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異世界転生したので、理想のメイドを集めていたら最強の軍団になっていた件!  作者: 廿日 皐月


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第12話『帝国の闇と帰らない猫』


夕刻、僕は自室にセラを呼んでいた。


 ニアの姿がない今日――だからこそ、聞きたかったことがある。

 僕は、最近各国で帝国の残党による犯罪行為が問題となっていること、そして我がグランヘルム王国でもその対応に追われていることを説明した。そして――ニアの村を襲った者たちが、帝国の残党である可能性があることも。


「……なるほど、だからニアがいない日に私を呼んだわけか」


 セラはしばらく沈黙し、やがて静かに口を開いた。


「……私は、追放というより“逃亡犯”と言ったほうが正しいくらいだ。その後の帝国の動きについては、正直詳しくは把握していない。すまないが……あまり力にはなれそうにない」


「……そうですか」


 もちろん、セラを責める気なんて、これっぽっちもなかった。


 だけど、ほんの少しでも、何か手がかりが得られればと思っていた。


「だが……一つだけ、思い当たることがある」


「なんですか? どんな些細なことでも構いません」


 セラは腕を組んだまま、壁の方を見つめながら続けた。


「帝国は軍事国家だ。部隊も多く、方針も違う。私がいた騎士団は主に治安維持が仕事だった。まともな者たちばかりだったし、無益な殺戮などありえなかった」


セラは一拍置き、視線を少し伏せた。


「――だが、戦争が激化する中で、帝国内の状況も変わっていった。私たちも戦場に駆り出されるようになり、その過程で、非道の限りを尽くす特殊部隊の存在を知った。焼き討ち、略奪、捕虜の虐殺……正規軍とは思えないような行為を、まるで楽しむように実行していた連中がいた」

 

「そんな部隊が、ニアの村を襲った……と?」


「断定はできない。だが、もし理由もなく獣人の村を襲ったのだとすれば……そういった連中の仕業である可能性は高い。あくまで予想だがな」


 セラの口調は淡々としていたが、その瞳にはかすかな怒りが宿っていた。


 それは、かつて“帝国”に仕えていた者としての、赦しがたい過去への静かな憤りのように感じられた。


 そのとき――


「ご主人様」


 ノックの音とともに、柔らかな声が扉越しに響いた。


「プルメア? どうしたの? まだ魔力補給の時間には早いよね?」


 僕が声を返すと、扉がそっと開いて、プルメアが一歩だけ中に入ってきた。


「申し訳ありません。でも……少し気になることがあって」


 僕とセラが同時に顔を向けると、プルメアはわずかに眉をひそめて言った。


「ニアさんが……まだ帰ってきていないんです」


「……え?」


 思わず言葉が詰まった。


「日が暮れてからしばらく経ちました。街に買い物に出たのは知っていたのですが、さすがに遅すぎます。普段のニアさんなら、こんなに帰りが遅くなることは……」


「そうか……」


 胸の奥がざわついた。まさか――何かあったんじゃないだろうか。


 僕は席を立ち、窓の外を見た。すでに空は深く、夜の帳が完全に街を覆っている。


「……セラ。すまない、話の続きはまた後日でもいいかな」


「問題ない。必要があれば、すぐに動ける」


 セラが短く頷いた。


「プルメア。ニアが最後に向かった先、わかる?」


「はい。ローエンブルクの商業区だと聞いています」


「ありがとう……すぐに、探しに行こう」


 僕の中で、焦りが静かに、しかし確実に熱を持って広がっていった。



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