我ら探偵団・不可能犯罪研究会:第三話
⚠️注意⚠️
このエピソードは「我ら探偵団・不可能犯罪研究会」の第三話です。是非第一、二話を読んだ上でお読み下さい。
前回のあらすじ
ケイ、道木、長町、新美の四人から成る新・不可能犯罪研究会は、謎のDVD『我ら探偵団・不可能犯罪研究会』での謎の一つ、三人目の被害者の死因についての議論を始めた。映像を振り返りつつ行われる議論は難航の一途を辿っていた。しかし道木は、ダイイングメッセージがヒントになると考え、そして議論はダイイングメッセージの解明にシフトしていくのだった。
三人の被害者がそれぞれ残したダイイングメッセージ、“M”、“G”、“C”……これは一体何を表しているのか。さっきからずっと考えてはいたが、全くもって分からない。
「なあ道木、ダイイングメッセージが第三の被害者の死因解明の鍵になるって、一体どういうことだ?」
「さあ、まだ分からないよ?」
「って、ただの勘かよ!」
「まあ、そうだね。でも〜、このダイイングメッセージが何を意味してるかは分かってるよ!」
「ほんとですか!?私にはさっぱり……」
「道木さん、アホな私に教えてくださいまし……」
「仕方ないっスね〜!まずその前に、あの二頭身が言ってたことって、多分ウソ、というか誤った発言があると思うんスよ。」
「ああ、それは俺も一つ思い当たるものがある。」
「それって、なんですか!?」
「それは、これらの殺人が衝動的に行われたものではないということだよ。根拠は三つある。」
「そ、そうなの!?家内くん、言ってちょうだい!」
「はい、まず一つ目が殺人現場が違うということです。一人目と二人目はどっちも道路で同時に行われた可能性はありますが、三人目は部屋の中で、完全に別の場所なんです。たしかに三人目が逃げて、その先がその部屋って可能性がありますが、そもそも二つ目で最初の殺人自体を否定できます。」
「それで、その二つ目ってなんなの?」
「おそらくトラブルで起きた事件なら、発端は被害者三人と犯人の意見が対立したとかその辺なはずです。それなら、犯人が人数差的に力押しで勝てるはずってことで、つまり犯人が殺人を起こそうとしたら他の人が止めたはずです。」
「まあ、一人目を殺したのが突発的なもので、殺人を犯した人が目の前にいたらいくら二人でも逃げちゃうって可能性もあるけどね。」
「それはそうだな。それでも長町先輩、これが衝動的な殺人じゃないという最大の根拠があります。それが、これが連続殺人事件であるということです。」
「え、連続殺人事件だから衝動的な事件じゃないって、どういうこと!?」
「そもそも連続殺人って、ある程度間隔があって行われるもののはずです。衝動的な殺人なら同時に殺人が行われるはずですが、多分その時は大量殺人と言うはずです。だから、この殺人は同時に行われたものじゃない、つまり衝動的ではないということです。」
「それじゃあ、この連続殺人事件って……計画的な殺人事件だったってことなんですか!?」
「そういうこと。だからあの三つのダイイングメッセージも計画的なモノ、要は犯人がわざと残したモノってこと!」
「それで道木、そのダイイングメッセージが意味するものって一体、なんだ?」
「ケイ、この連続殺人事件って順番があるじゃん?だから、このダイイングメッセージもこのM、G、Cの順番で意味が出来てるの。あとこれもヒントだけど、今回の事件でもう一つ、明らかに計画的な要素ってなんだと思う?」
「それって、服装と凶器だよな。計画的なものならあの服装は犯人が用意したもののはずだ。なぜそうしたか、さっき新美さんが言った通り、消去法で犯人が魔法使いになるように……待て!じゃあダイイングメッセージって──
──“magic”の子音を取ったものか!!」
「そういうこと!多分、witchとかwizard、magicianとかあるけど、連続殺人事件があの四人で完結する必要があったからmagicを選んだんだろうね。その必要性が、三人目の被害者の死因の最大のカギになるハズだけど、それがまだ……」
「でも、そのダイイングメッセージの意味だとおかしくないですか?だって、仲良しグループ内で行われた犯行で、犯人を特定する情報を犯人自身が残すなんて。」
「うーん、犯人が自滅行為をするなんて……さっぱり分からないわ……」
犯人が計画的に行ったことが、犯人を特定する最大の根拠となっている。それなのに、犯人はなぜそんな工作をしたのか?あの犯人がそれをする理由……
「……待て、俺たちは根本から勘違いさせられていた、つまりあの二頭身の嘘に踊らされていたんだ!!」
「……あ〜、たしかに!!ハァ〜……なんで気づかなかったんだろ。クソ〜、ケイに負けたのくやし〜!!」
「え!?私、分からないです……それで犯人がなんでそんなことをしたかも、家内先輩が言う勘違いも……」
「それってやっぱり、映像の世界観がファンタジーだったとかかしら!?」
「なんでそうなるんスか?やっぱアホっスか?」
「……ごめんなさい。」
「とりあえず、勘違いされられていたことっていうのが……
……
……」
「犯人はあの女の人じゃない、ってコトだよね!!」
……先に言われた。くそ。
「はあ、そうだ。本当にあの女の人が殺人の際にあんなことする意味なんてなかったし、するはずもなかったんだ。なぜなら、あれは真犯人による偽装工作だったからなんだ!!」
「なるほど!!あの仲良し四人グループであんな偽装工作されたら、犯人はあの女の人って決めつけちゃいますもんね!!それじゃあ、あの女の人の証言は真実だったってことになりますね!!」
「たしかにそうね。でも、だとしたらその真犯人って一体誰のことなのかしらね。」
「……あの!!実はずっと気になってたことがあるんですけど……」
「ん?どうしたんだ?」
「いや、ありえないとは思うんですけど……誰もこの被害者たちを殺害することは出来ないんじゃないかな、って……だって、この映像って不可能犯罪研究会に送ったものなんですよね。だからこの殺人事件も不可能犯罪なんじゃないかなって思ったんですけど……」
──!!完全に盲点だった。そうだ、なぜあの二頭身が不可能犯罪研究会に挑戦状として映像を送ったのか、それはこの連続殺人事件が不可能犯罪だからに決まっている!!
「たしかにそうだ!けれど、この連続殺人事件のどこが不可能犯罪なんだ?」
「だからさケイ、これは挑戦状なんだよ?第三の被害者の死因を当てることを挑戦状とするならさ、二頭身はそれをほぼ当てられない自信があるってことだと思うの。なぜなら、“第三の殺人だけが不可能犯罪”だからね。」
「そうか、第一、第二の被害者は死因が明確だし、殺人現場も公の場で誰にでも殺人が出来た。それとは真逆に、第三の被害者は死因不明でかつ室内の殺人……たしかに三人目だけが不可能犯罪の可能性は十分あるな。」
「それで、どこが不可能犯罪たらしめているかなんですが……やっぱり、誰にも三人目の被害者を殺害出来なかったことだと思います!」
「……!!分かったわ、これは密室殺人なのよ!!」
「お、珍しくマトモなこと言うっスね〜。」
「し、失礼な!一応、部長だからね!!」
それはあまり関係ない気が……
「……とにかく、そうなるとあとは犯人と死因だけだが、ここまで考えてもさっぱりだ。」
「あれれ〜?ケイ、まだ分からないの〜?」
「な、なんだよ道木。まさか死因まで分かったなんて言うんじゃないんだろうな。」
「ん、分かったよ。」
「本当か!?じゃあ教えてくれ、この挑戦状に対するアンサーを!!」
「えへへ〜、ムリ!!」
「な、なんでですか!!教えてくださいよ!!」
「そうよ道木さん!早く教えなさい!」
「ハァ、みんなして……それじゃあその前に、あの二頭身が言っていた真実の部分が何かを考えるっスよ。」
真実の部分!?そう言われて思い当たるものはあるが、それが死因とどういう関係があるんだ……?そう思いつつも、議論は最終局面に向かい、更に白熱していくのだった。
第四話に続く
ここまで読んでくださりありがとうございました✨✨議論ももうすぐ終わり……なのでしょうか?まだまだ議論は続きます!!
次回も乞うご期待!!
by田中ゴン左衛門




