第三回 文化祭実行委員会 議事録
どこかで、誰かの恋がはじまる
日時:十月十四日(火)放課後十六時〜
場所:視聴覚室
出席者:委員長・北条ほうじょう蒼真そうま、副委員長・桜庭さくらば陽菜ひな、書記・宮下みやした葉月はづき、その他委員四名
【議題一】模擬店の配置について
委員長より、体育館前の模擬店配置案が提示された。焼きそば班、たこ焼き班、それぞれの動線を確保するため、通路幅を一メートル拡大する方針で決定。
【議題二】備品の発注状況について
必要備品のリストが共有され、テント三張り、長机十台の追加発注が承認された。予算内での対応が可能であることを、会計担当が確認済み。
【議題三】前回議事録の確認】
(書記注:本項目、後半より私的な内容が混入しているが、記録の正確性を期すため、そのまま掲載する)
委員長:陽菜、前回の議事録、確認した?
副委員長:うん、確認したよ。内容に問題なし。
委員長:ならよかった。……あの、話は変わるんだけど。
副委員長:なに?
委員長:委員会が終わった後でいいから、少し時間もらえるか。個人的に、話したいことがあって。
(書記注:この時点で、私は妙な胸騒ぎを覚えたが、議事録担当としての職務を全うすべく、平静を装って記録を続けた)
副委員長:うん、いいよ。何かな。
委員長:それは、後でちゃんと話す。今は、議事進行に集中しよう。
【議題四】当日のシフト表について
各班のシフト表が配布され、内容の確認が行われた。特に異論なく、原案通り承認。
【その他】
委員会終了後、委員長より、副委員長に対し、個別の申し出があった旨、書記として記録する。
(以下、書記による特記事項)
視聴覚室に残った委員長と副委員長のやり取りを、片付け作業のため居合わせた書記が、意図せず記録することとなった。以下、正確な記録として残す。
委員長:陽菜。ずっと、委員会の準備、一緒にやってきて、その、思ったことがあるんだ。
副委員長:うん。
委員長:陽菜のこと、単なる副委員長としてじゃなく、その、一人の人として、好きになってた。
副委員長:……蒼真くん。
委員長:急にこんなこと言われても困ると思うけど、返事、聞かせてもらえるか。
副委員長:困らないよ。実は私も、蒼真くんのこと、ずっと同じ気持ちだったから。
(書記所感:職務中に立ち会ってしまった一幕ではあるが、二人の実行委員としての信頼関係が、こうした形で発展したことを、一委員として、心より祝福したい)
【次回予定】
次回委員会は、十月二十一日(火)放課後、同会場にて実施予定。
以上、第三回文化祭実行委員会議事録とする。
記録者:宮下葉月(書記係)




