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利用するものされるもの

「二人なら〜♪」


「どこまでも〜♪」


「「飛んで行けるよ〜♪」」


結局根負けして渋々カラオケすることなったが、エステルと歌っている内に私の機嫌は良くなっていった。


「翼がなくとも〜♪」


ベッドに座って歌っている彼女の姿を隣で横目に見る

Vtuberの媚びた声じゃなくて、歌い手としての彼女の声、私が恋焦がれた声が目の前にある。


「ん?」


あ、しまった彼女に見惚れていて自分のパートを飛ばしてしまっていた。


「どうしたの?」


「あ、いや…懐かしいなって思って」


「そんな昔のことじゃないだろ」


曲を止めたエステルが冷蔵庫から飲み物を取ってくれる。火照った身体に炭酸ジュースが心地よい


「どうしてその声で歌わなくなったの?」


「んー運営の方針かな」


彼女は軽く頭を掻きながら罰が悪そうに答える


「実はこの声で歌いたいって運営に直訴したことあるんだ。でもRPが崩れるってことで許可降りなかったんだよね」


「失敗したなー」


そう言いながらエステルは腕を広げて私を巻き込みながらベッドに倒れこむ


「ちょ、ちょっと!?」


顔が近い!そんな綺麗な顔を向けられたら私…


「お願いがあるんだ」


お願い?結局何か目的があって私に近づいたってこと?どこまでも打算的なヤツ


「なに?」


眼を逸らしながら答える




「私をアイドルステージに移籍させて欲しい」


ほら、やっぱり友達に戻りたいだなんて嘘だったんだ

前みたいに利用だけされて捨てられる

でも今度はそうはいかない、私も彼女を利用してやる


「いいけど、その代わり」


私は彼女の首に腕を巻きつけて顔を近づける

口と口の距離は1センチにも満たない


「わかってる」


エステルは腕を伸ばして部屋の明かりを消した。

読んで頂いてありがとうございます

とても光栄です

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