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第10話『白羽と問い』

 冒険者養成所《第3星腕リュミナリア学園》――屋外訓練所。

 

 踏み固められた土の広場では、今日もあちこちで木剣の打ち合う音や詠唱の声が飛び交っていた。

 

 その一角、初心者組が集められた区画で、ティプスタンは訓練用の木製の短剣と小盾を構えていた。

 

 向かい合うのは、白髪の老人だった。

 

 短く整えられた白髪。


 広い額。


 目尻に深く刻まれた皺。


 横に広がる白い口ひげと、先細りに整えられた顎ひげ。


 濃紺の着物風の上着に黒い首巻き、右肩には革の軽鎧。

 

 穏やかな風貌なのに、立ち姿だけで風格を感じる。

 

「ほれ、もう一度じゃよ」

 

 《(すめらぎ)流短剣盾術》師範のスメラギ・ソウイチロウは、ゆるやかに木製の短剣を構えた。

 

「正面から受け止めようとせんでよい。盾は“壁”ではなく、“流れ”を作るものじゃ」

 

「は、はいっ」

 

 ティプスタンは息を呑み、ソウイチロウの動きを見る。

 

 短剣が打ち込まれる。

 

 とらえられないほどではない。

 

 ティプスタンは教わった通り、タイミングをはかり、盾をほんの少し斜めに傾ける。

 

 ガリッ、と擦れるような音が鳴る。

 

 真正面から受け止めるのではなく、滑らせるように逸らす。

 

 衝撃が腕を抜け、短剣は横へ流れた。

 

「うむ」

 

 ソウイチロウが、わずかに目を細めた。

 

「今のは悪くないのう。君は受け流しが上手い」

 

「え、あ……」

 

 不意に褒められ、ティプスタンは頬を赤くした。

 

「そ、そうですか?」

 

「うむ。力で止めようとしておらん。無意識に“逃がす”ことを選んどる。短剣盾術では大事な感覚じゃよ」

 

 そう言って、ソウイチロウは懐から一本の羽根を取り出した。

 

 白い羽根だった。

 

「ほれ」

 

 ちょん、と軽く、ティプスタンの胸元へ刺す。

 

「……?」

 

 ティプスタンは首を傾げた。

 

 何か意味があるのだろうか。

 

 だがソウイチロウはそれ以上何も言わず、次の生徒へ指導に向かった。

 

 少し離れた場所では、補佐役らしい黒髪の少年が経験者組の指導にあたっていた。

 

 年齢はティプスタンと同じくらいに見える。

 

 もちろん、身体年齢のことだが。

 

 スメラギ・イッサ。

 

 ソウイチロウの孫であり、特別選抜科のエリート――と、さっき誰かが話していた。


 


 

  一通り初心者組への基本指導が終わると、ソウイチロウは生徒たちを半円状に集めた。

 

 ティプスタンもその中へ混ざる。

 

 胸元の白い羽根が、妙に気になった。

 

 白ではなく、黒い羽根を付けられた生徒も、ちらほらいる。

 

「さて」

 

 ソウイチロウは小さく咳払いをした。

 

「同じ武器、同じ流派でも、戦い方はひとつではないんじゃよ」

 

 生徒たちが顔を上げる。

 

「魔力系統によって、同じ短剣盾術でも中身が変わる。近接武術においては、主に二つ――制御系と循環系に大別されるのう」

 

 ティプスタンは自然と背筋を伸ばした。

 

 魔力系統。

 

 自分には縁のない話かもしれない。

 

 けれど、いつか何かの役に立つかもしれない――そんな気持ちで、彼は真剣に耳を傾けた。

 

「百聞は一見にしかずじゃな。イッサ、こっちへ来てくれんかの」

 

「はい、祖父様」

 

 少し離れたところにいたイッサが、すっと歩いてくる。

 

 その声音は淡々としていたが、どこかよく通った。

 

「わしは循環系。イッサは制御系じゃ」

 

 そう言って二人は、訓練棚から青銅製の短剣と小盾を持ち出した。

 

 どちらも訓練用だが、柄や留め具の一部には小さな魔石が埋め込まれている。

 

 魔導具であることが一目でわかる。

 

 ソウイチロウは盾を構えた。

 

 次の瞬間、盾の魔石が光り、紫色の光が盾に走った。

 

 紫色のオーラが、盾を持つ腕に沿って、身体全体にじわりと宿る。

 

 ソウイチロウの身体が魔力の膜に覆われる。

 

 ガミとポット・ポークンが訓練で見せたものと似ていた。

 

「まずは循環系の使い方じゃな。わしは魔力を“身体に纏う”」

 

 続いてイッサが短剣を構えた。

 

「――開門せよ。鬼影門(きえいもん)

 

 詠唱。

 

 その声と共に、短剣の魔石が光り、紫色の光が短剣に走る。

 

 そこまではソウイチロウと同じだった。

 

 しかし、今度は紫色のオーラが短剣にまとわりついた。

 

「イッサは制御系。“装備に纏う”」

 

 ソウイチロウがイッサに目で合図した。

 

 頷いたイッサが踏み込む。

 

 視界が揺れた次の瞬間には、すでに間合いを詰めていた。

 

 オーラを纏った短剣がソウイチロウの盾へ叩き込まれる。

 

 ――ガァンッ!!

 

 凄まじい衝撃音が響いた。

 

「うわっ!?」

 

 生徒の声が漏れる。

 

 ソウイチロウの体が、わずかに後ろへ滑った。

 

 土が削れる。

 

 そして――盾の表面が、ぐしゃりと凹んでいた。

 

 だが、ソウイチロウ本人は、平然としている。

 

 次は逆だった。

 

 イッサが盾を構え、ソウイチロウが短剣を構える。

 

 今度はソウイチロウが短剣の魔石を起動させ、短剣から身体全体に魔力を流す。

 

 対するイッサは、また静かに詠唱した。

 

「――開門せよ。鬼影門(きえいもん)

 

 今度は盾にオーラが宿る。

 

 イッサの円盾が、ぴんと空気を張りつめさせた。

 

「いくぞい」

 

 ソウイチロウが踏み込む。

 

 鋭く、しかし、しなやかに。

 

 短剣が盾を打つ。

 

 ――ドォンッ!!

 

 重く鈍い音が響く。

 

 次の瞬間、イッサの体が大きく後ろへ吹っ飛んだ。

 

「えっ!?」

 

 何人かの生徒が声を上げる。

 

 だが、イッサは空中でくるりと身をひねり、ひらりと着地した。

 

 砂埃が舞う。

 

 その手の盾は凹んでいない。

 

 代わりに――ソウイチロウの短剣の方が、半ばからぽっきり折れていた。

 

「……ほれ、こうなる」

 

 ソウイチロウは折れた短剣を軽く掲げた。

 

「互いに使った魔力の出力量は、そう変わらん。違いは、“身体に纏ったか” “装備に纏ったか” じゃ」

 

 生徒たちが息を呑む。

 

「無論、これは考えなしに装備を扱った場合の例じゃよ。循環系であるワシは、身体に魔力を巡らせとるぶん、衝撃が体へ逃げる。じゃから、見ての通り、ワシ自身へのダメージはほとんどない」

 

 折れた短剣を見下ろし、肩をすくめる。

 

「ただし、装備には負担がゆく。壊れやすい」

 

 次にイッサへ視線を向けた。

 

「対して制御系は、装備そのものを強化しとる。ゆえに、装備は壊れにくい」

 

 イッサは無表情のまま盾を少し持ち上げる。

 

 表面には、わずかに傷が走っているが、確かに壊れてはいない。

 

「ただし、そのぶん衝撃を完全には殺しきれん。身体に走る。じゃから、今みたいに吹っ飛ぶこともあるわけじゃな」

 

 ティプスタンは、目の前の違いをじっと見つめた。

 

 同じ短剣と盾。

 

 同じくらいの魔力。

 

 ――それでも、結果はまるで違っていた。

 

「本人は何事もなかった顔しとるが、やせ我慢しとるだけじゃ」

 

 ソウイチロウが小声で言う。

 

 すると、少し離れた位置に着地していたイッサが、ぴくりと眉を動かした。

 

「聴こえておりますよ。祖父様」

 

「冗談じゃ、冗談」

 

 ソウイチロウはからからと笑った。

 

 だがイッサは表情をほとんど変えない。

 

 その様子に、生徒達からくすりと小さな笑いが漏れた。

 

「身体へのダメージ量自体は、さほど変わらんのう」

 

 ソウイチロウは続ける。

 

「ただ、装備に魔力を宿したイッサの剣と盾は、ざっくり言えば“二つほど上の格”になったようなものじゃ」

 

「二つ上……?」

 

 生徒のひとりが呟く。

 

「例えばじゃ。青銅製、鉄製、鋼鉄製という装備ランクがあったとする。今のイッサは、青銅の剣と盾を持ちながら、鋼鉄製の剣と盾を使っとるようなもんじゃな」

 

「おお……」

 

 あちこちから感嘆が漏れる。

 

「同じ武器、同じ流派でも、系統が違えば戦い方も変わる。さっき見せたのは、その一例じゃよ」

 

 その言葉に、ティプスタンはふと、自分の中でひとつの考えが形になるのを感じた。

 

 ――やっぱり、循環系がいい。

 

 ポット・ポークンの、あの圧倒的な耐久力を見た時からそう思った。

 

 とっさに仲間を守るなら、きっと循環系の方が向いている。

 

 自分が前へ出て、誰かをかばうなら。

 

 そういうスタイルが、たぶん自分の理想だ。

 

 ……まあ、魔力ゼロの自分が考えても仕方ないことなんだけど。

 

 そう思うと、少しだけ胸が苦くなった。


 


 

「先生!」

 

 初心者組のひとりが手を挙げた。

 

「自分がどの系統か分からない場合は、どうすればいいんですか?」

 

「うむ」

 

 ソウイチロウは顎ひげを撫でた。

 

「『一概には分からん』が答えじゃな」

 

 ざわっ、と生徒たちが小さく顔を見合わせる。

 

「料理好きだからといって、料理人に向いているとは限らん。逆に、最初は興味が薄くても、やってみたら天職ということもある。そもそも、ここにおる者が皆、冒険者に向いとるかどうか――そんなもん、ワシにも分からんよ」

 

 その言葉には、妙な重みがあった。

 

「ただし」

 

 ソウイチロウはにこりと笑う。

 

「短剣盾術に限って言えば、制御系と循環系が向いているのは確かじゃ」

 

 そこで、彼は生徒たちの胸元へ目をやった。

 

「先ほど、初心者組の指導をした際、わしなりに向いておると思う系統を選んでおいた」

 

 生徒達が、自分の胸元を見下ろす。

 

 ティプスタンも同じように白い羽根を見る。

 

「黒い羽根を刺した者は制御系。白い羽根を刺した者は循環系」

 

 ソウイチロウは肩をすくめた。

 

「ま。あくまで、わしの独断と偏見じゃがな」

 

 その場に小さな笑いが起きた。

 

 ティプスタンは、自分の胸元をもう一度見る。

 

 白い羽根。

 

 循環系。

 

(僕……循環系って、評価されたんだ)

 

 ほんの少し、胸が温かくなった。

 

 認められたような気がしたのだ。

 

 けれど、その喜びは長くは続かなかった。

 

「では、ここからは系統ごとに、教える内容を少し変えるぞい」

 

 ソウイチロウの言葉に、ティプスタンの心臓がどくりと鳴った。

 

「制御系向きの短剣盾術。循環系向きの短剣盾術。それぞれある。各自、自分の向いている系統を忘れんようにな」

 

 ――モブロンが言っていたことを、思い出す。

 

 魔力ゼロ。

 

 全ての適性なし。

 

 どの系統も目指せない。

 

 その現実が、また足元を冷たくした。

 

 気づけば、ティプスタンは口を開いていた。

 

「先生……」

 

「ん?」

 

「どちらでもない場合は……どうすればいいんですか?」

 

 場の空気が静まり返った。

 

 生徒たちの視線が、一斉にティプスタンへ集まる。

 

 ソウイチロウは、きょとんとした顔をした。

 

「はて? 君は生成系か構築系じゃったかのう?」

 

「い、いえ、そうじゃなくて……」

 

「もしや、万能系かの?」

 

 その横で、イッサがちらりとティプスタンを見た。

 

 鋭い視線。

 

 ティプスタンは唇を湿らせてから、言った。

 

「魔力がないと……短剣盾術は、できませんか?」

 

「…………」

 

 沈黙。

 

 それは数秒のはずなのに、ティプスタンにはやけに長く感じられた。

 

 その時、生徒のひとりが声を上げた。

 

「あっ! こいつ知ってるわ。魔力測定で魔力ゼロだったヤツだ」

 

 ざわっ、と場が揺れる。

 

「魔力ゼロ?」

 

「マジかよ……」

 

「そんなやついるのか?」

 

 生徒達から、奇異の目が向けられた。

 

「おしずかに」

 

 鋭い声が空気を切った。

 

 イッサだった。

 

 その一声で、ざわめきがぴたりと静まる。

 

 ソウイチロウは「ふぅ〜む」と低く唸り、髭を撫でた。

 

「ティプスタン君……じゃったかのう?」

 

「は、はい」

 

「ちょっと、そこで話でもしようかね」

 

 そう言って、訓練所の片隅にある休憩スペースを指差す。

 

「イッサ、ここは頼めるかの」

 

「承知しました」

 

 イッサは短く答え、生徒達の方へ向き直った。

 

 ソウイチロウは、ティプスタンへ穏やかに手を向ける。

 

「ほれ、行こう」

 

 その声音は、叱るものでも、突き放すものでもなかった。


 


 

  訓練所の片隅、屋根付きの休憩スペース。

 

 長椅子に腰を下ろしたソウイチロウは、ティプスタンを見て、まず、頭をかいた。

 

「……すまんかったのう」

 

「え?」

 

 思わずティプスタンは目を見開いた。

 

「指導生活が長いと、型にはまりすぎていかん」

 

 ソウイチロウは苦笑する。

 

「てっきり皆、“同じ前提”で考えてしもうた」

 

 ティプスタンは驚いていた。

 

 てっきり、またモブロンの時みたいに、呆れられると思っていたからだ。

 

 蔑まれると思っていたからだ。

 

「武術とは、補うためのものじゃということを、放念しとったわい」

 

 その言葉は、ゆっくりと胸に沁みた。

 

 補うためのもの。

 

 足りないものを埋めるためのもの。

 

 それが武術。

 

「お主が、魔力がないと自覚しとることは分かった」

 

 ソウイチロウは続ける。

 

「なぜ冒険者になったのか、ワシは知らん。聞くつもりもない。それは、お主自身の事情じゃろうからな」

 

 沈黙するティプスタン。

 

「じゃが……」

 

 ソウイチロウの目が、まっすぐティプスタンを見る。

 

「なぜ短剣盾術を学ぼうと思ったのか。それは聞かせてほしいのう」

 

 ティプスタンは口を開きかけて、止まった。

 

 上手く言葉にできない。

 

 でも、話したかった。

 

「……その、僕」

 

 膝の上で手を握る。

 

「戦うのは……正直、怖いです」

 

 ぽつり、ぽつりと、言葉を落としていく。

 

「自分が強いとも思えないし、前へ出て敵を倒すのが向いてるとも思いません」

 

 ソウイチロウは何も言わない。

 

 ただ、じっと聞いている。

 

「でも……」

 

 ティプスタンは顔を上げた。

 

「仲間が危ない時、何もできないのは嫌なんです」

 

 声が、少しだけ強くなった。

 

「仲間が前に出てる時、僕だけ後ろで見てるのは嫌で……。守りたいっていうか……上手く言えないんですけど、とっさに間に入れるようになりたいんです」

 

 胸の奥から、言葉がようやく形になる。

 

「大きな盾はたぶん向いてない。でも、何かを受けて、流して、時間を作って……そういうことなら、僕にもできるかもしれないって思って」

 

 一度、呼吸を挟む。

 

「だから、短剣盾術を習いたいと思いました」

 

 言い切った後、少し恥ずかしくなった。

 

 きれいな理屈ではない。

 

 うまくまとまってもいない。

 

 けれど、嘘ではなかった。

 

 ソウイチロウは、しばらく黙っていた。

 

 その沈黙は重くなく、むしろ相手の言葉を大事に受け止めるための間のようだった。

 

 やがて、ソウイチロウは、ゆっくりと頷いた。

 

「……なるほどのう」

 

 優しい目尻の皺が、少しだけ深くなる。

 

「悪くない理由じゃ」

 

 その一言に、ティプスタンは、はっとした。

 

「えっ……」

 

「守るために学ぶ武術。結構なことじゃよ」

 

 ソウイチロウは穏やかに笑う。

 

「それに、お主には先ほど、受け流しが上手いと言ったろう? あれはお世辞ではない。筋はある」

 

 ティプスタンの胸が、どくんと鳴った。

 

「ただし」

 

 ソウイチロウは人差し指を立てる。

 

「魔力がないという事実は、軽い話ではない。魔力を使わん短剣盾術がそのまま使えるとは、わしも思わん」

 

 やはり、そうか――とティプスタンが思いかけた、その時。

 

「じゃが、“だから無理”と決めつけるのも違う」

 

 ソウイチロウはそう言った。

 

「武術は、持っとるものだけで戦う技ではない。持っておらんものをどう補うか、その工夫もまた武術じゃ」

 

 ティプスタンは、思わず息を呑む。

 

 ソウイチロウの言葉は静かだった。

 

 しかし、その静かさの中に確かな力があった。

 

「少なくとも、わしはお主を笑わんよ」

 

 その一言が、ティプスタンの胸の奥に残っていた冷たいものを、少しだけ溶かした。

 

 訓練所の向こうから、イッサの「そこまでです」という声が微かに聞こえる。

 

 自分には魔力がない。

 

 それは変わらない。

 

 けれど――

 

 それだけで、全てが否定されるわけじゃないのかもしれない。

 

 そんな予感が、ほんのわずかに胸の中で灯り始めていた。

 

 ソウイチロウは立ち上がり、ぽんとティプスタンの肩を叩いた。

 

「さて。話は聞いた」

 

 白い髭の奥で、口元がにやりとした。

 

「ならば、考えてみるとしようかのう。魔力ゼロの短剣盾術というやつを」

 

 ティプスタンは目を見開いた。

 

 その胸で、白い羽根が、風もないのに小さく震えた気がした。


 

☆11話に続く☆

★魔力系統について★

魔力系統には制御系、循環系、生成系、構築系、万能系の五系統の使い方がある。


【制御系】

■特性:装備に魔力を宿して装備を強化する系統。

■利点:装備強化だけなら、長い鍛錬などは必要なく、魔石魔導具さえ装備すれば誰でも扱える。(魔石魔導具は自身の魔力をトリガーとして起動するので、魔力があることが前提条件)

持続時間は自身の魔力量や鍛錬によるが、持続時間は比較的に長い。

一時的に重い武器は軽く、切れ味の足りない武器は鋭くできる。

装備レベルが二段階ほど上がる。

例えば、青銅製→鉄製→鋼製という装備ランクがあったして、制御系であれば、青銅製を装備しながら、鋼製の装備を身につけていることと同等のレベルになる。

自身の魔力だけでも装備強化は可能だが、魔力蓄積量がどんなに高くても、装備レベルは一段階も上がらない。良くて0.5段階くらい。理由は、装備に魔力を流す複雑技術は魔導具でしか実現できないから。

魔力量ではなく、技術的な問題がある。

■欠点:良い装備さえ身につければ、攻撃力や防御力が大幅に強化できるが、身体能力強化に魔力をさけないので、身体の防御力自体は低い。

装備に宿す魔力の維持や増減には鍛錬が必要。

他の系統と併用できない。

詠唱依存なので、喉に不調があると致命的になることも。



【循環系】

■特性:体内の魔力を循環させて肉体強化する系統。近接戦闘向き。

■利点:詠唱しなくても、直感的に魔力を身体に宿すことができる。

このため、とっさの戦闘でも対応可能。

魔石がなくても、自身の魔力量で最低限の肉体強化ができる。

防御力(身体の)は全系統最強。

■欠点:使いこなすには長い鍛錬を必要とする。

魔力依存の大技には詠唱を必要とする。

防御力は全系統最強だが、制御系や生成系のような、多彩な技や決定打になり得る技は少ない。

ゆえに、頑丈過ぎるモンスターとは相性が悪い。

長時間使用で身体損傷(筋断裂・内出血)の危険性あり。自身の魔力量内の使用であれば、危険性は低いが、負担が無い訳では無いので、筋トレ必須。

他の系統と併用できない。

装備に魔力を宿せない分、装備への負担が大きく、循環系は装備が壊れやすい。

出費がかかる。



【生成系】

■特性:火魔法や水魔法を使うことができる。遠距離魔法攻撃に特化した系統。

■利点:火炎玉など、敵を一気に殲滅できる強力な攻撃魔法もある。

攻撃魔法だけに限らず、使い方次第であらゆる攻防や戦略が可能となる魔法がある。

■欠点:魔力依存。多くの魔力を必要とする。自身の魔力蓄積量が最低でも平均より少し高いくらいないと運用は難しい。

詠唱必須。発動にインターバルあり。ゆえにスキが大きい。

他の系統と併用できない。



【構築系】

■特性:一時的に道具などを形作ることができる。

例:いつでも使えるナイフ。

■利点:サバイバル向け。暗殺者向け。

かさばらない。身軽に行動できる。

完全魔力頼みだと一時的だが、素材があり、仕組みを理解していれば、永続的な道具を作ることもできる。

極めれば、鍛冶具なしで道具を作ったり、修理することも可能となる。

他の系統と併用できないが、ナイフを作った後に循環系に切り替えることはできる。

暗殺者が主に使うやり方。

■欠点:集中力と繊細な魔力操作を必要とする。

集中できない、精神的に不安定な状態では構築しづらい。

複雑な道具は鍛錬もそうだが、集中力と知識を要する。自分が興味のない道具は構築しづらい。




【万能系】

■特性:制御系、循環系、生成系、構築系の全て、もしくはいくつかの特性を併用できる系統。生まれ持った才能。

■利点:魔力の幅広い応用や活用ができる。

小さなコミュニティでは「万能系」というだけで、一目置かれる存在になれる。

■欠点:使い方を間違えば、どの系統も中途半端な「ただの器用貧乏」となる。

基本的に膨大な魔力が必要。

燃費が悪い。

扱いがすごく難しい。

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