表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「勘違いですれ違った恋」番外編  作者: 柏木紗月
新婚生活スタート
32/62

6人とその奥さんの話


 家に帰ってきた私はすぐに夜ご飯を作った。今日は肉じゃがをメインにした和食。


「椿食べれるの?」

「あ、甘いものとご飯は別バラだから」


 ギクッとしてしまう。ただでさえよく食べてダラダラするぐうたらイメージなのに。


「ん、肉じゃがも美味しい。椿は何でも上手だね。お味噌汁もいつも美味しい。一人暮らしの時はお味噌汁なんて作らなかったよ」

「普通のお味噌汁だよ」

「仕事の日でも昼休みに飲めたら良いのになー」

「えっと、作ろうか?」

「え!!できるの!?」

「うん、スープジャーがあれば」

「スープジャー?」

「スープとか温かいまま持ち運びできるんだよ」

「ああ、あれね。職場の女の人が持ってて飲んでるよ。美容に良いんだって。俺も飲みなって言われて男だから良いですって言ったら良いから飲んでみなさいって強制的に飲まされて他の男性社員にその人は料理上手だって言いふらしなさいって言われたよ。女の人って怖いね」

「う、うん、そうだね」


 さっき帰る前に佳代子さんに教えてもらった。成人式も村岡さんの結婚式で着ていたのと同じスーツを着ていて、隼人さんは注目されて囲まれて大変で式が始まるまで会場の外に避難していたそうだ。

 あんなにかっこいいんだからそれはそうだよね。でもモヤモヤする。隼人さんは逆ナンされるくらい誰が見てもすごくかっこいいし私だってそんなのわかってる。そうだったんだろうなって思ってた。だけど実際にそうだったって聞くと複雑。隼人さんが私のことをどれだけ想ってくれてるのかはわかってるのにとびきり美人な人もすごく可愛い人も隼人さんの周りにはたくさんいるんだと思うと……。

 でもだからって胃袋を掴もうとしなくたって良いのに。隼人さんは手料理に弱いんだからそんなことを続けられたら隼人さんもその気になっちゃうかも。これって嫉妬?けど隼人さんは職場の人と仲良くしてるだけなのにそんなこと思っちゃ駄目だよね。……私も隼人さんの周りの人調べたい。けど隼人さんは私がまた荒木さんの時みたいに危ないことにならないように心配してくれてるだけなんだから嫉妬で身辺調査だなんていけないよね。

 私このままで良いんだろうか。いや、駄目だ。もっと綺麗になる努力をした方が良いよね。隼人さんの周りの綺麗な人たちより魅力的になりたい。でもダイエットするなんて隼人さんが悲しむかも。でもでも、あれは私のいきすぎたダイエットがいけなかったんだし、いくらなんでも運動しないで食べてばかりでダラダラしてたら太る。絶対太る。というか体重計がないからわからないけどすでに幸せ太りしてる気がする。


「椿、つばきー」

「……へ?」

「止まってるよ」

「え?わわっ……」


 また食べながら考え事していてほうれん草のごま和えをお箸で持ったまま止まっていた。


「ご、ごめんお行儀悪くて……」

「ううん、けど危ないから気を付けな」

「うん」

「さっき佳代子さんと食べてたのって有名なの?」

「高級ホテルのパティシエさんに直々に作りに来てもらったんだって」

「規格外だな……」

「ふふ、本当だよね」

「楽しかった?」

「うん、佳代子さんとお話しできて楽しかったよー」

「どんなこと話したの?」

「え、えっとね」


 普通に聞いてくれる隼人さんだけどどっちも話しにくい。けどどっちかというと竜二さんとのことかな。


「竜二さんとのなれそめだよ」

「……」

「ど、どうしたの?」


 お味噌汁を持ったまま固まってしまう隼人さん。だけどすぐにお味噌汁を飲んでテーブルに置く。


「ふー……で、何の話?」

「だ、だから竜二さんと結婚した経緯だよ」

「ひぃ……怖いよー」


 隼人さんは頭を抱えだしてしまう。


「こ、怖いの?確かにすごいと思ったけど」

「お酒はいくらでも飲んで良いけど女の人のそばで飲む時は注意しろって竜二さんに言われたよ」

「教訓……」

「女の人はすごいことするね」

「それだけ好きだったからだよ」

「恐ろしい」

「ねえ、佳代子さんに小林さんの奥さんの話とかも聞いたよ。隼人さん全然話したことないんだってね」

「うん、直接は村岡さんの結婚式の時に会った関さんの奥さんの翠さんと小林さんの奥さんの方の加代子さんだけだけど。メッセージ書いてほしいとかよくわからないこと言われて色紙にメッセージ書いて間接的に渡したことはあるよ」

「旦那さんたちに隼人さんを独占されて満足に話させてくれないって怒ってるんだって」

「そうなの?キャラが濃いとか話だけは結構聞いてるよ。あ、そうだ。そろそろ全員の話をしようか。細切れに話してるからわかりにくかったよね」

「ううん、そんなことないよ。そうだ、じゃあ私が聞いた奥さんたちの話をするね」

「うん。えっとね、親父を基準にして1つ上が竜二さんと関さん。竜二さんはもう直接会ってるし良いと思うけど貿易会社の社長で奥さんが佳代子さん。みんなにはかこちゃんとかかこさんって呼ばれてるんだって。親父と母さんはどっちもかよこさんって呼んでるんだけど混ざりそうな時はそう呼んでる。佳代子さん子供の時やゆよが上手く言えなくて竜二さんがつけたあだ名なんだって」

「おお、詳しいね」

「佳代子さんのことはね。夜ご飯食べながらペラペラ喋るから。今でもごくたまに竜二さん、かこって呼ぶんだって」

「そうなんだ。良いなー」

「椿にもあるでしょ。カミー「あーもうそれは恥ずかしいから止めてってば」」

「もう、残念だな」

「もー……それで、関さんは?」

「関さんはこの前話した通りスーツの店を日本とアメリカとフランスでやってる。アメリカとフランスはショールームで実際に買うのはネットなんだけど。で、帰国子女で女の人を褒めるのが趣味なんだよ。それで奥さんの翠さんに冷めた目で見られるんだって」

「翠さんは代々続いてる会社の社長令嬢なんだって。クールでサバサバしてるけど身内にはすごく甘いんだって」

「翠さんは母さんを気に入ってるんだって。不思議だよね。あとパーティーで昔から顔馴染みだった優菜さんとはライバルだったらしいよ。けど今はお互い認めあってる仲なんだって。女のバトルって怖そうだよね」

「う、うーん……そうだね」

「でね、親父と同い年なのが昇さんと小林さん。2人は親父と一緒に会社を起業したんだよ。昇さんは親父の高校時代からの親友で昇さんにどうしてもって引っ張り込まれたんだ。そうだ、昇さんの息子さんは太一くんって名前なんだけどね、翔太くんの名前の由来聞いた?」

「うん、聞いたよ」

「うちも太いって書いて太一なのにってなんか釈然としないってなったけど昇さんの奥さんの桜さんにみんなたくましくて元気な子に育つと良いですねって言われて昇さんもなにも言わなくなったんだって。俺桜さんが一番よくわからないかも。母さんと同い年なんだけど。それで小林さんは不思議な人。真面目で自分で制約を作ってはみんなに妨害されてるよ。けど一番は奥さんにだね。赤い食べ物しか食べない1週間に挑戦するって言い始めてその日の夜ご飯に大量の唐辛子だけお皿に乗せてテーブルに置かれて速攻で止めたり。なんか突然やろうって閃くらしいんだけどよくわからないんだよね。加代子さんは小林さんの幼馴染みで慣れてるんだって。でもそのやろうと思ったことに一生懸命な生真面目さが癖になるって言ってるんだって。それから親父の1つ下なのが村岡さんと木村さん。村岡さんはこの前テレビ電話もしたよね」

「うん、それに優菜さんからも村岡さんのことは聞いたよ」

「そうなんだ。村岡さんには悪いことしたなー」

「そんなことないよ。村岡さんは隼人さんのことが大好きだから隼人さんを心配していたんだよ」

「うん。沙織さんは村岡さんの11も年下なんだ。沙織さんお嬢様学校出身だからぽわーんってしてるんだけど意外とガツガツしてるんだ。で、最後に木村さん。木村さんも親父の会社を設立したメンバー。経理部の部長で唯一独身なんだよ。賑やかにパーッと騒ぐのが好きな人で村岡さんの高校時代からの腐れ縁なんだって。2人は対照的な雰囲気ではあるけどどっちも毒舌だし度々ハモってるしなんだかんだ仲良いんだ。2人はそう言うと違うって否定するけどね」

「私が聞いたのはね、佳代子さんの通ってた高校のこと。小学校から高校まで一貫校の女子校だったんだって」

「ああ、それ沙織さんもだよ」

「そうそう。みんな同じ学校出身のお嬢様だって。すごいね。でも佳代子さんは高校からなんだって。中学まではまた別の女子校に通ってて実家でやったお茶会の席で会った1つ年上の加代子さんに憧れてそもそも入ることにしたんだって。同じ箏曲部に入って仲良しになって、加代子さんの憧れてる加代子さんの1つ上の翠さんを紹介してもらったんだって。っていってもパーティーでお互い見知ってはいたんだけど。それで同時期ではないけど一貫だから縦の繋がりも強くて桜さんも箏曲部だったから仲良しだったんだって。桜さんはほんわかしてる人らしいよ。実家がお義母さんの家と近かったから中学から寮生活を始めるより前時々お義母さんの実家のお花屋さんにお花を買いにいってたんだって。パーティーで偶然再会していろいろあって、で、旦那さんたちの繋がりもあるけどそれとはまた別でお義母さんたちも仲良しなんだって」

「世間は狭いね」

「そう考えるとそうだね。もっと話を聞きたいね」

「そう?きっと女の争いがあったりして怖いよ」

「そ、そうかな。でも聞いてみたいな。なんだかドラマの世界みたいだよね、不思議な感じ」


 そうして話してる間にご飯を食べ終えた。すると、隼人さんはちょっと待っててと言って寝室に向かった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ