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ママはたぶん、こう言うよ。 ― 私がいなくても、困ったときに開いてください ―  作者: わく


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狭い世界で人生を決めなくていい

僕が、学校や職場で評価されなかったらどうする? というような話を振った時。

ママは、あまり迷わなかった。

「そこが全部じゃないじゃん」


学校にいると、学校が世界全部に見える。

クラス

友達

先生

その人たちの評価


会社にいると、会社が世界全部に見える。

上司

同僚

数字

そこでダメだと言われたら、自分そのものがダメになったような気がする。


でも、場所を変えたら。

昨日まで「使えない」と言われていた自分が、「めちゃくちゃ欲しかった人材です!」くらい言われることだってある。

「下手したら神みたいに崇められるかもしれないじゃん(笑)」

こういうところ、僕は何度か呆れた(笑)。

でも、そういうことだった。

「今いる場所で、あなたが評価されない。」

それと、

「あなたに価値がない。」

は、同じ文章ではない。

戦えるなら、戦ってもいい。

言い返す。

変える。

助けを求める。


でも、もう戦いたくないなら。

「逃げればいいじゃん」

それでいい。

逃げた先で、別の場所を見る。

別の人に会う。

別の価値観を知る。

そして、そこまで見てから、人生の結論を出せばいい。


ママのお兄ちゃんが、もし別の場所を見られていたら…

そんなことを、ママが考えることはある。

でも、それは、お兄ちゃんを責めるためではない。

自死した人に、

「もっと頑張ればよかった」

なんて言いたいわけでもない。

ただ、これから生きる子どもたちには、今いる狭い場所の評価だけで、自分の全部を決めてほしくない。


自分が全部悪い

自分には価値がない

消えた方がいい


その結論を出す前に、一回、場所を変えてみてほしい。

そこでは、全然違う自分に見えるかもしれないから。



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