↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
万雷の迷い子たち  作者: 朝乃倉ジュウ
弐番隊編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/45

第十四話 とある会社員の男

 自分は、冴えないただの会社員だった。

 会社の健康診断で再検査の結果が出されて、憂鬱に肩を落としながら大病院に足を運んだ。


 そこまでの記憶しか、残っていない。


 気がつけばこの弐番隊とかいう謎の施設に連れてこられて、検査着のような服を毎日支給されて、出されたご飯を食べて、定期的に広い空間に出される。

 窓もない。時計もない。高い天井に備えつけられた電灯から感じる熱が、唯一昼と夜がわかる手がかりくらい。


 つまり、なにも考えなくていい。


 防護服を着た人が定期的に様子見にくるけど、話をするのはごく稀。

 けど、仕事をしなくていい。

 何かしなければならないと言われない。

 眠たければ寝てもいい。

 食べたかったら、部屋のボタンを押せば軽食が配膳される。

 運動したかったら、広い芝生の空間が開放されたタイミングで走ってもいいし、部屋で筋トレしてもいい。


 ただただ、生きていれば良い。


 それは会社でうだつの上がらない平社員だった自分には、最高の環境だった。

 他の人も同じようなもので、この弐番隊という再検査の場で、悠々自適に過ごしている。


 会話は、怖いからしないようにしている。

 いつこの夢から醒めてしまうかなんて、今の自分は知りたくない。

 ここにいる全員が、きっと同じことを考えていることだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。