初めてのデート
いつものように、ウィリアムの髪をイダが編んでいるときイダは必死の気持ちを隠しながら、
「ウィリアム今度デ、デートに行かない?」
「デート?何だそれは?」
からかわれていると思ったイダは顔を真っ赤にさせて、
「デートぐらいわかるでしょ!?水族館に行きたいんだよね、じゃあまたね!」
と言ったきり、イダは走り去っていった。
途方に暮れたウィリアムは、また街の本屋へ行って『デート』を調べ、顔を真っ赤にさせたのだった。
次の日二人は水族館に行った、入り口で渡されたDen Blå Planetと書かれた館内マップを、眉間に皺を寄せながら見つめるウィリアムに、イダは言った「どこから回りたい?」
「全部だ」
「全部だけど順番だよ」
「順番があるのか……」
水槽の前で「この魚かわいいい」とイダが溜息を吐きながら言うと、ウィリアムは「……そうか?」
「反応うすっっ」
「食べたことはある」
「食べ物判定やめてええ」
しばらく進むとイダの頭の中は『手、繋いでもいいかな?』でいっぱいになっていた。
「次はあっちだ」
とウィリアムが当然のように袖をつかんで歩きだして、イダだけ真っ赤になっていた。
タッチプールでは
「ヒトデに触れるよ!ウィリアム」
ウィリアムはなぜか真顔だ「触っていいのか?」
「いいんだよ?」
恐る恐る指一本でつつく。
「……動いた」
「動くよ!」
イダがクラゲを見てぼーっとしている。
「綺麗……」
ウィリアムはイダばかり見ていて、水槽を全然見ていない。
「ウィリアム、見てよ!」
「見ている」
「クラゲを!」
「……ああ」
「もう!全然聞いてない!」
お土産屋さんで
ラッコのぬいぐるみを見つけたウィリアムは「イダ、あいつだ」
「本人じゃあないよ?」
「よくできている」
「買う?」
「……本人に許可は取ったのか?」
イダが「私もさっき言っちゃったけど、ぬいぐるみに本人って!」と破顔する。
帰り道二人は自然と手を繋いで歩いていた、190cm程あるウィリアムと175cmほどあるイダの後ろ姿は、まるで一枚の絵のようだと後ろを歩く人々は思っていた。




