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死神の右眼  作者: U
第2章
12/21

ー黒守邸ー


部屋に飾られた一本の薔薇。一枚の花びらががひらひらと舞い落ちた。

それを眺め黒守は、不気味な笑みを浮かべた。



轟々と炎が立ち上る。

突如、通り魔集団の真横でトラックが爆発したのだ。


なんだ?何が起こった?


全くわからない。

だが、爆発の勢い、範囲からして、確実に誰一人生き残ってはいないだろうと推測できる


それも俺が、殺すと誓った途端。


偶然か…?それとも…


サイレンの音が少し離れたところから聞こえる。

「取り敢えず、ここを離れよう。」

この場に残っても、大したメリットはない。

「立てるか?」

ヤマが俺に手を差し伸べる。

腕は少々ボロボロだが、足にはそれほどダメージは無い。

礼を述べ、ヤマの手を借りる。

委員長は目立った傷は無いようで、すでに自力で立ち上がっていた。


「どうしたのあんたたちっ!?」

傷の手当のために家に二人を連れて行くと、まこねぇが素っ頓狂な声をあげた。

「転んだ。」

「転んだ。」

俺とヤマの言い訳が打ち合わせも無しにシンクロしたので、どうやらまこねぇは信じたらしい(ヤマの頬の腫れはその言い訳では多少無理があった気がするが)。

「あなたは大丈夫?」

「ええ、私は大丈夫です。救急箱か何かありますか?」

「あら、手当なら私がするから大丈夫よ。」

「私も手伝います」

「そう?じゃあ炯人の腕、なんとかしてやって頂戴。元山君は私がやるわ。」


委員長は慣れた手つきで手当てを始めた。

蹴られてついた土を拭い、沢山の細かい擦り傷に丁寧に消毒液を塗っていく。

傷が沁みて顔を歪めると

「大丈夫?」

と委員長がたずねてきた。

至近距離でそんなことを言われると流石に照れる。

「シッシッシッー痛えッ!!」

笑っていたヤマだが、腫れ上がった頬に消毒が沁みたらしい。


以前の俺なら、屈託なくその光景に笑えただろう。しかしどうにも今の俺の笑顔には、何かが影を落としている気がして、胸が締め付けられた。



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