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「勘違いですれ違った恋」番外編  作者: 柏木紗月
新婚生活スタート
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新婚旅行


 待ちに待った新婚旅行。私と隼人さんは電車に乗っている。


「隼人さん、見て見て!!」

「綺麗だね」

「どこを見ても自然が広がって痛っ……」

「え、大丈夫!?」


 窓のすぐそばまで近付いて外を見ていたから窓におでこをぶつけてしまった私に隼人さんは慌てる。


「大丈夫大丈夫」

「ゴンってなったよ。あー赤くなってる……」

「平気だよーすぐ治るよ」


 そう言っておでこを擦る私に隼人さんは困った顔をする。


「どこを見ても同じ景色なんだからそんなに興奮しなくても良いのに」

「えへへ、そうなんだけど楽しくて」

「何回も来たことあるんでしょ?」

「由紀たちとね。隼人さんとは初めてだから!!」

「そっか。でももう少し落ち着いて。着く前に疲れちゃうよ」

「うん!!」


 優しく笑いながら頭を撫でてくれる隼人さんに嬉しくなる。

 移動中からすでに楽しすぎると思いながらバスに乗り換えて目的地に着く。ロープウェイでまた頭をぶつけたり、岩で足元がふらついたりして隼人さんがひやひやしてたけど楽しかった。そのあとは船に乗って色んな写真スポットで写真を撮った。たっぷり遊んだあとに遅めの昼ご飯を食べてから美術館に行ってデザートを食べた。食べただけじゃなくて彫刻を見て写真を撮った。隼人さんが興味深そうに見ていたから嬉しくなった。それから移動して今度はガラスを展示してる美術館に行った。可愛いと綺麗を繰り返す私に隼人さんは最後に立ち寄ったショップで家に飾ろうと言ってお花の形になってる置物を買ってくれた。そのあとアスレチックに行った。クライミングをしたり木から木へ移動したり……。高い所は苦手じゃないけど本格的で少し怖い。隼人さんが見ていてくれるから安心する。抱き止めてくれる細いのに逞しい体にドキドキ。まずいまずい、私が変態になってしまう。

 アスレチックのあとホテルに到着した私は豪華なお部屋に感動した。


「写真でも綺麗だったけど本物もすごいね、わー夜景も綺麗!!すごーい!!」

「本当だね。綺麗」


 窓から夜景を見ていると隣に隼人さんが来る。ドキドキ。さっきのアスレチックのせいかな。まだドキドキしてる。多分それもだしきっとこれからのことのせいだ。


「あ、あの……本当に入るの?」

「ん?入るよ、混浴」

「だ、だよね」


 混浴があると知った隼人さんは絶対入りたいと言って、隼人さんがそうしたいならそうしたいとは思ったけど家のお風呂もまだ一緒に入ったことないのに、と戸惑ってしまう。だけど隼人さんはすごく嬉しそうにちょうど時間だから早く行こうと言って私の手をぎゅっと握る。


「恥ずかしいけど……女は度胸だよね」


 そう意気込んで呟くと隼人さんは吹き出す。


「なにそれ……そんなに勇気いる?」

「い、いるよー!!」


 パタパタと支度をして気合いを入れて混浴の貸しきり露天風呂へと向かった。








「はふー……」


 お風呂に入った私はベッドの上にうつ伏せになっている。


「どう?」

「気持ち良いー隼人さんはマッサージも上手だねー」

「ね、普通でしょ」

「うん、さすが隼人さんだよー」


 マッサージの方法をネットで調べておいてくれた隼人さんがうつ伏せになってる私にマッサージをしてくれている。至福のひとときだ。


「優菜さんにプレゼントしたマッサージ機とどっちが気持ち良いのかなー」

「マッサージ機に決まってるでしょ。あれ高かったんだから。優菜さんこれが良いって注文つけてきて……」

「ふふ、でも優菜さんも浩一さんもお義母さんもお義父さんも一輝さんも彩華さんもみーんな気持ち良いって言ってるよー」

「なんで優菜さんの家に置いてるのにみんな行くんだろ、母さんとか絶対凝ってないのに」

「隼人さんがプレゼントしてくれたから嬉しいんだよー」

「椿さっきからふわふわしすぎ」

「だって気持ち良いからー。でももう大丈夫。私がやるよー」


 隼人さんのそばで一緒にサイトを見ていた私は隼人さんと交代してマッサージをして、それから夕食を食べに行ってたくさん楽しんだ私たちは早くに眠りについた。

 次の日は食べ歩き。昨日もたくさん食べてたと隼人さんに言われてしまったけど昨日は昨日、今日は今日だと思いながら食べる。


「んー美味しい!!隼人さんも一口食べてみない?」

「んー甘い?」

「こっちのおまんじゅうは甘さ控えめだよ。ほら、この前ぜんざい食べられたでしょ」

「……好き嫌いする子供みたい」

「ふふ、そんなことないよ」

「あーんしてくれたら食べようかな」

「えー……周りにたくさんいるよ」

「気にしないから大丈夫だよ」

「隼人さんがかっこいいからみんなばっちり見てるんだけど」

「そう?じゃあラブラブを見せつけよう。俺が椿が大好きーって知ったらみんな気にしないよ」

「そ、そうかな……でも隼人さんは私の旦那さんだから駄目ってしないと……」


 隼人さんはかっこよくてどうしても目を引いてしまう。隼人さんが私にチケットを買わせてくれたりできるだけ店員さんの目じゃなくてちょっとずれたところを見ながら話してくれたりしたとしても隼人さんが目立ってしまうのは仕方ないことだ。私がもっとしっかりしなくちゃ。隼人さんは誰にも渡さないよ、と思いながら隼人さんにあーんする。


「うん、本当だ。あんまり甘くない」

「でしょ」

「なんで椿赤くなってるの?」

「は、恥ずかしいからだけど!?」

「動揺して可愛いんだから。それ食べな」

「え?」

「間接キスだよ。直接はこんな大勢いるとこでできないでしょ」

「もー!!当たり前だよー!!」


 普通に外でキスするのが恥ずかしいのにこんな大勢いるとこなんて!!想像しただけで沸騰しそうだ。あわあわしていると手首をそっと握られて口元に持ってこられて思わず食べる。


「間接キスだね」

「う……うん……」


 もう、恥ずかしいけど嬉しい。隼人さんが嬉しそうに歩き始めるから私はパクパクと食べながら隣を歩く。


「去年公園でアイスを食べたでしょ」

「うん、私がストロベリーで隼人さんは抹茶のアイスを食べたね」

「椿、アイスを食べた時間接キスだって意識してたよね」

「え!?なんで知ってるの!?」

「別のこと考えてたけど椿がチラチラ見てきてたのはわかった」

「ひゃー……恥ずかしい!!」

「可愛かったよ。意識してるって」

「もう!!仕方ないじゃん!!」

「怒ってる椿も可愛い」


 そう言って頭をポンポンとしてくれる隼人さん。ああ、幸せだな。

 そうして食べ歩きしながらたくさんお土産を買った。新婚旅行は思っていた以上に楽しくて幸せな2日間だった。






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