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『終焉を告げる常闇の歌』  作者: Yassie
第13章 荒れ狂う東京
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第358話 知らない記憶からの


 10:22


美羽(みう)は?」


「うん、ようやく()()いたからか()た」


「そっか……」


 イリスに(たの)み、美羽(みう)部屋(へや)()れてってもらって(しばら)様子(ようす)()てもらえるように(たの)んだけど、その美羽(みう)()(こと)でイリスが(もど)ってきた。


「イリス……、やっぱ美羽(みう)()記憶(きおく)(なに)かで様子(ようす)がおかしくなったと(おも)うか?」


「いや……、あの様子(ようす)だとなんか(ちが)()がする」


「と()うと?」


(たし)かに()記憶(きおく)錯乱(さくらん)しそうになっちまうけど……、美羽(みう)(ねえ)場合(ばあい)はそれよりなんか……、もっこう……、根本的(こんぽんてき)根深(ねぶか)いところで影響(えいきょう)()けてると()うか……」


「そっか……」


 流石(さすが)のイリスでも原因(げんいん)()らなきゃ対処(たいしょ)のしようが()いな。


「でもあのミル(ねえ)がねぇ……」


「ん? ミルクがどうした?」


「ん? ……だって、ミル(ねえ)ってさ、元々(もともと)アンタと()()()()()()のに、よく挨拶(あいさつ)もしないで(かえ)ったなと(おも)って……」


 …………は? (おれ)とミルクが……、()()ってた?


 それを()いて()ぐ、()らない記憶(きおく)(なが)れる。


 は? ……は? なんだよこの記憶(きおく)……。


 (あたま)混乱(こんら)し、(なに)がなんだか(わけ)()からない。


「……ほら、……(わたし)はさ、そんなミル(ねえ)憲明(のりあき)(わか)れたのを()いことにさ、(うば)うような(かん)じで(いま)()()ってるから正直(しょうじき)、……(もう)(わけ)()くてさ」


 な、なに、なに()ってんだ? 告白(こくはく)したのって……(おれ)からだろ? なのに……、なんだ? え? は? どうして……ミルクと()()ってたって記憶(きおく)があるんだ? おかしい……、おかしいぞ? ん? (おれ)が……()こうに……()けないからって(わか)れ、そこへイリスがカズを裏切(うらぎ)って? (おれ)告白(こくはく)……して……()て……。


 ()(おぼ)えの()記憶(きおく)でどんどん混乱(こんら)していたけど、美羽(みう)(おな)じような(こと)があったから(おれ)はようやくアイツの気持(きも)ちを理解(りかい)する(こと)出来(でき)た。


 なるほど……、……こりゃ流石(さすが)に、様子(ようす)がおかしくなっちまう……よな…………。


憲明(のりあき)?! どうした?! だい! 大丈夫(だいじょうぶ)! なのか?!」


「だ……、大丈夫(だいじょうぶ)、……だ、とは……、()え……な……いな……」


「え~~! どうしよう! どうしよどうしよ!」


 ……(おれ)心配(しんぱい)して(あわ)てる姿(すがた)可愛(かわい)いなんて、それを(くち)()したらきっと(おこ)られるから()えない。


「あぁ……、でもなんか、納得(なっとく)した……」


「な、なにが?」


(おれ)、ミルクよりもお(まえ)大好(だいす)きって(こと)


 するとイリスの(かお)一瞬(いっしゅん)(あか)()まる。


 やっぱ()き、可愛(かわい)い。


 だって(おれ)記憶(きおく)があるけどミルクと()()ってたって実感(じっかん)がねえんだもん。

 (おれ)(はじ)めての彼女(かのじょ)はイリスであり、(はじ)めてを(ささ)げたのもイリス。

 だから、イリスが一番(いちばん)可愛(かわい)いって自信(じしん)()って()える。

 異論(いろん)(みと)めません!


「ば、ばか……」


 くっフッ! 可愛(かわい)すぎて(かる)()ねる!


 ()ずかしそうにしつつ、(うれ)しがるイリスは間違(まちが)いなく世界一(せかいいち)です。


「わ、(わたし)(だい)(だい)、……大好(だいす)き」


 キルュンとした(かお)()きつくイリスに鼻血(はなぢ)()()しそうになりつつ、なんとか(こら)える(おれ)って(えら)くね?

 とりまイリスの(かお)()てるだけでご(はん)大盛(おおも)五杯(ごはい)はいける。


「はいはいご馳走(ちそう)さまです。だから邪魔(じゃま)なのでどっか()ってもらえます?」


「「…………」」


 岩美(いわみ)邪魔者(じゃまもの)(あつか)いされ、俺達(おれたち)2()(ぎゃく)()ずかしくなって身動(みうご)きできない……。

 でもこれで美羽(みう)(かん)じた(なぞ)がほんの(すこ)しだけど(おれ)でも()り、この現象(げんしょう)がなんなのか(わか)らないために()()せない。

 同時(どうじ)恐怖(きょうふ)(かん)じた。


 何時(いつ)からだ……、何時(いつ)からこんなふざけた(こと)()こり(はじ)めてたんだ……。


「ん? そんな(こわ)(かお)してどうしたんだ?」


「あっ、……ごめん、なんでもない」


 ……でもやっぱ()わなきゃ駄目(だめ)だよな。


 心配(しんぱい)そうな()(おれ)()つめるイリスに、(おれ)(あたま)()()せて心配(しんぱい)()いよと()い、(やさ)しく()でた。


「へへへっ」


 ……(たし)かな(こと)(おれ)がミルクとも()()っていたって()事実(じじつ)がある記憶(きおく)

 でもそれは(けっ)してあり()ないって感情(かんじょう)()()つ。


 ()らない(うち)にこんな()たいの()れない記憶(きおく)()()られていると()うなら大問題(だいもんだい)()ぎるぞ……。


 でもそれが何時(いつ)から(はじ)まっていたのか()らない。


 ヤバい、どうする……。やっぱ()ったほうが()いんだよな? だけどそれで(へん)(おも)われたらどうする……。

 それにこの(はなし)をして(へん)にイリスを(きず)つけ、(わか)れたけど(もと)カノのミルクの(こと)(きず)つけるかもしれないって(おも)うと()()せねえ!


 この(とき)(おれ)思考回路(しこうかいろ)(すで)にまともじゃないって()づけないでいた。

 それでも()(けっ)して()りあえずイリスと(はな)れ。(いま)(なに)があったのかを(はな)そうと()め。


(みんな)、ちょっと()いか?」


「どした?」


(じつ)(いま)美羽(みう)()ってたような感覚(かんかく)(かん)じた」


 詳細(しょうさい)(はぶ)き、とにかく()(おぼ)えの()記憶(きおく)侵食(しんしょく)されていると(はな)すと、それは(おれ)やイリスだけじゃなく、何人(なんにん)かが(おな)感覚(かんかく)があって気持(きも)(わる)(こと)があったと(はな)す。


記憶(きおく)変換(へんかん)なのかなんなのか()らねえけど、これってかなりヤバいんじゃねえか?」


「ヤバいとかそんな()っていられるレベルじゃねえよ、危険(きけん)()ぎだ」


 (いま)のところ(おな)経験(けいけん)があった(やつ)は、一樹(かずき)、ヤッさん、岩美(いわみ)、この3(にん)


「なにかしらの魔法(まほう)でしょうか?」


「だとしたら相当(そうとう)ヤバい(やつ)だって(こと)だぞ」


「しかもそれを実行(じっこう)可能(かのう)にする(こと)出来(でき)るってなると」


「…………カズしかいねえよな」


 "変換(へんかん)"の(ちから)記憶(きおく)改変(かいへん)をし、俺達(おれたち)全員(ぜんいん)混乱(こんらん)させる()でいるならマズい。

 下手(へた)すりゃ内部(ないぶ)分裂(ぶんれつ)()()こすかもしれねえんだからな。


「とりあえず、それぞれの記憶(きおく)()らし()わせないか?」


「うん、それが()いね」


 マズい……、(おれ)としては非常(ひじょう)にヤバいんですが……。


(おれ)(なが)れてきたと()うか、いつの()にかあった記憶(きおく)だと、(おれ)刹那(せつな)告白(こくはく)して見事(みごと)なまでにフラれて撃沈(げきちん)した記憶(きおく)があるんだが……その……、その記憶(きおく)ってお(まえ)にはあるか?」


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい無理(むり)ですごめんなさいごめんなさいごめんなさい」


 真顔(まがお)()うかなんと()うか、ナッチの連呼(れんこ)一樹(かずき)呆然(ぼうぜん)とへたり()む。


「だ、だって、(わたし)刹那(せつな)に、そんな、告白(こくはく)された記憶(きおく)ありませんし」


 なん……だと?!


一樹(かずき)!」

()()って(くだ)さい!」

「ごめんなさい!」


 ばかな!


 俺達(おれたち)3(にん)(こえ)同時(どうじ)(かさ)なりつつ、一樹(かずき)撃沈(げきちん)する。


 くっ……、どんまい……。


「だって! 先輩(せんぱい)()()()()()()()()()()()()()()()()()()!」


 (たし)かに! ナッチは二重人格(にじゅうじんかく)だからセッチの人格(じんかく)だっている!

 両方(りょうほう)(こた)えればそれはそれで(きら)われるリスクが(たか)くなり! 優柔不断(ゆうじゅうふだん)だと(ののし)られる!

 しかし! どちらか一方(いっぽう)(えら)んだとしてもう一方(いっぽう)(かな)しむ!

 くっ! なんて(むずか)しい選択(せんたく)なんだ!


(おれ)は……」


 (おれ)は?!


「うっ……く」


 どうするつもりだ一樹(かずき)?!


(おれ)……は」


 ここで(きら)われる覚悟(かくご)(おとこ)になるのか?! それとも優柔不断(ゆうじゅうふだん)になるつもりか?!


(おれ)は……、(おれ)は2()(こと)()きだ!」


 ()いやがった! 優柔不断(ゆうじゅうふだん)(えら)びやがったよコイツ!


「え、最低(さいてい)ですね、先輩(せんぱい)


「カハッ!」


一樹(かずき)~!」


 (よこ)から岩美(いわみ)による無情(むじょう)一言(ひとこと)一樹(かずき)生気(せいき)(うしな)ったみてえに(しろ)くなる。


 くっ! でもお(まえ)(おとこ)だぜ!


「その……、(わたし)(べつ)()いんですが、刹那(せつな)にも()いてみないと()()うかどうかはまだ、ちゃんと返事(へんじ)()せないと()いますか……」


 はっ! セッチ次第(しだい)だと?!

 こりゃいけるんじゃねえのか?! 一樹(かずき)


 ナッチの言葉(ことば)生気(せいき)()(もど)し。


「んじゃ、刹那(せつな)にも()いてくれないか? その、(おれ)(たし)かに優柔不断(ゆうじゅうふだん)だけど、どちらか一方(いっぽう)だけを()きになったんじゃなく、お(まえ)ら2()(こと)(たし)かに()きなんだ。なんか(へん)記憶(きおく)になってるけど、これを()に2()(おれ)はちゃんと()()いたい! それに(おれ)が2()(まも)りたい! (まも)らせてほしい!」


 お~! こりゃなんだか()(かん)じの告白(こくはく)になったんじゃねえの?!


 するとナッチは(かお)(あか)くさせながらセッチに()いてみると()って()(つむ)る。


 どっちだ? どっちなんだ?! (こた)えは?!


 スッとナッチが()()け、(つぎ)右目(みぎめ)眼帯(がんたい)(はず)し、人格(じんかく)をセッチに(わた)す。


優柔不断(ゆうじゅうふだん)、ですね」


「ぐっ……はっ!」


 そして一樹(かずき)はまた(たお)れた。


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