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『終焉を告げる常闇の歌』  作者: Yassie
第13章 荒れ狂う東京
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第357話 揃うピース


 とても(なが)(よる)()わり、俺達(おれたち)夜城(やしろ)(てい)へと(もど)った。

 そのまま()ようかと(おも)ったけど、俺達(おれたち)親父(おやじ)さんやナッチに()ばれると(おも)い、自然(しぜん)(みんな)(あつ)まって待機(たいき)していると。


「……()きているなら()んでくれるかと組長(くみちょう)(たの)まれたが、やはり(みな)()きていたんだな」


 そう()って犬神(いぬがみ)さんが()た。


 7:00



 ーー 夜城(やしろ)(てい) (だい)水槽(すいそう)(まえ)ホール ーー



 俺達(おれたち)勿論(もちろん)(だい)水槽(すいそう)(まえ)ホールで待機(たいき)していた。

 そこへ親父(おやじ)さんとナッチが()て、とある真実(しんじつ)の1つを()る。

 ナッチもまた()まれ()わり。しかもただの()まれ()わりなんかじゃない。

 ナッチは元々(もともと)"星獣(せいじゅう)"と()ばれる()わば怪獣(かいじゅう)()()()。そして、アズラエルの(たましい)と、……以前(いぜん)(はなし)途中(とちゅう)()わってしまっていた、ナタリーの(たましい)()っていた。

 どんだけ()まれ()わってんだって(はなし)だけど、そうじゃなくて3つの(たましい)を1つの身体(からだ)宿(やど)していたって(こと)がどうやら正解(せいかい)らしい。

 つまり、"星獣(せいじゅう)・オオワタツミ"の(たましい)とナタリーの(たましい)が1つになり、そこへアズラエルの(たましい)欠片(かけら)一緒(いっしょ)になってしまった。

 だから沙耶(さや)()まれ()わっても記憶(きおく)(うしな)ったまま生活(せいかつ)し、アルガドゥクスの()まれ()わりであるカズと再会(さいかい)した(こと)(むかし)記憶(きおく)(よみがえ)(はじ)めてしまった。

 でも完全(かんぜん)じゃない。アズラエルの(たましい)欠片(かけら)がナッチの身体(からだ)にあるため、沙耶(さや)記憶(きおく)()(もど)しても不完全(ふかんぜん)

 つまり沙耶(さや)ならどうにか(おさ)える(こと)出来(でき)るって(こと)だ。


(いま)さら()うのも(おそ)いが安心(あんしん)するな。アズラエルの(ちから)()うより、アイツが()(もど)しちまった"サマエル"に問題(もんだい)がある」


「"サマエル"に?」


「"(しに)(がま)・サマエル"。アレは元々(もともと)、アイツの()()()()()()()()()()()だ」


 は? (にい)ちゃんの亡骸(なきがら)で?


 そこで(おれ)はダージュの(なか)から()記憶(きおく)をよく(おも)()そうとするけどなかなか()てこない。


 クソッ、記憶(きおく)(うす)れちまったかよ。


(あに)サマエルは"(とき)"を(あやつ)れた」


 "(とき)"って(こと)時間(じかん)って(こと)か?


「サマエルが"(とき)"を(あやつ)り、(いもうと)のアズラエルはそれを"制御(せいぎょ)"の(ちから)でより強力(きょうりょく)な"(とき)"を(あやつ)る」


「……まさか」


「そのまさかだ。(たと)()んだとしても、アルガドゥクスは"死霊術(ネクロマンサー)"の(ちから)(たましい)()()こし、アズラエルに(のろ)われた武器(ぶき)として(あら)たな姿(すがた)として()まれ()わった"サマエル"を(かえ)した」


 "(とき)"と"制御(せいぎょ)"が(そろ)うって(こと)は……。


(やつ)らはその(とき)()れば(とき)(もど)してやり(なお)(はじ)めるぞ。そうなったらお手上(てあ)げだ。いくらでもやり(なお)出来(でき)るんだからな」


「でもこっちにはその(たましい)欠片(かけら)があるから不完全(ふかんぜん)のままなんじゃ?!」


親玉(おやだま)はあの和也(かずや)だぞ? 相手(あいて)相手(あいて)だ、(なに)かしらの()をうってくるって(かんが)える(ほう)(ただ)しいだろ」


 た、(たし)かに……。


想像(そうぞう)してみろ。……そうなっちまえば(すべ)ての世界(せかい)(しん)地獄(じごく)()()とされるぞ」


「ヤバい」


 だからこそ、"サマエル"は厳重(げんじゅう)封印(ふういん)されていたんだって理解(りかい)した。

 ()こうにとっては最高(さいこう)のピースが(そろ)い、こっちは最悪(さいあく)状況(じょうきょう)()たされている。

 でもそれなら、どうして親父(おやじ)さんはカズを()めようと(うご)かなかったのか不思議(ふしぎ)(かん)じつつナッチを()た。


 ……なるほど、ナッチはその(ため)()(ふだ)になるんだな?


「そして七海(ななみ)はそんな特異(とくい)存在(そんざい)として()まれ、和也(かずや)暗殺(あんさつ)しようとしていた組織(そしき)(そだ)てられた」


 だから暗殺(あんさつ)スキルを()っていたりするのか。


「しかしだ、和也(かずや)()めてかかった(ため)組織(そしき)(つぶ)され、狂犬(きょうけん)じみていたコイツは(きば)()かれた(あと)(いもうと)として(むか)()れられた。その(あと)(こと)はお前達(まえたち)()ってる(とお)りだ。本当(ほんとう)ならアイツに(あま)えたかったろうが、コイツは一度(いちど)(ころ)そうとした(やつ)(あま)えるわけにはいけねえって(こと)(あま)えられなかった。ほんっと、馬鹿(ばか)(むすめ)だよオメエはよ」


「うぅ……」


和也(かずや)()こうへ()ってショックなのは()かるが、(なに)もまた"星獣(せいじゅう)"にならなくたって()いだろ」


 ……んまぁ、(たし)かに、そりゃそうだ。


()められなかったのはなにもお(まえ)責任(せきにん)じゃねえんだ。(まえ)()け、(いま)のお(まえ)にはコイツらがいる。ましてやお(まえ)(よこ)にいるのは(だれ)だ? お(まえ)親父(おやじ)だろ、だったらもっと(たよ)れ」


「は……い゛……」


()(むし)が。()()にやることあんだろ」


「う゛っ……、心配(し゛んは゛い゛)……させて……ごめ゛ん゛な゛さ゛い゛ぃ゛~!」


 結局(けっきょく)()いちまったし。


 でもそれがナッチらしくってホッとする。


一番(いちばん)心配(しんぱい)してたのは一樹(かずき)、お(まえ)だろ。和也(かずや)にも()われたんだ、コイツの(こと)(おれ)からも(たの)むな」


「うっす……、まぁ、()われなくても(おれ)(ささ)えますよ」


 そういやもしかして……、一樹(かずき)ってナッチやセッチの(こと)()きなのかな?


 それを確認(かくにん)するのも野暮(やぼ)だし、それについては(だれ)(なに)()わない。

 ただ1()、カズと()()ってた記憶(きおく)封印(ふういん)された美羽(みう)がやっぱりようすがおかしかった。


「ばっかみたい」


「おい美羽(みう)


「なに? なんか文句(もんく)ある?」


「あるに()まってんだろ、なんなんだよお(まえ)マジで、(ゆう)べから様子(ようす)(へん)だぞ」


 それは(おれ)だけじゃなく、全員(ぜんいん)(おも)っていた。


「は? なによこの空気(くうき)。どうせ(わたし)邪魔者(じゃまもの)だしそろそろ()()くわよ。それで()いでしょ?」


()いわけねえだろ、それともなにか? (おれ)喧嘩(けんか)()ってんのか? あ?」


「は? ……はっ、ノリちゃんが(わたし)()てる(わけ)でもないし、(わたし)より(よわ)いのにわざわざ喧嘩(けんか)なんて()りませんけど? 自意識過剰(じいしきかじょう)なんじゃないの? だから馬鹿(ばか)って()われるのよ」


「おい……、いい加減(かげん)にしろよ?」


 美羽(みう)態度(たいど)(わる)さにキレそうになって(むな)ぐらを(つか)もうと()()ばそうとすると。


「それはテメェだろ美羽(みう)


 (おれ)よりも(さき)親父(おやじ)さんがビンタして(おこ)(はじ)めた。


憲明(のりあき)(わる)云々(うんぬん)じゃねえんだよ。え? 憲明(のりあき)(ゆう)べからお(まえ)のその横柄(おうへい)態度(たいど)(おも)うところがあるから()ってんだろ。それとも(なに)か? テメェより(よわ)(やつ)意見(いけん)()かねえってか? あ? んじゃ(おれ)がテメェをこれからブチのめすぞ? お? ()いのかそれで? ()いんだな?」


「……ちっ」


「おい、(いま)舌打(したう)ちしたな? って(こと)はこの(おれ)喧嘩(けんか)してえって(こと)だな? ん? そうなんだな? (わる)いが一発(いっぱつ)()わらせてもらうぞ?」


 (むな)ぐらを(つか)み、これでもかって()わんばかりのドスの()いた口調(くちょう)、そしてその(にら)みに流石(さすが)美羽(みう)でも()(あせ)(なが)して()()らし、()(だま)る。


(ひと)見下(みくだ)すような(やつ)はな、いつか(いた)()をみなきゃ()からねえし成長(せいちょう)なんざ出来(でき)ねえんだよ。()からなきゃクズだ。テメェはそんな(やつ)()()がるんじゃねぇ。()かったか?」


「……はい、ごめんなさい」


()かりゃあ()いんだ()かりゃあ。だがこれだけは(おぼ)えておけ? その()になりゃ(たと)えお(まえ)でも(おれ)容赦(ようしゃ)()(たた)きのめす(こと)出来(でき)るからな?」


「……はい……」


(こえ)がちいせえなあ」


「はーいッ! (ひと)見下(みくだ)した態度(たいど)をしてすいませんでした! ごめんなさい!」


 それでもなんだか反省(はんせい)したか(あや)しいけどな。


「んで? お(まえ)のその態度(たいど)(きゅう)におかしくなったのは(なに)理由(りゆう)があんのか? あ? ()ってみろ」


 親父(おやじ)さんに()かれた美羽(みう)はまだ()()らしたまま(だま)っていたけど、至近距離(しきんきょり)からおもいっきり(にら)まれてるってのもあるからか、ようやく観念(かんねん)して(おも)(くち)(ひら)いた。

 そこで()かされた(こと)はどうも不思議(ふしぎ)で、なんでだ? って(かんが)えちまう内容(ないよう)だ。

 記憶(きおく)()(はず)記憶(きおく)があり、何故(なぜ)()らねえけどそれを身体(からだ)(おぼ)えているし、()実行(じっこう)出来(でき)る。

 つまり、あのカズと(おな)魔法(まほう)(たたか)いかたを、ある程度(ていど)出来(でき)るって(はなし)だ。


「"紅蓮華(ぐれんげ)"は勿論(もちろん)"瞬炎(しゅんえん)"。あのカズがよく使(つか)ってた能力(のうりょく)(わざ)、それらをどうしてか使(つか)えるって記憶(きおく)があるんです」


「……八岐大蛇(ヤマタノオロチ)融合(ゆうごう)したからって(こと)は?」


「いやそれは(ちが)うと(おも)う……。"瞬炎(しゅんえん)"なんて(まえ)まで使(つか)えなかったのになんだか使(つか)えるって記憶(きおく)があるし。それにまだ()らない記憶(きおく)(ほか)にも(なが)れてくるの」


 すると(すこ)しずつ美羽(みう)顔色(かおいろ)(わる)くなり、身体(からだ)(ふる)わせ(はじ)めると(おび)(はじ)め、状況(じょうきょう)最悪(さいあく)(ほう)へと(かたむ)(はじ)めた。


()らない……、こんなの()らない……! (わたし)、そんなとこへ()った(おぼ)えないよ……! カズ! (たす)けてカズ! カズッ!」


 正直(しょうじき)()ってこれは異常(いじょう)事態(じたい)だ。


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