第50話 ファーティとアイリス
開いたままのドアから、ドワーフの子供と思われる女の子が顔だけを出していた。
「ファーティ、あの女の子か?」
『「はい、間違いなくあの子です』
「本当に助かったよ。
ありがとうな」
『主のお役に立てたのであれば、恐悦至極にあります』
「こんにちは」
「こんにちは……ワンちゃん、噛まない?」
ファーティに触りたいのだろう。
「あぁ、こいつは賢いから、絶対、噛んだりしないぞ。
ほら」
俺がファーティの頭を撫でてやると、女の子は羨ましそうに見ている。
「ほら、こっちへ来て、頭を撫でてみな」
「うん……」
ソロソロって感じで家から出てきた。
「済まないが、相手をしてやってくれないか?」
『承知』
ファーティと小声で会話をする。
そして、ファーティもゆっくりと女の子の方へと向かう。
「うわぁ、おとなしぃね~」
女の子は頭を撫でた後、身体を撫でている。
ファーティはされるがままになっている。
「待たせたようじゃな」
「いや、構わない。
突然押し掛けたのはこちらなんだから」
「それで、これについて話があるとのことだが、
ここで立ち話もないじゃろうし、中に入らぬか?」
「あぁ、ありがとう、邪魔をする」
「あら? アイリスと遊んでいる犬はあなたのかしら?」
「あぁ、遊びたそうにこっちを見ていたので、遊んでもらっている。
ファーティは賢いから、お子さんに危害を加えることは一切ないから安心して欲しい」
「そう? なら、お願いしようかしら」
「ファーティ、その子と遊んでいてくれないか? ついでに、遠くに行かないように見張っていて欲しい。
俺たちは中で話をしてくる」
『ワン』(承知)
「分かったとのことだ」
「じゃあアイリスの事、よろしくね、ファーティちゃん」
「あいつは、雄でしかも親だぞ。
『ちゃん』付けは怒るんじゃないか?」
「そうだったの? じゃあ、ファーティさん、よろしくね」
『ワン』(承知)
「分かったとのことだ」




