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第66話 瞬間移動を学ぼう(1)

「魔法を発動させる為に、必要なことは何じゃ?」


「イメージと、注ぎ込む魔力量だな」


「うむ、では、ストレージはどうやるのじゃ?」


「入れるものの中を、魔力で押し広げるイメージだな。

 どれだけ広げるか、広げられている時間は注ぎ込む魔力量で決まる、だったな」


「うむ、よろしいのじゃ」


 翌朝から、俺は瞬間移動をマスターするために、ヴィーヴルに付き合ってもらっている。

 まずは、瞬間移動をするイメージを持つためと言うことで、先ほどのやり取りが行われた。


「ストレージも瞬間移動も、空間魔法と呼ばれておるのじゃ。

 なぜ、瞬間移動が空間魔法なのかを説明していくのじゃ」


「あぁ、よろしく頼む」


「では、そこの石を移動させるにはどうすればよいのじゃ?」


 ヴィーヴルは、地面に落ちている小石を指さしている。


「そりゃ、拾って置けばいいだろ?」


「その考え方では、瞬間移動はできないのじゃ。

 ノアは、妾と一緒に瞬間移動した時に、『運ばれている』という感じはしなかったはずじゃ」


「あぁ、ただ立っていたら、次の瞬間には此処に居たな」


「物を『運ばず』に移動させるには、どうすれば良いと思うのじゃ?」


「さっぱり、見当もつかないな」


「移動先が『ここ』にあれば、移動したことにはならんかの?」


「移動したことになるとは思うが、そんなこと無理だろ?」


「その無理なことを、魔法で行っているのじゃ。

 つまり、瞬間移動とは魔力を使って、移動先となる場所を持って来るイメージなのじゃ。

 場所、即ち空間を操作する魔法なので、空間魔法という事なのじゃ」


「言いたい事は分かっているつもりだが、どうにも理解できないと言うか……」


「ふむ……例えば、そこに木があるのじゃ。

 その木を自分の元へ引っ張ってくるにはどうすれば良いのじゃ?」


「今までの話の流れからすると、縄か何かを木に括り付けて引っ張って持ってくる、と言う事なのか?」


「そうじゃ、瞬間移動では、木ではなくてその場所を引っ張って持ってくるのじゃ」


「でも、場所を持ってきても、その場所が元に戻らないと移動したことにはならないんじゃないか? 木はこっちに持ってきたらそのままだろ?」


「魔法で持ってきた場所は、魔力が消えると勝手に元に戻ろうとするのじゃ」


「瞬間移動は、移動したい空間を魔力で持ってきて、持ってきた時の魔力が無くなれば勝手に移動しているってことなのか?」


「そういう事じゃ」


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