第十話「ヴァルカン無双!?」
「これが、タウロの門……」
俺の目の前にはただの門がある。
うん。
元々、ボス(?)が一体居たんだ。
けれども俺が剣に魔法力を込めると、大きい背中を盾にして逃げてしまった。
勿論、未知の魔物を見逃す訳がない。
剣の刃を「雷魔法・双雷天武」を纏わせて上から下へ振り下ろす。
するとそのボス(?)は地面に倒伏してしまった。
「あれれ?」
俺は思わず困惑する。
おかしいな……
99%デバフスキル「クズ」が発動している感覚はあるんだが、
何故かMPが減っていない。
通常ならば、全てのMPを使ってしまうほどの大技(?)である。
まぁ、99%のデバフで30000あるMPも300しかないから大技と呼べるかは不明だけど。
「双雷天武」は単体雷魔法を極めた者しか放てない為、「天からの授かり物」と呼ばれている。
その雷魔法を極めるには、どんな天才でも50年はかかるそうだ。
それを俺は1/3の期間で習得した。
「素敵……」
「逸材だ」
「フッ……見事だ」
「私と結婚しよう」
メンバーから次々と賛美の声が上がる。
この魔法を使えるのはたまたまだし、逸材なんて照れるなぁ〜。
最後の言葉は、賞賛の言葉なのかよくわからんが。
こんなに褒められた日はいつぶりだろうか?
前世では、褒められることは数少なかった。
成績は悪く、家でも学校でも怒られてばかり。
俺が悪いとは言え、思い出したくないわ……
「歳はいくつだ?」とアテナが言う。
「15です」
「その歳で双雷天武を使えるとはな……」
アテナは一瞬、考え込むような様子を見せた。
「私と結婚しよう」
「ドキューン」
俺のハートは矢でぶち抜かれた。
あれ? 最後の言葉はイケメンの冒険者が言ったのかと思い、スルーしていたがまさかのアテナ!?
アテナの声をさっそく脳に刻み込まなければ……
これは夢……じゃないよな?
何度も何度も左右の頬を平手で叩き、再確認する。
「俺と結婚……ですか?」
「次のダンジョンをクリアしたら話し合おう」
俺さ……
昔から美味しいところは最後に取っておく派なんだよね……
アテナは俺のことがよーくわかっている。
俺たちはギルドに戻り、成果を報告。
そして報酬を受け取った。
「こ、こ、こ、こんなに貰っていいんですか!?」
「フッ……」
ルージング……
鼻で笑うな。
銀コイン10枚と魔法書。
こんなしょぼいダンジョンでこんなに報酬が貰えるだなんて、豊かな世界だな……
お母さん、ありがとう。
この世界に転生させてくれて。
「ヴァルさん……ちょっといいかしら?」
先程とは似てもつかない表情だった。
閲覧ありがとうございます
ちなみに単体攻撃魔法は一体しか攻撃できませんが、その分威力はある。
範囲攻撃魔法は適応範囲のみに攻撃可能ですが、威力は単体攻撃魔法に比べて劣る。




