暴かれた秘密
それから私達はウィルとハニーと呼びあって過ごした、他愛ない毎日だけれど、お互いいつも微笑みあえるような日々だった。
そんなある日いつもより3時間ほど早く到着してしまったイダは、岩場に座ったウィルと知らない男の人が2人海に浸かりながら話している光景に出くわした、驚かそうとそっと見えない場所に隠れてイダはウィルを見つめていた。
すると海に浸かっている二人のうち一人が「今はまだいいよ、上のやつらも二分化してるから。石を奪わせるためにもっと早く落とせって言ってる奴らと、長期的に見たらいいじゃないかって言ってる奴らがいるからさ」
「でもこれがひっくり返った時が厄介なんだよ、あいつらころころ意見が変わるだろ?」
「僕たちだって全力で王である君の恋を応援してやりたいんだけど、いくら幼なじみで側近だと言っても限界がある」
「とにかくあまりのんびりは出来ないぞ」
そう言って2人は背びれを翻し、海の中に帰っていった。
それを聞いたイダは幼い頃から「人魚の一族にだけは関わるなよ、お前の意志を狙っている一族だからな」
と父に言われていたことを思い出した。
あまりのショックにその場に倒れてしまったイダ、物音を聞きつけて駆け寄るウィル、ウィルは「まさか今の話……」
と言うとイダは叫ぶようにして「聞いたわよ、あなたは人魚だったんでしょ!私の胸の石を狙っていたのね」
思わず涙をこぼすイダにウィルは「違うんだ、最初は確かに石が目的だった、でもすぐに君に惹かれていったんだよ。本当なんだ、信じてくれ」
そう言われたイダは「わかったわ、信じてあげるでも石はあげない。これならどう?」と言った。
ウィルは少しも動じず「ああ、それで構わない、むしろそうして欲しい君がいなくなるぐらいなら」と返した。
イダはその時心を決めた。
幼い頃から憧れてきた、石を捧げる相手はウィルしかいないと。
「ウィルわたし決めたわ、あなたにいしを捧げる。だからその時まで、私を精一杯愛して」
ウィルは「そんなものいらないんだ。君が生きていてくれるのがいい、お願いだからそんなことをもう二度と言わないでくれ」




