燃え上がれ、歓迎会。:問編2(第二話)
⚠️注意⚠️
このエピソードは「燃え上がれ、歓迎会。」の第二話です。是非前回を読んだ上でお読み下さい。
前回のあらすじ
ケイ達アニ研は当日に行われる新歓公演に向けてのリハーサルのために普段より早く学校に到着した。部室に到着すると新歓を中止せよとの旨が書かれた紙が見つかった。それを無視し、彼らはリハーサルを行ったところ、奇妙な現象が起きた。リハーサルを中止した後、逃走する犯人を目撃したものの捕まえることが出来なかった。彼らはリハーサルの片付けを始めると共にケイと道木は現場の捜査も行うのだった。
「よし、片付けするフリしながら捜査するよ〜!!」
「せめて少しくらい片付けは手伝おうか……」
そんなこんなで俺と道木は体育館の捜査を始めた。まず気になったものは体育館を二つに分断する網だ。その網は体育館の中央に左右一枚ずつあり、開くとおよそ体育館の横の長さの半分強の長さとなる。そして網を開いて二つの網が若干重なるようにすることで体育館を二つに分断するという仕様だ。要はカーテンみたいなものだ。
そしてその網は常に二階、まあほとんど体育館上部の窓にあるカーテンを閉めるための足場だが、そこに畳まれた上で掛けらている。俺がさっきカーテンを閉めていた時はそこの足場に掛けられていたのに、今は足場にこそ掛けられてはいないが、それでも網は畳まれている……いや、待てよ。
「この網、リハーサル中は開かれていたよな。なんで今は元に戻っているんだ?いや、そもそもなんでリハーサル中に網が開かれていたんだ!?」
「それはワタシも気になったんだよね〜。多分、犯人がリハーサル開始と同時に網を開いて、その後に網を燃やして、それを消した後すぐに畳んだんじゃない?」
「待て、たしかに燃えていたよな?じゃあなんでこの網には燃え跡がないんだ!?網だからすぐ燃えるはずなのに……」
「たしかに……じゃあもしかして……」
「とりあえず別のところに行こう。」
次に向かったのはプロジェクターだ。ここには何も異変はなかった。パソコンや机も調べたが同じく気になるところはなかった。第一、ここにはずっと水書先輩がいたんだ。犯人は何もちょっかいは出せまい。
そう思いすぐにその場を後にし、次に茶園先輩がいたステージ裏に向かい、そこから階段を登って、カーテンを閉めるための二階の足場を進み、体育館の外周を周ってそのまま音響室に行ったが、その過程でも音響室にも異常なことは何もなかった。特に成果もなく、音響室からそのまますぐ階段を降りるが……
「あれ、じゃあなんで犯人は網を開くことができたのかな……」
「それってどういう意味だ?」
「だって、網は元々二階に掛かってたんでしょ?だから網を下ろすために二階に登らないといけないじゃん。けどさ、二階に登ったらワタシ達か茶園先パイが気づかないとおかしくない?」
「たしかにな……でも道具を使えば無理やり網を下ろすことも可能じゃないか?何せ犯人は体育倉庫にいたわけだからな。」
「そうだね。まあとりあえず、体育倉庫にも行こっか。」
そして俺たちは体育倉庫に向かった。ここでは気になる道具をいくつか見つけることができた。それゆえどれか特定は出来ずとも、長い棒を使うことで網を下ろすこと自体は不可能ではないという結論になった。しかし、
「どれも中途半端な長さだ。よく犯人はこれで下ろせたな。」
「そうだよね〜……不可能とまでは断言できないけど、にしても相当テクニックがいると思うよ。苦戦せずにあの短時間で下ろせたってことは……犯人はこの分野の達人だったり!?」
「なわけあるか……しかし、犯人はリハーサルが始まる前から既にここに隠れていたんだよな。」
「いや、それよりもっと前……私たちが体育館に入る前からじゃない?だって私たちが入ってから体育館の扉は開かれてないし、そもそも開けたら気づくでしょ。」
「それはおかしいだろ。だって長町先輩が体育館の鍵を開けてただろ?だったら犯人は俺らより先に入れるはずがないんだ。」
「じゃあ昨日からずっと隠れていたんじゃない?」
仮にそうだとしたら犯人の根気強さは賞賛に値する。まあ今回に限っては褒められたものではないが。とにかく、調べられるものは調べきったため、残った後始末を手伝い、俺たちは部室に戻った……
──と、その前に確認したいものがある。職員室の鍵貸出表だ。この鍵貸出表には借りた時間、返却した時間、借りた人の氏名が書かれている。今回、我々アニ研が借りたであろう鍵は部室と体育館の二つだ。本来ならばそれぞれ今日初めて借りたのは水書先輩と長町先輩のはずだ。そして昨日、最後に部室の鍵を借りたのも水書先輩のはずである。それを確認するために俺と道木は職員室に訪れた。
「部室は昨日の最後に借りたのも今借りているのも水書先輩だな。」
「う〜ん、じゃああの紙はどうやって部室に持ち込まれたんだろう……」
「体育館の方は昨日の下校時間まで借りていたのはバスケ部で、その次に借りているのが今で長町先輩だな。」
「ふ〜ん……じゃあ犯人はバスケ部かな?」
鍵貸出表を確認したものの、どちらの履歴も特に異常に感じるものはなかった。それじゃあ本当に犯人は昨日まで体育倉庫に居たのか?部室に置かれた紙は何かしら魔法で置かれたものなのか?そう思いながらようやく部室に向かった。
──部室には先に戻ったであろう先輩方四人、そして等々力がいた。
「お、ケイと道木さん。どこ行ってたんだよ。」
「それはこっちのセリフだ、等々力。今まで何やっていたんだ?」
「あー、何がなんやらわからなくて混乱しちまってあの場から逃げたのはいいとして、とりあえず部室に戻ったんだ。んで、部室に戻ったはいいものの、やっぱりこの紙をどうやって部室に持ち出したか気になったんだ。その捜査をここでずっとしてたんだよ。」
「へぇ〜。で、なんか見つかったの?」
「おう。ちょっと窓来てみろ。」
そう言われ部室の窓を見ると、
「これは……!ツマミに糸がガムテープでくっ付けられてるじゃないか!!」
この窓はいわゆるクレセント錠で、ツマミを前後に回すことで窓の鍵を開け閉めするようになっている。そして、このツマミにこんなに意味ありげに糸が付けられているということは……
「そうなんだ。なぜこんなことがされているかは分かるよな?」
「あ〜!だから紙が紙飛行機に折られていたんだね。」
「……!そうか!あの紙は窓から入れらてたのか!それなら部室の鍵を借りなくて済むぞ!ということは窓の鍵を開け閉めするために糸が巻かれていたんだな!」
「……しかしだ、ケイ。それは不可能なんだよ。だって、昨日ここの鍵を閉める時にこんなの付いてなかっただろ。そしてこの窓の鍵は部室の鍵を閉める直前から今まで閉まっていただろ。ですよね、水書先輩。」
「そうだね。昨日は私が鍵当番だったから窓もちゃんと閉めたわよ。」
「つまりだ。ツマミに糸を巻き付けることは不可能なんだよ。たしかに元々糸が付いていたなら窓の開け閉めは可能だったかもしれない。でも昨日はそんなもの付いてなかったし、付いてたら気付くだろ。だから下校時間から朝までの間に付けられたはずだが、窓も部室自体も閉められていたらどうやって部室の内側にあるものに細工ができるんだ?だからこれを付けること自体不可能なんだ。」
「た、たしかに……じゃあどうやって犯人は窓の鍵を開けたんだ?そしてこの糸の意味は……」
「うーん。考えても仕方ないし、あともうそろそろ朝のHR始まっちゃうからとりあえず解散しましょう。」
長町先輩がそういうと、全員が部室を退出し、そして水書先輩が鍵を閉めた。二年組と三年組は別れ、俺と道木、等々力の三人で教室に向かう。
「ねえケイ、等々力。ワタシたち三人でこの事件を解き明かそ。とりあえず各々何かしら考えておいて、昼休みにまた教室で集まって解決しよう。三人寄れば文殊の知恵だよ!」
「それじゃあ、先輩も呼ぼうぜ!」
「いや……まああの人達は教室遠いしいいんじゃない?」
「あー、それならいいが……」
俺と道木は同じクラスだが等々力だけは違うため、その会話を最後に道木と二人になった。
「……ちょっと、ケイ。本当にあの体育倉庫から逃げた人が犯人なのかな。」
「何を言っているんだ。そうに決まっているだろ。」
「でもさ、それだとあの紙に書いてたことと矛盾するんだよね。だって、あれには“我々”って書いてあったんだよ?」
「……じゃあ、犯人は一人じゃない!?あいつ以外にいるのか……!?」
「それも含めてさ、昼休みに話そ。ワタシたちなら絶対トリックも犯人もわかるよ!!」
ああ、そうだ。一体、誰がどうして、なぜこんなことをしたのか。部室に置かれた紙、リハーサル中の火事、この二つの事件を解決しない限り新歓公演をすることはできない。だから──俺たちがこの事件の真相を解き明かすんだ……!!そう心に誓い、俺たちは教室に入り、昼休みの集合まで事件のあれこれを考察した。
──そして昼休みの時間となった。
問編3に続く。
ここまでお読みくださりありがとうございました!!さて、犯人はどうやって犯行が出来たのでしょうか!?ぜひ考えて見てください!
感想お待ちしております!次回も乞うご期待!
by田中ゴン左衛門




