我ら探偵団・不可能犯罪研究会:第六話
⚠️注意⚠️
このエピソードは「我ら探偵団・不可能犯罪研究会」の第六話です。是非第一〜五話を読んだ上でお読み下さい。
前回のあらすじ
謎のDVD『我ら探偵団・不可能犯罪研究会』の正体を探るためにケイ、道木、新美はアニ研顧問、古門にDVDの映像を見せた。その結果、DVDは学校内で作られたものと判明する。その後、長町を加えた四人でDVDの正体を探究していき、不可能犯罪研究会は創作物の中での架空の存在だという結論に至った。しかし、そこで新たな疑問が発生したのだった。
不可能犯罪研究会は架空の存在なのは確かだが……しかし、映像では現実世界に呼び掛けているような物言いだったのも確かだ。加えて、肝心の映像内に不可能犯罪研究会は名前のみで実際には登場していない。しかし『我ら探偵団・不可能犯罪研究会』という作品はあのDVD一本のみ……それは一体なぜなんだ?
「な、なあ道木……お前はこの謎が解けているのか?」
ニヤリと笑みを浮かべていた道木は、俺が声を掛けるや否や、俺に向かってドヤ顔してきた。
「ふふ〜ん。その感じだとケイ、まだ分かってないようだね。でもワタシ、分かっちゃったかも。」
「ほ、本当か!?」
「どの辺が分かったんですか!?」
「どの辺って言われたら……全部、の一歩手前くらいかな〜。それでも、『我ら探偵団・不可能犯罪研究会』がどんな作品なのか、そこに出てくる不可能犯罪研究会がどんな集団なのかってことはわかったよ。」
「それじゃあ、それら全部教えてくれるかしら?」
「うっス……と言うその前に、まずあの二頭身の最後の言葉、ちゃんと覚えてるっスか?」
「そんなの覚えてないわよ……」
長町先輩がそう答えた瞬間、道木が大きくため息をついた。後輩から大袈裟に呆れられるなんて、部長の威厳は何処へやら。すっかり長町先輩は凹んでしまった。まあ、それはともかく……
「俺もずっと気になっていたんだ。二頭身の「その謎を解ければ“私の正体”に一歩近づけるでしょう……」というセリフがどういう意味か。これは結局、分からず終いだったもんな。」
「そう、それだよ。連続殺人事件の第三の被害者の死因が分かれば正体が分かる……って、そんなことなかったからね。で、それが意味してることって、なんだと思う?」
「それが意味するって……まさか、やっぱり『我ら探偵団・不可能犯罪研究会』はあのDVDだけで終わりじゃないってことか!?」
「そう!でもさ、それならあのDVDに続きを録画してたり、あと別のDVDに分けたとして、タイトルに続きと区別するための番号を振ってたりするもんだよね。そうしないってことはさ……」
「えっと、それじゃあ続きは何らかの映像に残してないってことだから……やっぱりあの映像は、現実に向けたものだったんですね……!」
「そういうこと!となると、『我ら探偵団・不可能犯罪研究会』がなんのための作品なのか──ケイ、もう分かったよね?」
ちょ、ちょっと待てよ。ここまでの話を整理すると、“この映像は学校内で作られたもの”、“不可能犯罪研究会は架空の集団”、“この作品はDVDで完結せずに続きがある”、“あの映像は現実に向けたもの”だが……待て、そういうことか!!
「ああ、『我ら探偵団・不可能犯罪研究会』は──
──学校内でのイベントのための“演劇”、なんだ!!」
「そうだね、やるじゃんケイ!!」
お褒めに預かったこと感謝申し上げたいが、よりによって道木なのがムカつくな。
「でも、確かこの学校って演劇部もなければ学芸会もないですよね?いつ、誰が演劇をやるんですか?」
「いや、もう一つ、演劇をやるかもしれないイベントが一つ残っているぞ……たしかに新美さんにはまだ馴染み深くないものだと思うがな。」
そう、大半が高校生になってから経験するであろうあの超一大イベントなら……
「……あ!もしかして──
──文化祭ですか!?」
「そうだ。だから、この作品の正体として考えられる一番の可能性というのは、文化祭でのクラスの出し物として行った演劇だろうな……そうだろ、道木。」
「そうだね。だから、それを確認したいんだけどさ……」
「それなら生徒会室に行こうよ!多分、過去の文化祭のパンフレットが眠っているはずよ!!」
「長町先パイ、生きてたんスね。」
「し……失礼な!」
「と、ともかく……過去の出し物の履歴をしらみ潰しで探して、あの作品があれば正解ってことになりますね!」
「それじゃあ早速、生徒会室に行くか!」
そして俺たちは生徒会室に向かった──
──ガラガラガラ……
「邪魔するわねー。」
長町先輩がズケズケと入った生徒会室には、会長の頂先輩と副会長の副島先輩、書記で我らアニ研部員の水書先輩とあと一人、役職と名前が不明の生徒会の人がいた。
「え、は!?……長町、何の用だ?」
「あのさ頂くん、過去の文化祭のパンフレット見に来たんだけど、ないかしら?」
「何の為にだ……まあいいか、そこら辺にあるから勝手に見ててくれ。」
「わかったわ。ありがとね。」
「あざース。」
「どうも。」
「ありがとうございます!!」
流れるように、俺たち三人も後に続いて入る。
「……なんか人が多くないか?」
「まあまあ、いいんじゃねえの?ワタシ達はこっちの続きしようぜ。」
「そうだな、副島。」──
生徒会の会話も少しは気になるが、そんなことより俺たちは俺たちで過去の文化祭のパンフレットを漁る。
「うわ見てこれ、変な出し物だわー。」──
「へー、部活の出し物もあるんですね……見てください、アニ研のこれすごくおもしろうそうじゃないですか!?」──
「ケイ、そんな古いヤツ見ても意味ないでしょ。多分、あのDVDはアニ研が関わってるんだから15年以内のものじゃないと。」
「あ、そういえばそうだったな。」──
──そんなこんなで、ついにその瞬間が訪れた。
「……ありました、これです!!演劇、『我ら探偵団・不可能犯罪研究会』!!ええと、2017年度の2-Cの出し物です!!」
「おお、新美サンやるじゃん!」
「じゃあやっぱり俺たちの推理はあってたんだな!!」
「そうね!──それで、どうするの?」
「へ?どうするってどういうことですか?」
「いやさ、まさかこれで終わりだなんて言わないわよね?」
「え、これで終わりっスけど?」
「……いや、待て。本当に終わりなのか?まだ俺たちは解いてない謎があるぞ。」
「え?解いてない謎?そんなのあったかしら?」
そ、それについて言ってた訳じゃなかったのかよ……
「私たちはこの劇を観てない、だから観ようよ、ってだけなんだけど……」
「あ、そういうことだったんですか?でも、内容を知るならまだしも、どうやって観るんですか?」
「そ、それは……」
「ま、古門センセーに聞いて、このクラスだった人にアポとってもらうしかないんじゃない?」
「一か八かですね……それで家内先輩が言った解けてない謎ってなんですか?」
「ああ、それはさっき言ってた二頭身の正体だ。まあそれも劇を観れたら分かるから、とりあえずまた古門の所に向かうか。──」
──そうして俺たち四人は再び古門を訪ねた。
「古門先生、あの──」
「──なるほどね。ええと……あ!確かアニ研7期の部長やってた黄地さんがそのクラスだったはず。連絡先も持ってるから、ちょっと電話してみるね。」
俺たちは感謝を述べ、古門が通話を終えるのを待った──
──「おまたせ。」
「それで、どうでしたか?」
「ああ、ちゃんと録画してたようで、映像を送らせてもらったよ。」
「ほんとですか!?ありがとうございます!!それじゃあ早速観ましょう!」
「気持ちは分かるけど、今はちょっと忙しいから君たちだけで観てちょうだいな。」
「わかりました、忙しい中ありがとうございました。」
──各々が感謝を伝えた後、部室へと戻った。さて、これまでの推理は果たして正解だろうか、そうでないか。答え合わせの時間が、今はじまる。緊張が走る空間の中で再生ボタンは押されたのだった。
第七話/ch.最終話に続く
ここまで読んでくださりありがとうございました✨✨ついに始まる『我ら探偵団・不可能犯罪研究会』、一体どのような内容なのでしょうか……?
次回も乞うご期待!!
by田中ゴン左衛門




