンジョンから採れる素材や食材、宝物などの輸出で、それを求めて冒険者や商人が集まり、危険な森の中にあるとは思えないほど街は賑わっている。




