我ら探偵団・不可能犯罪研究会:第四話
⚠️注意⚠️
このエピソードは「我ら探偵団・不可能犯罪研究会」の第四話です。是非第一〜三話を読んだ上でお読み下さい。
前回のあらすじ
ケイ、道木、長町、新美の四人から成る新・不可能犯罪研究会は依然として『我ら探偵団・不可能犯罪研究会』での謎の一つ、三人目の被害者の死因についての議論をしていた。ダイイングメッセージが示した真実から、映像で犯人とされていた人物は真犯人ではなかったということが判明した。すると突如、道木は死因が何かを閃き出し、そして議論は最終局面へと向かうのであった。
映像に出てきた二頭身が言っていた真実……思い当たるものはあるが、それが死因とどう関係しているんだ?
「えっと、この事件の犯人はあの女の人じゃなくて、衝動的じゃなくて計画的で、そうなると仲良し四人グループ間のトラブルが原因じゃない……真実の部分なんてあるんですか?」
「いや、新美さんが言ったことで一つ誤りがある。おそらく、この事件はグループ内のトラブルが発端というのは正しいはずだ。」
「どうしてですか!?それだとさっきまでの推理と正反対じゃないですか!」
「そもそも、あの二頭身はわざと間違った発言をしているわけじゃなくて、警察が捜査した情報をそのまま言っているだけだと思うんだ。その仮定でいくと、トラブルが発端というのも、以前からトラブルがあったからその見解が出ただけなんじゃないか。」
「なるほど……じゃあ、マインダリー・クライマリーは別に嘘をつこうとしてたわけじゃないんですね!」
「たしかに、トラブルが発端なのを真実としても矛盾はないわ。でも、それこそ犯人はあの女の人になっちゃうじゃない。」
「あれ、ホントにそうっスかね?あの四人の中にもう一人……いや、元から一人だけ三人を殺害することが可能な人がいるはずっスよ。」
長町先輩が言っていることは間違っていない。でも死因が分かっている道木はそれを否定している……一体なぜだ?
「あれれ、ケイ。こんなにヒント言っててま〜だ分からないの〜?じゃあ大ヒント、三人目の被害者は事件が起きた時、多分三人目の被害者しか事件現場にいなかったハズだよ。だって、不可能犯罪だからね〜。」
そうだ、殺人現場に三人目の被害者のみいることで初めて不可能犯罪が成立する。なら誰がその人を……
「……そうだ、またしても俺たちは前提を間違えていたんだ。それを踏まえたら、犯人は一人しかいない!」
「家内先輩、それじゃあ真犯人って一体誰ですか!?」
「この連続殺人事件で三人を殺害した真犯人、それは……
三人目の被害者だ!」
「……え?何言ってるの?これは連続殺人事件なのよ?被害者が真犯人なんて……」
「違うっスよ、長町先パイ。これは真犯人が自殺することで初めて成立する“仲良し冒険者パーティ全滅事件”なんスよ。」
「な、仲良し冒険者パーティ全滅事件!?で、でも……それでも被害者が真犯人なのが納得できません!」
「それじゃケイ、この事件の流れを先輩後輩に教えてあげて。もうここまで来たら全貌なんてわかるっしょ?」
まったく、こき下ろしやがって。仕方ない。
「それじゃあ順を追って話します。ことの発端は四人間でのトラブル……何があったかは定かではありませんが、真犯人は他の三人を絶望の淵に追いやるための大それた連続殺人事件を企てました。その計画とは、四人組をまるでファンタジーの冒険者パーティに見立てることで、唯一の生き残りを冤罪とさせるというものです。
一人目と二人目は普通に刺殺と撲殺……それも魔法使いが使いそうな武器を凶器としてです。そして真犯人は密室でかつ、一見死因が分からないという不可能犯罪を成し遂げた……まるで即死魔法をくらったかのように。
そして肝心の見立てですが、一人目が戦士、二人目が僧侶、真犯人が勇者となると、魔法使いが余ってそれが生き残った四人目を示すことになります。服装も、犯行時に元から合わせて着てたという言い訳が出来るので、仮装してたと思わせることが出来ます。
被害者がそれぞれ残したダイイングメッセージもmagicを表したものですが、わざわざ四人目がそんなことする意味がないはずです。だからわざと偽装工作として真犯人が行ったものですが……ではなぜそうしたか、わざと残した血文字が犯人の計画性の無さがを引き立たせ、犯行がまるで衝動的に行われたと思わせるためです。
結果的に、トラブルで生じた衝動的な大量殺人、もとい連続殺人と勘違いさせることに成功して、無事四人目を犯人に仕立て上げた、これが事件の全貌です。そしてそれを行ったのが、三人目の被害者ってことです。」
我ながらよくまとめられたものだ。しかし、肝心のあれが……
「それで道木、結局真犯人の死因ってなんだ?」
「まあ、はっきり言ってあの映像だけじゃ分からないけど……多分、酸欠とかじゃないかな。それなら密室で更に吐血とか一切せずに自殺できるはずだよ。」
「……たしかに!!それじゃあ死因は酸欠ってことで、事件解決ですね!!」
「あー、さすが我が後輩たちだわ。私、全く分からなかったもの。それでも楽しませてもらったわ、ありがとう。」
「それじゃ作業に戻るね〜、スか?まだ謎は残ってるっスよ。だよね、新美サン?」
「はい!!まだこのDVDの正体も、不可能犯罪研究会がなんなのかも分かってないですよ!!まだ作業に戻るのは早いです!!」
「……たしかにそうだわ。それじゃあ議論を再開しましょ。」
「その前に一旦休憩挟みましょう。ちょっと疲れました……」
「ケイって情けないね〜。ま、いいけど。」
そんなわけで一瞬の休憩時間を過ごし──
──議論を再開した……
「……とその前にさ、まずこのDVDをある人に見せたいんだよね。長町先パイすら知らなかったこのいつからあるのか分からないDVDをね。」
「道木、それって誰なんだ?」
「今年度でアニ研は15周年を迎えるワケだけど、その歴史を全て知っている人……古門センセーならこのDVDについて何か知ってるんじゃない?」
古門、我らがアニ研の顧問だ。アニ研創立からずっと顧問をやっているらしいが、部室にいるところは全く見たことがない。いわば建前の顧問だとも言える。そうは言っても、アニ研の作品は一通り目を通しているはずだ。
「そうだな、古門なら何か知っていてもおかしくない。それじゃあ職員室に向かうとするが……」
「部室の心配なら大丈夫よ。私残ってるからね。」
「ありがとうございます。それじゃあ三人で職員室に向かうとするか!」
「うっス!」
「了解です!!」
そして俺、道木、新美さんの三人で、古門に『我ら探偵団・不可能犯罪研究会』を見せるべく職員室にむかったのだった。
第五話に続く
ここまで読んでくださりありがとうございました✨✨いよいよ後半戦に差し掛かります!!あのDVDの正体は次回判明するのか!?
次回も乞うご期待!!
by田中ゴン左衛門




