表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/17

予算案は水に流せない:生徒会室/問編(中編)

⚠️注意⚠️

このエピソードは中編となります。是非前回を読んだ上でお読み下さい。


前回のあらすじ

 ケイと道木、そしてアニ研部長の長町が部室にいる時、突如生徒会長の頂が部室に来訪し、来年度の予算案の提出を求めた。長町は既に書き終えており提出しようとしたが、それは部室内で見つからなかった。しかし、一同はある推理に辿り着いた。それはアニ研所属兼生徒会書記の水書が既に生徒会に持っていたということだ。そのため彼らはすぐに生徒会室に向かったのだった……

 “水書先輩が予算案の書類を既に生徒会に持ち込んでいた”。その事実を知った上で生徒会室へ向かう。一抹の不安を胸に、しかし既に予算案は頂先輩の手に渡っているだろうという希望を添えて。

 ──ガラガラガラ……

「ねえ頂くん、私たちで色々調べたんだけどさ、多分生徒会室にあると思うんだよね。」

 そそくさと訪れた生徒会室には頂先輩、水書先輩、あと確か副会長と会計の人がいる。

「ああ、実は俺も探していたんだが……」

「あれれ、絵璃えりじゃん。どうしたの?」

「あのさ摩記まき、今アニ研の予算案を探してるんだけど、今朝摩記が生徒会に持っていったよね?」

 ちなみに絵璃が長町先輩、摩記が水書先輩だ。

「うん、そうだよ……あれ、印鑑押してたからてっきり完成してたと思ってたけど違かった?」

「いや、あれで大丈夫だけど……」

「ないんだよ、水書。さっき色々探したんだが。」

「あれー、おかしいな。ちゃんと今朝頂の机に置いたんだけど。」

「え……ちょっと頂くん、なかったの!?」

 ……嫌な予感がする。

「……頂先輩、机以外も探しました?」

「ああ、俺だけでなく他の面々の机、あと予算案をまとめたファイルも探したがなかったぞ。」

「……本棚とかどうなんスか?」

「それは探してないが……好きにしてくれたまえ。」

 じゃあ本棚にあるんだ!そう確信し、何も考えずに本棚を漁る──しかし、見つからなかった。道木と長町先輩もがむしゃらに探していたがどうやら同じようだ。

 ……絶望。俺たちはただ床に突っ伏すのみだ。それを見た水書先輩も何やら現状を把握したようで、非常に焦り始めている。

「え、なに。私が?ご丁寧に?今朝頂の机に置いたのに?無くなったの?……って絵璃!?大丈夫!!??」

「どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう……」

「お、おい長町、提出は後日でいいから……俺にも責任はあるし……」

「どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう……」

 完全に長町先輩は心ここに在らずだ。もはや後ろにいる副会長と会計の日常会話でさえこの空間では余計な行為にも思えてくる。それほど鈍重な空気が生徒会室には流れていた……かく言う俺も放心状態なため、その会話を聞いて時が過ぎゆくのを体感するのみだ。

「会津あいづ、ここにティッシュ置いたのお前か?昨日までなかったよな。」

「ああ、さっき俺が置いたんだよ。学校終わりに急いで買いに行ったさ。俺ってすごい花粉症だから……ハックション!」

「花粉症、大変そうだな。予算案まとめるの大変そうだからワタシも手伝ってやるよ。」

「お、サンキュー。副島ふくしまさん。」

「そういえば会津、今朝も予算案まとめてたよね。それってそんなに大変なんだ。」

「そうなんだよ、水書さんも手伝ってくれよなー。そういや水書さんは今朝、なんで特に用もないのに生徒会室来たんだ?」

「いやー、学校に早く来すぎちゃって。暇だったし、今日ゴミ出す日じゃん?だからゴミ替えやるために来たの。」

「そしてその時に予算案を会長の机に置いたんスね〜」

 道木、いきなり生徒会の会話に紛れるな。しかし、俺にも水書先輩に言うべきことがある。

「待ってください、ということは今朝部室のゴミ変えしたのも水書先輩なんですか?」

「そうだよ。というより先に部室行って、暇だったから部室のゴミ替えやって、ついでに生徒会室のやつもやろうってなったの。」

「なるほど。ゴミ替えありがとうございます。」

「別に感謝される程でもないけど。どうも。」

「俺からも感謝するよ、水書さん。」

「それはこっちのセリフよ、会津。だって今朝わざわざ早く来て一人で予算案まとめてたもんね。」

「……ちょっとケイ、便所行ってくる。」

「お、おう。」

 道木、なぜ唐突にトイレに行くを報告していったんだ。あと一応女子なんだから言葉遣いどうにかしろ。



 ──その後も、なんなら今も何気ない会話が続いている。そしてどうやら道木も帰ってきたようだ……何故か息を切らしているが。

「ぜえぜえ……ちょっとケイ、」ゴニョゴニョ……

 ──!!いきなり耳打ちしてきてなんだと思ったけど……

「道木、ナイスだ!ということは、今朝から今までの一連の流れがわかるぞ!そして……」

「予算案がいつなくなったかわかる!じゃあ順を追ってまとめよう!部長も……」

「どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう……」

「……まあとりあえず、先に部室からだ。今朝、水書先輩が一番乗りで鍵を借りて開けたんだったな。そしてゴミ替えをして、そして出ていき生徒会室に向かった。その後に俺と道木が部室に入り、しばらくして俺、道木の順に出ていき、最後に生徒会室から戻ってきた水書先輩が朝の内に鍵を閉めて返却したんだったな。」

「うんうん。それで部長が朝ぶりに放課後鍵を開けたんだよねー。けど、その時には生徒会室に予算案があるはずだからここは考えなくてもいっか。」

「じゃあ次は生徒会室だ。こっちも朝に鍵が貸し出されていて、水書先輩が生徒会室に来た時に会津先輩が既にいたんだ。そして水書先輩はゴミ替えをしつつ予算案を頂先輩の机に置いた。その間ずっと会津先輩は予算案をまとめていたんだ。そしてこっちも朝の内に鍵が閉められていた。」

「そして肝心なのが、次に鍵が開けられたのって放課後で、それを借りたのが会長ってとこだよねー。」

 そうだ。今手洗いに行くと言って出ていった道木は、実は職員室の鍵貸出表を見に行っていたんだ。なぜトイレに行くと言ったかは定かではないが。それはさておき、生徒会室も例外ではなく部室と同じ鍵貸出システムだ。だから鍵貸出表を見れば借りた時間、返した時間、そして誰が持っていたか一目瞭然だ。だから……

「じゃあ朝の内に予算案が無くなったわけで、今朝鍵を借りた人が怪しいのか。それって誰だ?」

「ふっふっふー、ヒ・ミ・ツ!」

 ッ!こいつ……ただまあ、目星はついているけどな。だが、だとしても予算案は今どこにある?

「どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう……」

「……あのー、長町先輩。いい加減機嫌治してくださいよ。」

「そうっスよ。第一どこにあるのか分からなければどうしようもないんスからね。」

「……うう、だってぇ〜!!私だってぇ〜!!もう私、どうしていいかわから……な……くしゅん!!」

 ……!!その瞬間、道木と目が合った。閃いたのだ、予算案がどこにあるのかを──







──「「“ゴミ箱”だ!!」」

 探してない上、その人なら入れてもおかしくない……予算案をあんな使い方で使ってしまったのなら。そして、その人が放課後にしたことの辻褄が合う。そう確信しながらゴミ箱を漁ってみると──

「!!見つかったぞ!」

「おお!やったね!」

「え!?嘘!家内くんっ、道木さんっ……あなたたちってホントに……ううっ……ありがとうぅ……」

 長町先輩が泣きながら俺の手を強く握る。加減がなくて痛いから離して欲しいが……

「というかこれ、案の定きったないね〜。ありえないよ〜。」

「ああ、とりあえずこれをやったあの人に問い質そう。」

 そう言って俺と道木は、犯人の下へ足を運ぶのだった──


生徒会室/解編に続く

最後までお読み下さり、誠にありがとうございます!!思ったより生徒会室編が長くなったので分割しました!!

あと感想や応援などぜひお待ちしております!!続きも乞うご期待!!!


by田中ゴン左衛門

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ