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ママはたぶん、こう言うよ。 ― 私がいなくても、困ったときに開いてください ―  作者: わく


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サンタの魂

ある日。

紗良と、サンタクロースの話をしていた。

紗良はもう、「親がサンタさんなんでしょ?」ということを知っている。

でも友達に、「サンタさんはいるよ」と言われたらしい。


だからママは、少し真面目な顔をして言った。

「いるよ」

紗良が見る。

「その時期になると、サンタの魂がママたちに宿るの」

「宿る? どゆこと?」

そこでママは、少し遠くを見るような顔をした。

たぶん、ちょっとドヤ顔だった。


「ほら〜……ここをポチッと……これもポチッと……喜ぶ顔が見えるよ〜って」


紗良は眉をひそめた。

「ポチッと? 何を?」

「Amazon(笑)」

少し間を置いて。

「人によっては楽天市場とか Yahoo かもしれない」

「あ〜なる(笑)」

納得した。

納得するんだ。

僕は思う。

サンタの魂というものは、ずいぶん現代化したらしい。

煙突から入る必要もない。

トナカイもいらない。

必要なのは、スマホと通販アプリと、子どもの喜ぶ顔を想像する力。


そして。

たぶんこれも、ママにとっては幸せなのだ。

何を買おう。

これ喜ぶかな。

こっちの方が好きかな。

そんなことを考えながら、夜な夜なポチる。


昔は、サンタを待つ側だった子どもが。

いつの間にか、サンタの魂を宿す側になっている。



ただし、

魂の正体は、Amazon である。




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