トーストの町、ツンツン娘の防具
こんにちわ‼今回でトーストの町編終了です
次回からは西へ向かいます
ブレスレットを買った後も、露店をみて回ったり、曲芸を観たりした。この異世界に来てから不安と恐怖ばかりで、来てから一ヶ月位経った今でも、目が覚めたら元の自分の部屋で居眠りしてました…なんて思ってしまうが、チノさんと今日一日遊んでいるとこの異世界の生活も悪くないと思えてくる。
「カケルくん?どうしたの?」
「えっと、ごめんなさい、少し考え事してました」
「ふーん、こんな可愛い娘をほっといたら罰が下るよ!なーんてね♪」
「ふふ、すいません」
「あ!カケルくん笑うところ初めて見たかも」
「え、そうですか?」
「うんうん、なんかずっと表情が硬かったよ」
「そんな顔してました?」
「してましたー!」
「なんか、ここに来てから色々あったので、そのせいかも知れないです」
「そうなんだー、また今度話聞かせてよ」
「ええ!ちょっとそれは~」
裸同然の格好で走って来たとか、恥ずかしくて話せないよ
「待ってるよー」
「んー考えときます」
「そんな顔も出来るんだから、もうちょっと気を抜いても良いと思うよ」
「ふふ、分かりました」
「もーカケルくん!言葉も砕けた話し方でね」
「う、うん、わかったよ」
「そうそう」
「ケイトさんは歳上だしまずいよね?」
「そんなことないよ、多分ケイトもそうやって話してくれるの待ってるハズだよー」
「ハズって…」
「串焼き3本かけてもいいよー」
「なんか安い」
「それなら、あ・た・し?」
「いやいやいや!何言ってんですか!」
「私じゃ嫌なのー?」
「嫌ってわけじゃ、むしろ…って!からかわないで下さい」
「ふふふー、嫌じゃないなら、今は許してあげる」
それから話したりしながら楽しい時間を過ごした、確かにチノさんの言うとおり、心の何処かで気を張って疲れてたのかもしれない、これからは程々に楽にいこう。
そして今日は装備が一式揃う日だなんだかワクワクしてしまう
それと昨日はあの後、広場からそのまま腕を組んで歩いていたら、ギルドの近くでケイトさんと出くわした。そしたらケイトさんの表情が百面相したと思ったらチノさんを物凄い勢いで拐って行って昨日はそこでお開きになったので、結局ブレスレットを渡せなかった。
今日は防具を貰いに行く日なのだけど、朝から行っても迷惑だろうから、明日の準備をするために鞄を探すことにした。昨日からの準備をしようと思ったけど、今更、旅の道具を入れる鞄を持って無いことに気が付いた。今までは武器屋で貰った皮袋があったし、日帰りで荷物も少なくて事足りてたけど、明日からは数日間の旅になるので必要になる。
ギルドの人に聞いた情報だと、町の西の方に一軒面白い店が有るらしいと紹介してもらった、詳しくは分からなかったので、町の人に道を聞きながら探していると、二階建ての建物の一階部分が店舗になっている鞄屋さんを見つける事が出来た。
看板にも町の人から聞いた《妖精の鞄》という看板も出ているからここで合っているはずだ。
ここは、看板の名前道理に妖精族の夫婦が営んでいて、入ったときに声をかけられたが何処に居るか分からずに声の主を探していると、小さな人形の置物だと思っていたものが、いきなり飛んで動き出したのでビックリしてしまった。
「初めて妖精族を見る人は結構驚かれるんですよ、なにせ私達みたいに町で暮らす妖精族は滅多に居ませんから」
と鞄屋のチッキさんとクィンさんは笑って許してくれたので良しとしよう。
因みにチッキさんが旦那で、クィンさんは妻だそうだ。小さくて見た目も似ているので分かりにくいが、良く見ると男女の区別が何とか分かった。
鞄を買いに来た事を伝えると、魔法で鞄を浮かしながら動かして幾つか紹介してくれた。
異世界の定番とも言える魔法の鞄も有るが、家一軒丸ごと入る様な者は金貨数枚と高価で、値段を聞いた瞬間に、手に持っていたそれを、そっと元の位置に戻した。
今買える中で一番良いものは銀貨3枚で買えるベルトポーチで、このサイズでも衣装ケース5個分位入る位の収納力が有るらしく、個別で識別するので剥ぎ取った素材と服を一緒に入れても服が血で汚れることは無く、重さも満杯に入れても重さは変わらないらしい。
他にも有るが、これ以上の物は製作にかかる魔力の都合で値段が跳ね上がっていくとの事で、今回はベルトポーチを買うことにした。
時間もそろそろいい頃合いだし、ルネシアの店に行くことにしよう。
「こんにちわ、カケルです」
「遅いわよ変態!何時まで待たせるつもりだったの!?」
「はぁ、変態呼ばわりは直らないんだね」
「ふっふん!少女の匂いを、あんな顔して嗅ぐんだから変態よ」
「それは、ごめんって言ってるじゃないか」
「まぁいいわ!防具でしょ、出来てるから着てみなさいよ!」
相変わらずツンツンしながらだけど、出来た防具を持ってずっと待っててくれたみたいだし、ホントは悪い子じゃ無いみたい。
防具は伸縮性ある黒い革がメインで身体全体を包んでおり、急所を守るように金属を重ね合わせてて補強されていて上下ともにしっかりした作りになっている。
ブーツも同じような作りで爪先から脛を守るように金属で補強されているのが格好いい。
見た目は少し重いのかと思ったけど、実際に着てみると普通の服より少し重い位で、一日着ていても快適にすごせそうだ。
「凄いね、格好いいし着やすいし感動したよ」
「なっ何言ってるのよ!当たり前じゃない、私が作ったんだから当然よ!」
「ありがとう」
「変態の貴方には過ぎた物だけど、魔法で加工してあるから簡単な傷は勝手に直るし、汗も押さえてくれる優れものよ!丈夫さも只の金属鎧なんかと比べないで欲しいくらいに丈夫なんだからね!」
「それは、確かに過ぎた物かもしれない」
「分かったならいいわ!精々壊さないように気を付ける事ね、、壊したら只じゃ済まさないわよ!」
「分かった、大切にするよ」
「ふーんっだ!満足したならさっさと帰りなさい!」
「はいはい」
「あ、あと、たまーになら、特別に来ることを許してあげるわ!たまーーーに、だからね!」
「分かった、また来るよ」
しかし、本当に良い物を作って貰ってしまった、これって違う店で買ったら倍以上の値段がするんじゃ無いだろうか?
他の店なんて見たこと無いけど、新しい防具からはそんな気配がプンプンしてしょうがない。
そんな疑問は、少しだけ新しい装備を慣らそうと、町から出ようとしたところで解決した、というか解決してしまってかなり驚くことになった。
「カケル!こんな時間から外に出るのか?」
「ハインツさんお疲れ様です、ええ、少し新しい装備を慣らしておこうと思って」
「ほう、こりゃ!かなり良いやつじゃねーか、何処で手に入れたんだよ」
「モルガン防具店って所です」
「聞かない名前だな」
「えっと、武器を買いに行った時にそこの店員さんに教えてもらいました」
「なるほどな、しかしこれ高かったんじゃないか?」
「大銀貨2枚でした」
「嘘だろ!?」
「ほんとですって、予算が大銀貨2枚って言ったら色々有った後に作ってもらえました」
「色々なってのは気になるが、普通にこれを買おうとしたら2倍、魔法処理したやつだと4倍位の値段はするんじゃねーか?」
「えぇーーー!」
「お前、まさかそんな事も調べずに行ったのかよ」
「まぁ」
「まぁ、、じゃねーよ、あそこに居る冒険者の装備見てみ?だいたいあれ位が普通の革鎧の装備だから」
そう言われてハインツさんが顎で示した先にいる冒険者は茶色い革鎧を着ていて、分厚く革で補強している部分も最低限で、通気性と軽さを重視しているのか致命傷にならないところは露出している。
「そう言う事だよ、革鎧で全身守れて尚且つこれだけ綺麗に見えるように金属で補強している鎧なんてな高級品なんだよ」
「わわわ!どうしましょ、勿体なくて使えないですよ」
「何言ってるんだか、折角買ったのに使わなかったら意味無いだろうが」
「そっそうですね、さっきよりも更に大事に扱います」
「そうだ、堂々と使ってりゃその内その鎧に見会う男になれるって事だ」
「おれ、頑張ります!」
疑問に思っていたことは正解だったが、まさか相場が4倍くらいの値段がするとは思わなかった。
モルガン防具店は、ルネシアは、あれで大丈夫なのか心配になってしまう。
そんな事実が判明してから、高級品過ぎて使わないなんて事はなく、実際に武器と防具を試すと。
武器の方は中古の槍と比べるまでもなく、スライムの核を軽く両断してしまった。
中古の槍の時は核の半分まで食い込めば良い方だった、新しい槍は流石と言うしかない威力を発揮してくれた。
それに魔力を通してみるとスッと馴染む感じがして、切れ味上昇の他に、試しに電属性を込めてみたら、刀身からバチバチと雷を纏う事が分かった。
そうして試してる間もずっと防具を着ていたが、ルネシアが言っていた通りにスライムの酸では全然傷付かないし、汗も余りかいた気がしない。
試しに端っこの方を槍で傷付けてみるとゆっくりとだが俺の魔力を使って修復しているのが分かった、試しにと鎧に直接魔力を使ってみると、直ぐに傷が直り、気持ち鎧が丈夫になった気がする。
こんなに良い鎧を作ってくれたルネシアには今度お礼とお土産を持っていかないと。
明日はいよいよ、ケイトさんとチノさんの三人で西の街にあるダンジョンを目指して出発だ!
読んでいただきありがとう‼
ー装備更新ー
魔法合金のブレードスピアー
ナイトウルフの魔法鎧
ナイトウルフのズボン
ナイトウルフのブーツ
収納のベルトポーチ
ー情報更新ー
妖精の鞄:チッキとクィンの妖精族の夫婦が経営している鞄屋、若気のいたりでチッキが妖精の集落を飛び出して行ったのを幼馴染みのクィンが追いかけた、それから様々な事があったが、クィンが元々得意だった鞄作りを商売にして売り歩いて生活をしているうちに、評判になり店を持つに至った。




