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夢を持てなかった俺へ。

最新エピソード掲載日:2026/05/18
30歳、独身、営業職。
神谷湊は、どこにでもいる普通のサラリーマンだった。

人並みに仕事をして、人並みに恋愛をして、人並みに友人もいる。
だが彼はずっと、「何者かになりたい」という焦燥感だけを抱えて生きてきた。

動画編集、小説、カメラ、音楽、投資――。
20代の間、湊は何度も“夢中になれそうな何か”に手を出した。
しかしその度に、自分の才能の無さと、努力を続けられない弱さを知っては途中で投げ出してきた。

「俺、向いてないわ」

それが彼の口癖になっていた。

やがて30歳。
湊は、自分が特別な人間ではないことを受け入れ始める。
今の彼女と結婚し、子供が生まれ、普通に老いていく。

そんな“普通の人生”を、諦めにも似た感情で受け入れようとしていた。

だがある日、彼の人生は突然変わる。

宝くじ、一等前後賞合わせて5億円。

働かなくても生きていける金。
時間も、自由も、全部手に入った。

「これで、人生をやり直せる」

そう思った湊は会社を辞め、20代で諦めた夢へ再び手を伸ばしていく。

YouTube。
小説執筆。
写真。
旅。
投資。
店の経営。

だが、自由になったはずの彼を待っていたのは、“金では埋まらない空虚”だった。

努力できない。
才能もない。
他人と比べることをやめられない。

そして彼は気づいてしまう。

自分が本当に欲しかったのは、夢ではなく――
“誰かに特別だと思われる人生”だったのだと。

これは、夢を持てなかった男が、5億円を使って人生を買い直そうとする物語。

そして、

「普通に生きること」を受け入れるまでの物語。
プロローグ
2026/05/18 01:48
五億円、当選。
2026/05/18 01:57
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