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万雷の迷い子たち  作者: 朝乃倉ジュウ
弐番隊編

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第十六話 副隊長の仕事

 やる事は、山ほどある。

 隊長の言葉には、いくつもの含みがあるからだ。

 壱番隊の迎撃準備に、人間の安全確保。人員配置など細かいことは全て、自分の仕事だ。


『弐番隊──人間管理担当以外は、壱番隊の襲撃に備えて迎撃準備せよ。人間の安全確保は各自の持ち場を死守するものとする。五百年前の前例を超えてくる前提で判断するように』


 自分が弐番隊の共有ネットワークを使う時は、隊長指示の時だけ。

 それを弐番隊のアルマは全員わかっている。

 返信は誰もしない。

 隊長も共有ネットワークの中にいるからだ。

 沈黙の中でも、防護壁や障壁が展開される駆動音が、指示通りに動いていることがわかる。


『──ロゴロ、ちゃんとわかってるじゃん』


 嘲笑混じりの褒め言葉に、自分は何も言えずに俯き、拳を握りしめた。

 隊長はまだ椅子に座っているのだろうか。

 五百年前もそうだった。

 だけど、あれから壱番隊は変わったはずだ。

 それにあの時の人間と、今の人間は違う。


 同じことを繰り返したくはない。


 らしくない。まったくもってそうだ。そう自嘲しながら、自分はあの少女がいる隔離部屋へ走った。

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