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俺は
一人部屋にこもり、考える。
復讐が成し遂げられないくらいなら、死んだ方がマシだとそう考えていた。
だけど、もし俺が死んだら、まこねぇはサチだけでなく、俺まで失うことになるのだ。
俺が死ぬことによって俺が失うことは無くとも、俺が死ぬことによって、まこねぇは、まこねぇにとって大事な存在を失うことになる。
まこねぇが、俺が復讐に走っていることを知れば、止めようとするだろう。少なくとも、やめて欲しいと願うだろう。
でも、俺は誓ったんだ。サチの遺影のーいや、サチの前で。
サチを殺した奴らを殺すと。
だからーー
俺は降りるつもりはない
*
炯人の両親は、大抵帰りが遅い。日付をまたぐのはザラだが、日付が変わるまえに両親が揃った場合は、暗黙の了解で食卓を囲むことになっている。
今日は、日付が変わる前のパターンだ。真琴と母が料理を作る間に、二人テーブルに向かい合った炯人と父が話す。
「炯人、お前、本当に怪我はないんだろうな?」
「大丈夫だよ」
「全く、なんで逃げ遅れたんだ。危うく瓦礫の下だったらしいじゃないか」
「まぁ…ちょっとね」
組織の人間を殺すために残ったなんて、言えるはずもない。
この会話で、父は一つの懸念は確信に変わりつつあった。




