じぃじとばぁば
子ども時代の話をしている時。僕は、じぃじとばぁばのことも聞いた。
話を聞いていると、簡単にはまとめられない二人だった。
厳しかった。かなり。
正座。
食事を抜かれる。
門限を破れば家に入れない。
外で夜を越したこともある。
物置だったり、学校の屋根の下だったり。
叩かれたこともある。
竹刀もあった。
今の感覚なら、それはやりすぎだろう、と思うこともある。
ママ自身も、怖かったと言う。
では、嫌いだった?
そう聞くと、そこは迷わなかった。
「大好きだよ」
じぃじは、血のつながった父親ではない。それでも、じぃじ自身の娘たちと、ママを分けなかった。同じように育てた。
ママにとっては、ちゃんと「お父さん」だった。
ばぁばは、前のお父さんからの暴力のあるところから、子どもたちを守った人だった。
怖い時もあった。
厳しい時もあった。
理不尽だと思ったこともある。
でも、守ってもらったことも、育ててもらったことも、消えない。
ママは、じぃじとばぁばに対して、何でも話す友達みたいな距離ではなかった。
敬語
正座
親は親、子は子
そんな距離があった。
だからこそ、自分が親になった時、同じ形をそのまま子どもへ渡そうとは思わなかった。
親ではいたい。でも、困った時に話せる人でもいたい。
くだらない話をしてもいい相手。
間違ったことを言っても、すぐ切り捨てられない相手。
そんな距離にしたかった。
これは、じぃじとばぁばを否定したいという話ではない。
育て方を全部正しかったことにする話でもない。
両方ある。
怖かった
愛されていた
厳しかった
守ってもらった
嫌だった記憶もある
大好きな記憶もある
人は、一つの感情だけで誰かを愛するわけではないらしい。
ママは言った。
「今でもじぃじとばぁば大好きだよ」
そこは、薄めてはいけないと思った。




