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episode67〜天才〜

たくさんの作品の中から見て下さり、ありがとうございます。

最後まで読んで頂けると、嬉しいです。


古城の探索をひと通り終え、庭園から城の中へと入るアルネ達。


ハルザが事前に言っていたように、見て回った箇所には他に新しい発見は無かった。


古城の中は、陽の光が途切れたせいか、暗闇を纏い始めていた。


「ゾルがいてくれて、本当助かったわ」


アルネがそう言いながら、少し身体のバランスを崩す。


「暗くて、足下が悪くなってる。気を付けろ」


そう言いながら、ルクナはアルネの身体を支えた。


(こっ、腰ぃーーー!)


アルネは、自身の腰元をあからさまに見た。

しかし、その手はアルネを捉えて離さない。


そのまま拒む事なく、ハルザ達のいる巨大な本の前に辿り着いた。


「進展は?」


ルクナが、ハルザ達にそう尋ねる。

それと同時に、アルネはその身を捻り離した。


「はい、少しずつですが、文脈を辿って何とか読み進めております。しかし、この暗さもあって、本日はあまり進む事が出来ませんでした」


「そうか… まぁあまり焦ることもないが… できるだけ急いでくれるとありがたい」


「御意」


つまりそれは、ただ単に急げと言われているに、変わりなかった。


しかし、その日はハルピーの森を抜けたばかりで、疲れがあったこともあり、早めに就寝の準備を促した。


更には昼食もとっていなかったため、皆、体力共に消耗していたのだ。 


(明日、あのお風呂入れるか聞いてみよう)


アルネはそう思いながら、横になり深い眠りについた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


翌日、アルネが起きると、シュリが最高の一言を放った。


それは彼女達にとって、願ってもないことであったのだ。


その場へと、連れて行かれるアルネ。


そこには、通常では考えられない程の大きさの湯船に湯が張ってあったのだ。


シュリはその誰よりも乙女な心から、アルネの湯浴みを準備してくれたのだった。


本来なら高貴な者から入るべきなのだが、言わずもがな、ルクナがアルネを先にと促してくれたのだ。


「本当に… いいの? 私ひとりで?」


アルネは感極まり、声が震えていた。


「えぇ… ルクナ様がそう仰っていたもの」


「ありがとう!」


「ふふ、お礼ならルクナ様にね」


そうウィンクをしながら、その場を去るシュリ。


それを確認する前に、我慢できない全身は、その身包みを剥いだ。


「きゃっはー!」


その声は、外にまでも轟いていた。


それと共に、アルネがその大浴場にダイヴする水飛沫が舞った。


その広々とした湯船を、思い存分に堪能したアルネ。


ぷかぷかとその身を浮かべながら、大の字になる。

誰かに見られたらある意味終わる。

その姿は、決してお届けできない。


(きっと、この大きな湯船も、ここの住人にとっては1人用何だろうな… オーガ族… か。本当にそんな大きな種族がいただなんて… 会ってみたいわ)


そう思いながら、その身を湯船の中へと潜らせた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


一番風呂を満喫したアルネは、そのままルクナのいる場所まで足を運んだ。


「ルクナ? おはよう。湯浴み… 先に入らせてくれてありがとうね… 」


ルクナはその言葉に少し照れながらも、微笑んだ。


そして、その身を大きな腰掛けから離すと、真っ直ぐにアルネの方へと近づいた。


その濡れた髪をひとつまみ持ち上げると、アルネからタオルを取り、優しく拭った。


「ルク… ナ? えと… 」


「ちゃんと拭かないと、風邪を引く… 」


そう言いながら、その手は止まらない。


(大きな手… 綺麗)


アルネは、顔が赤くなっているのを隠すために下を向いていた。


「アルネ… 」


「ん?」


「アルネ?」


「ん? 何?」


その呼ぶ声に返事はするものの、顔を上げようとしないアルネ。


ルクナの手が止まると、その顎は優しく持ち上げられた。


その瞬間、隠していたはずの赤面が更に赤くなるとともに、一気に露わになる。


「なっななっ… 」


アルネは動揺をふんだんに見せると、その身を離した。


「何っ!? きゅきゅ急に何っ!?」


「あ、いや… 精霊に風を起こしてもらった方が速いのではと… 思ったんだが… 温風は無理なのか?」


「しっ… 知らないっ」


そう言うと、アルネはタオルをぶん捕り、その場から逃げるように後にした。


部屋から慌てて出ていくアルネを見て、ヴィカは思った。


(盗人か… ?)


そのタオルは頭を覆い、鼻の下で器用に結ばれていたのだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そうして、各自の居場所を確保しつつ、ハルザ達がそれを読み明かすのには、丸2日を要した。


そう、たった2日で読み解く事が出来たのだ。


それは誰もが予想だにしていなかった。


(まさこんなに早いとは… )


しかし、ヴィカの脳に知識を入れるという任務もあるため、そこから更に5日程滞在する事となった。


ついでに、アルネもその場に居座った。


最初は質問をしようと、ちょっぴり声をかけたり、落ち着きがない様子を隠せないでいた。


しかし、全員が真剣な面持ちをしていた為、そのうち大人しくなった。


それよりも、5日で脳内に知識を入れ込んだヴィカに、衝撃を隠せないでいた。


(5日… え? ハルザでも数ヶ月だったのに!? たったの5日!? 天才怖ぇ… )


その功績に、称賛の声を与えるルクナ。


「随分と早かったな。さすがだ」


「滅相もございません。知識を入れつつ、解読も同時にしておりましたゆえ」


(しかし、ルクナ様ならもっとお早かったに違いない… )


そして、ある事に気が付いたアルネ。


ヴィカの懐が気になり、尋ねた。


「あれ? ヴィカ? その本… って… 」


「許可は得ております」


「随分多いわね? ん? もしかしてネネちゃんのカバンにも入れてる?」


「ええと、重要そうな文献を各種選んで… 知識にもなりますし… それに… 」


彼は腕いっぱい胸いっぱいに、珍しく嬉しそうな

表情をして、本を抱えていた。


(勉学好きなのね… 私にも貸してくれるかしら? それにしても少しって量じゃ… )


そして、ハルザがルクナへと本題を持ち出した。


「ルクナ様、あの巨大な書を解読したに当たって、新たにわかったことがございます」


「何だ?」


「はい。まず、あの本を書いたのはオーガ族かと。そして、その実態は文献によると巨大な種族。おそらく、この城で息絶えていた者が、そうではないかと考えられます」


(ヴィカが葬ったという種族かな?)


「なるほど。やはりその者は、ここの主だったという事か?」


「はい、おそらくは… それとそのオーガ族、この城に住んでいたのは、他に少なくとも3人は居たのではないかと考えられます」


「部屋の数か?」


ルクナが勘付いていたかのように言う。


「左様にございます。しかし、何らかの理由で、その時には1名しかいなかったのではと。そして残りの者は、この100年程の間、その者以外この場所へと戻って来ているような痕跡が見当たりませんでした」


(その者達が生きている可能性は… いや… わからぬな。しかし、そうであって欲しい)


「その者達を探す。手掛かりが少ないとはいえ、この近くにいるかもしれない。もしくは、他に痕跡がある可能性もある。探さずに帰ると言う選択はしない」


「かしこましりました」


「私も同意見よ! でも本当にここには手掛かりはないの? やっぱり探すにも、少しは何か手掛かりが欲しいわよね… 」


「はい… その辺は少し心当たりがございます。先日読み明かした文献によると、ここから西に別邸があるという事のようです。そこに向かうのが1番可能性が高いかと… ルクナ様、如何致しましょう?」


「あぁそうしよう。それでいいか? アルネ」


「えぇもちろんよ! そうしましょう! 少しでも手掛かりがある以上、何かに繋がる可能性があるもの」


そう言いながら、アルネは何だか嬉しそうにルクナの方を見た。






最後まで読んで頂きありがとうございます。

突っ走って書いてしまっているので、文章が乱れていることもあるかと思います。

何かお気づきの点があれば、いつでもメッセージお待ちしております。


また、心ばかりの評価などして頂けると、励みになります。何卒よろしくお願いします。


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