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日常探偵家内ケイ〜みんなの嘘を、俺が暴く〜  作者: 田中ゴン左衛門
我ら探偵団・不可能犯罪研究会
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我ら探偵団・不可能犯罪研究会:第五話

⚠️注意⚠️

このエピソードは「我ら探偵団・不可能犯罪研究会」の第五話です。是非第一〜四話を読んだ上でお読み下さい。


前回のあらすじ

 ケイ、道木、新美、長町の四人はついに謎のDVD『我ら探偵団・不可能犯罪研究会』での挑戦状、第三の被害者の死因を解き明かした。一行は、連続殺人事件の犯人が第三の被害者で、彼は自殺だったという結論に至ったはいいものの、依然としてDVDの正体は分からず終いであった。そこで長町を除く三人は、DVDの正体を知っているかもしれない、アニ研の顧問の古門を訪ねに向かったのだった。

 アニ研の歴史の体現者、古門は果たしてこのDVDの正体を知っているのであろうか。いや、知っているか知らないかは二の次だ。顧問のくせにアニ研にほとんど関わらない人だが、それでもアニ研の過去作は一通り目を通しているはず。ならばこの作品も、アニ研のものかそうでないかは見せれば判断はできるはず。重要なのはそこだからな。

 そうこうしてるうちに俺たちは職員室に入り、古門に話しかけた。なよなよしてて弱そうなおっさんだが、いつも穏やかな雰囲気を醸し出しており、それが人柄にも出ている。今回も話しかけたところ、淡くも優しい笑みを浮かべながらこちらの方に振り返った。

「やあやあ、家内くん、道木さん。それに……」

「一年の新美です。」

「新美さんね。古門です、よろしく。それで、何か用かね?」

「古門先生、実は──」

「──ほう……『我ら探偵団・不可能犯罪研究会』ね。うーん、聞いた事ありそうな……それで、そのDVDの映像はどんなものなのか見せてくれるかね?」

「うっス、ただ今──」

「──うーん、やっぱり見たことある気がするんだよね。でも、これって誰に向けたものなんだろうかね?セリフから考えて違和感が多いけど……」

「それはまあ、考え中なんスけど……ともかく、古門センセーはこれをどこで聞いたり見たりしたんスか?」

「多分この学校の中だった覚えがあるけども……少なくともアニ研のじゃないよね。」

「俺たちもそう思います……とりあえず、古門先生が知っているかそうでないか知りたかっただけなので、時間を頂きありがとうございました。」

「あれ、もういいの……まあ、健闘を祈るよ、新・不可能犯罪研究会の諸君。」

 微妙にノッてくれるのはこの先生のいいところだ。それはさておき……

「とりあえず分かったことは二つだな。一つはやっぱりアニ研が作ったものじゃない。

二つ目はこの学校で作られたものだ。」

「でも元から部室にあったってことはさ〜、少なくともこの映像にアニ研が絡んでてもおかしくないと思うんだよね〜。」

「そう考えたらこのDVDって、どんなに古くてもここ15年のものですよね。」

 それはそうだが、それじゃあ何の目的で作られたのか、そしてこの15年の内に何があったのか……俺たちは考えながら部室に戻った──


 ──「おれかりなさい。それで、収穫はあったの?」

「それが──」

「──なるほど。まあ、ないよりかはましってところかしらね。」

「いや、割と重要かもしんないっスよ。だって、少なくとも学校内のものって分かったんスから。外部から、それこそガチの不可能犯罪研究会ってのから持ち出したものなら特定が激ムズっスからね。」

「たしかに、外のものなら特定はほぼ不可能だが、学校であんな映像作る場面なんて限られるからな。それでもどういった意図でこれが作られたのか……」

「それを考えるために、まず不可能犯罪研究会ってなんなのか考えてみましょう!そうは言っても、私は検討すらついてないですけどね。」

「あのさ、ワタシさ、これが学校内のものだってなったとき、二つの説を考えたんだよね。」

「二つの説!?道木さん、教えてちょうだい!」

「うっス。一つ目の説が、“マジで不可能犯罪研究会が存在する説”っス。二つ目が“不可能犯罪研究会は実在しない説”っス。多分この二つのどちらかなんスよね。」

「……?当たり前じゃない。それがどうしたの?」

「そう言うと思ったっスよ。じゃあ逆に、ありえないパターンを言うっス。“不可能犯罪研究会は存在しない”って説っス。」

「え、それってどういう意味なんですか?」

「ケイ、答えてあげて。」

 俺かよ。有り得る説と比べてみて考えると、まあ単純に……

「そもそも不可能犯罪研究会がなかった、つまり映像内にワードとして出てきただけの出まかせって説だ。それで、これが有り得ない説になるのはなぜだ?」

「あの映像がフィクションだという仮定……まあ学校内のものだから多分そうだけど。その仮定でいくとさ、単純な話、あれはちゃんとアニメ映像を作って、殺人現場も撮影して、映像を撮って、ナレーションも付けた……オマケにコスプレしてね。そんな大それたこと、計画性もなしにやるかな?ちゃんと不可能犯罪研究会という概念があったから作ったんだと思うよ。」

「たしかに……古門も観たことありそうだったし、このDVDは確実に第三者の目に触れるはずだから、そもそも不可能犯罪研究会というのが何かしらの形であったはず……いや、待て。そうなると、一つ目の説、不可能犯罪研究会が実在するのはありえないんじゃないのか?」

「え、どうして?」

「このDVDは挑戦状だ。つまり、差出人と受取人、あの二頭身と不可能犯罪研究会の二者間で完結しているものなんだ。そんなものを第三者に見せたりするか?」

「言われればそうだわ。あれが実在した挑戦状なら、古門先生が目を通す機会なんてないはずだから有り得えないわ。」

「でもケイ、古門センセーが不可能犯罪研究会に所属しているか、あるいは二頭身側かもしれなくない?」

「それこそ有り得ないぞ。さっき会った時、不可能犯罪研究会もほぼ忘れかけていただろ?所属していたら知らないはずないし、二頭身側だとしても忘れるのは少し考えにくい……まあわざとボケてる可能性はあるがな。」

「そっか……たしかに、わざとボケてる可能性を考えても、知らないと答えるのが合理的だね。それでもっても、あの反応はたしかに第三者視点で、この映像を観たことがある言い方だったね。てことは……」

「じゃあ要するに、不可能犯罪研究会って、“フィクション内で存在する架空の存在”ってことになりますね!!」

「それじゃあ不可能犯罪研究会って創作物の中の集団、ってことになるわよね。でもそれだとおかしくない?だってあのDVDって、まるで現実に向けたものじゃない。」

「え?それって、どういうことですか?」

「だってさ、フィクション内で終わる話なら、映像上で不可能犯罪研究会がちゃんと出てこないと話として破綻しているじゃない。」

「そうっスよね。不可能犯罪研究会が登場人物の一つなら、『我ら探偵団・不可能犯罪研究会』という作品があの映像だけで終わってるハズないっスもんね。不可能犯罪研究会が物語の一部なら、あの映像を見た事でリアクションなりしてるシーンくらいないと……」

 ──不可能犯罪研究会はある創作物の中の集団、しかし肝心のDVDには一切出ていない。『我ら探偵団・不可能犯罪研究会』はあのDVDだけで完結しているのか?それとも……

 勘の鋭い道木ならと思い顔を伺うと、彼女の口角は既に上に向かい始めていたのだった。


第六話に続く

ここまで読んでくださりありがとうございました✨✨さて、道木は何を思いついたのでしょうか?謎解きは最終局面へと向かいます……!!

次回も乞うご期待!!


by田中ゴン左衛門

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