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ママはたぶん、こう言うよ。 ― 私がいなくても、困ったときに開いてください ―  作者: わく


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怖いママだったこと

ママは、自分を「いい母親だった」で終わらせない。

怒ったし、余裕がなくて手をあげたこともある。怖い思いもさせた。

あの頃はワンオペで、「私がしつけなきゃ、守らなきゃ、一人でやらなきゃ」と思い詰めていた。理由は、確かにあった。


でも。

「理由があったことと、怖い思いをさせたことは別」

ここは、大事だから二度言う、とは言わない。

ママはこういうところではふざけない。

一度だけ、ちゃんと言う。


「怖いママでごめん」


理由があったから仕方なかった、とはしない。でも、自分を「最低な母親だった」だけにもしない。


ママは間違えた。

そして、悠斗と紗良が何より大事だった。

この二つは、同時に本当でいい。

それは、ばぁばの話と少し似ている。


怖かった記憶があるからといって、愛されていなかったことにはならない。

大好きだったからといって、怖かったことまで消す必要もない。


人間は、一枚の紙みたいに、表か裏かではできていない。



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